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カットされた髪の毛をリサイクル ベルギー

ベルギーの非営利団体Dung Dung ASBLは、ヘア・リサイクル・プロジェクトを通じて、循環型経済(サーキュラー・エコノミー)を支える廃棄物回収スキームを開発している。

このプロジェクトでは、全国の美容院でカットされた髪の毛を回収し、それを機械に投入することで、四角いマットを作り上げる。

このマットを排水溝に敷き詰めれば、河川に流れ込む前に水中の汚染物質を吸収できるほか、洪水による汚染問題への対処、流出した石油の浄化などにも使用できる。またバイオ複合材料のバッグなどにも利用できる。
1キログラムの髪の毛で、約7〜8リットルの石油と炭化水素を吸収することができる。

Dung Dungの共同設立者であるパトリック・ヤンセン(Patrick Janssen)氏は「私たちの製品は、地球の裏側から輸入してきたものではなく、地元で回収したものを原料にしているから、よりエシカルだ」と言う。

人間の髪の毛のリサイクルと言えば、健康な長い髪がウィッグ用に寄付されるヘアドネーションはよく知られている。しかし、こうした短くカットされた髪にも、他にさまざまな用途がある。

髪の毛は窒素を多く含むため、庭の肥料としても使うことができるほか、毛髪を建築材料として利用する試みもさまざまな企業で行われている。

ロンドンを拠点とするバイオマニュファクチャリング企業BIOHM社は、廃棄された人間の髪の毛を利用して、木材ベースのシート材や3Dオブジェクトの代替品を製造している。

また2022年のロンドンデザインウィークでは、スタジオ・サン・ヴィセール(Studio Sanne Visser)が人の髪の毛のロープを取り入れたホームウェアを発表している。

前述のベルギーのヘア・リサイクル・プロジェクトのHPによると、髪の毛の
束は、その束全体の重さの1000万倍の重量を支えることができるという、髪の毛の強力な特性を称賛している。脂肪や炭化水素を吸収し、水溶性で、ケラチン繊維のため、高い弾力性があるという。

ブリュッセルのヘアサロン「Helyode」の店長、イザベル・ヴールキディス(Isabelle Voulkidis)氏も、このプロジェクトに少額の手数料を支払って、カットした髪の毛を回収してもらっている美容師の1人だ。そうした美容室はベルギー国中に何十軒もある。ブールキディス氏は「髪がただゴミ箱に捨てられているのが残念でならなかったのが、このプロジェクトに参画した個人的な動機だ。」という。

(引用元)https://www.euronews.com/green/2022/12/29/circular-economy-human-hair-recycled-to-clean-waterways-in-belgium

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