マガジンのカバー画像

論語とともに見る社会

41
とらまる×論語普及会 論語普及会会員のとらまるが論語にふれた記事と、普及会の記事をまとめて収録しています。
運営しているクリエイター

#人生

論語のススメ...論語入門編まとめ①

論語のススメ...論語入門編まとめ①

①人と社会のみちしるべ……論語とは

論語は、今から約2500年前に中国でできました。
論語をあまり知らない人からすると、
孔子が書いた本というイメージの人もいるかもしれません。
実は、論語は弟子達がまとめた語録なのです。

孔子(紀元前551~479年、春秋時代末期の思想家・教育者・政治家)が亡くなった後、孔子と優れた弟子達が言ったこと、行ったことを書き記しました。

孔子、直弟子、孫弟子達は、

もっとみる
生き方の処方箋…論語から学ぶ道徳心と社会性

生き方の処方箋…論語から学ぶ道徳心と社会性

孔子の教えは人間の生き方について説いたものが多いです。

内容は、道徳的振る舞い、働く心得、
人間関係や家族関係を良きものにするなど
日常生活のあらゆる場面で役立つエッセンスが豊富です。

教えも実はシンプルで分かりやすく、
現代にも通じる話ばかりです。

孔子の教えは社会の発展や、
ビジネスの場面でも大きな影響を与えてきました。

多くの社会人・経営者らに好まれ、
論語をもとにしたビジネスマン向

もっとみる
絶えず努力し、学び続けた人…孔子とは

絶えず努力し、学び続けた人…孔子とは

孔子は、紀元前551年春秋時代末期の
魯という国に生まれ、
紀元前479年、73歳で亡くなりました。

孔子は、もとは低い身分の出身で、
父を早くに亡くし、貧しい母子家庭の中で育ちました。

そんな中、幼い頃から、自ら勉学に励み、
下働きもいっぱいして役人となりました。

出世した時もあれば、
うまくいかず辞職せざるを得ない時もあり、
浮き沈みの激しい人生ではありました。

ですが、当時の政治を改

もっとみる
論語のススメ

論語のススメ

『現代的論語』をいつも読んでいただきありがとうございます。

論語は現代にも通じる話や教えが多くあるものの、
現代社会や私達の今の生き方に、
どう照らし合わせて理解していけば良いのか…
現代のこととして考えるとしたら、
一体どのようなことを論語から学び得たら良いのか…

論語を聞く・読む側も、
伝える側も、その点が難しいなと思うのです。

論語をよく知る人からすると、
学びも専門性も高くなっている

もっとみる
不欲勿施...自分が人からされたくないことは、人にしてはいけない。

不欲勿施...自分が人からされたくないことは、人にしてはいけない。

己の欲せざる所は人に施すこと勿(なか)れ。
(顔淵第十二、仮名論語一六二・一六三頁 
衛霊公第十五、仮名論語二三七頁)
先師(孔子)が言われた。
「自分が人からされたくないと思うことは、
人もいやなのだから、それを人にしてはいけない」

いつも持ち歩く小銭入れに、
一センチ強の化石が入っている。
五億年前のカンブリア紀三葉虫の化石である。

小銭を出す度に、五億年という時間の長さ、
殆どの動物の門

もっとみる
忠恕一貫...まごころ(忠)からなるおもいやり(恕)

忠恕一貫...まごころ(忠)からなるおもいやり(恕)

子曰(のたま)わく、參(しん)や、
吾が道は一(いつ)以(もっ)て之(これ)を貫く。
曽子(そうし)曰わく、唯(い)。
子(し)出ず。門人問うて曰わく、何の謂(いい)ぞや。
曽子曰わく、夫子(ふうし)の道は忠恕(ちゅうじょ)のみ。
(里仁第四、仮名論語四三頁)
先師(孔子)が言われた。
「参(曾子の名)よ、私の道は一つの原理で貫いている」
曾子が「はい」と歯切れよく答えられた。
先師は満足げに出

もっとみる
百物生焉...「天は何を言うだろうか」

百物生焉...「天は何を言うだろうか」

子曰(のたま)わく、天何をか言うや、四時行われ百物生ず、天何をか言うや。
(陽貨第十七、仮名論語二七三頁)
先師(孔子)が言われた。
「天は何を言うだろうか。春夏秋冬の四季はめぐっているし、万物は自ら生長しているではないか。天は何を言うだろうか。」

歳を重ねると、天の運行の律動(リズム)に近くなるように感じる。

太陽が昇ろうとすると目が覚め
沈もうとするとお腹が空き
満ちると眠くなる。

若き

もっとみる
未知生死...「まだ生もわからないのに、どうして死がわかろう」

未知生死...「まだ生もわからないのに、どうして死がわかろう」

曰わく、敢(あえ)て死を問う。曰(のたま)わく、未だ生を知らず、焉(いずく)んぞ死を知らん。
(先進第十一、仮名論語一四六・一四七頁)
子路(孔子の弟子)が「死とはなんでしょうか」と問うた。
先師は言われた。「まだ生もわからないのに、どうして死がわかろう」

孔子の弟子、子路に限らず、死について問いたいと思うのは、古今東西誰も皆同じである。

人はどこから来てどこへ行くのか。
聖人賢人のみならず、

もっとみる
楽水楽山...知者は変化を楽しみ、仁者は永遠の中に安住する

楽水楽山...知者は変化を楽しみ、仁者は永遠の中に安住する

子曰わく、知者(ちしゃ)は水を樂しみ、仁者(じんしゃ)は山を樂しむ。知者は動き、仁者は靜かなり。知者hは樂しみ、仁者は壽(いのちなが)し。
(雍也第六、仮名論語七六頁)
先師が言われた。
「知者は水を好み、仁者は山を好む。
知者は活動的であり、仁者は静寂である。
知者は変化を楽しみ、仁者は永遠の中に安住する」

登山や山歩きを好きな人にとって答えられない章句が『論語』にある。

雍也篇の「知者は水

もっとみる
老戒在得...「老年には血気が衰えてくるので、戒めるべきは欲得である」

老戒在得...「老年には血気が衰えてくるので、戒めるべきは欲得である」

其(そ)の老ゆるに及んでは血氣既に衰う、之を戒むること得るに在り。
(季氏第十六、仮名論語二五三・二五四頁)
「老年には血気が衰えてくるので、戒めるべきは欲得である」

孔子は「道に志して努力する人に、三つの戒めがある」(季氏篇)と言われる。

血気が不安定な青年時代は男女の付き合い、
血気が盛んな壮年時代は争いや闘い、
そして血気が衰える老年時代は欲得をつつしまなければならない、と。

確かに、

もっとみる
教育とは“人格教育”でもある

教育とは“人格教育”でもある

元々日本の”教育”というものは、苦手なことを少なくし、
人格を磨くことを美点としていました。

これは日本が中国から文化や思想を取り入れていく中で根付いてきたものです。

私達日本人の根っこには人格や行動を磨くといった感性があるのです。

だから日本の学校には”道徳の時間”があるのです。

海外では日本ほど道徳的教育に取り組んでいません。
例えば、ヨーロッパ圏の国では、学校はあくまで知識や学問を教

もっとみる
頑張ることが今日明日の生き方を変えていく

頑張ることが今日明日の生き方を変えていく

これは論語に出てくる私の好きな章句の一つです。

私はこの言葉を通して、力の限り努力する・頑張る意識を持ち続けることの大切さを改めて感じます。

現代人、特に若者・働き世代はこの心意気が足らないのを
私は残念に思います。

私は”頑張る”という言葉が好きです。
頑張ることは生きることだからです。
頑張っているから生きていることを実感できるのです。

頑張れば頑張っただけ、成果や自分の実力、将来がそ

もっとみる