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感謝の気持ちからマガジン作成しました! ごんが作ったイラストを"見つけて""使ってみよう"と思っていただけたことに嬉しさを感じています!ありがたく、皆さまの記事を拝見しています🙏
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#詩

カーテンレール

カーテンレール

3歳下の弟と留守番をしていた時
普段は禁止されている
寝室のベッドでトランポリン遊びをしてた

親の言うことをよく聞く弟が
躊躇しながら羨ましそうにしていたので
この我が家では悪いとされている遊びに
手を引いて連れ込んだ

禁を破る背徳感も次第に薄れ
弟もはしゃぎ回るようになってから
ベッドの先にクッションを並べて
ジャンプしてどっちが
遠くまで飛べるかを競うゲームが始まった

何回か飛んだ後に最

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「Leave me alone」ー詩ー

「Leave me alone」ー詩ー

痩せてゆく心は
幸せにさえ気づけない
小さな穴は次第に大きくなり
この身体はすっぽり隠れてしまう
言葉を失い
点滅したままの思考

羽ばたいていたはずの蝶は
いつの間にか蛹に戻ってしまった

聞こえてくる言葉は
槍のように体に刺さり
自分で抜くこともできず
痛みに慣れてゆく
一人になりたかっただけなのに

言葉に言葉を重ねても
羽毛布団のようにはならない
言葉の温度は下がって
気泡も出せずに沈んで

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愛する妻が詠んだ詩

愛する妻が詠んだ詩

これは、私の妻がどん底で1日をやっとの思いで生きる生活を送っていたときにノートに書いていた詩です。

「ペットボトル」

ペシャン

かんたんにつぶされちゃった

ぼく、ペットボトル

当時の彼女は、本当に心がつぶされたいたので、これを読んだときにとても心に残りました。

こんなにも弱っている自分の姿と、そんな絶望の淵にいる自分だけれど、健気にここで生きているんだというメッセージが伝わってきました

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サカサマコトバ

サカサマコトバ

辛い時
落ち込む時
ついていない時
不幸せな時

心と言葉を逆さまにする
辛くないし 気分上々
ついているし 幸せだ

胸の気持ちが口に出るなら
逆に口に出した言葉が胸の気持ちにもなるはず
だからサカサマコトバには前向きになる力がある
夜の公園で僕に奢らせた
缶コーヒーを飲みながら君が自身満々に言う
君なりの自己敬拝らしい

疲れてもいないし
全部うまくいく
頭もしっかりしているし
明日も楽しみだ

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「手のなかの火」【詩】

「手のなかの火」【詩】

あの子は手のなかに
火をもっていた
だからにぎりしめたとたん
ぼくの心は燃えたのさ

それからぼくは
本を読むのをやめた
そして空を眺める男になった

それからぼくは
たとえばアルバイトの休憩時間に
SNSをみることをやめた

そこにはくだらない話しか
載ってないことに気がついたよ

みんなスマホの液晶の上で
手のなかの火を消してしまったのだろうか
ぼくにはきみの温度があった

きみがこの手に残し

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真っ暗な夜

真っ暗な夜

見上げても星は見えない

真っ暗な夜だ

僕は歩いているのか

立ち止まっているのか

ここは建物の中なのか

それとも建物の外なのか

よく分からない

ここがどこかだなんて事は

この際どうでも良くて

僕はどうしていきたいのか

それさえ見つかれば

暗闇だろうがなんだろうが

怖くないのに

だけどいくら

自分と向き合っても

分からない自分の心の形

全く見えない闇の向こう

頭の中で

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「海」(詩)

「海」(詩)

言い訳はしない
私はいきたかった

あの場所の
音の響きで
あなたを呼ぶ

額装はいらない
厚紙のふるえを
とじこめないで

波が私を呼ぶ
つれていきたいのだろう
つよく本心を晒せば

けれど
言い訳はきこえないものだ

私はしずかに
波が打ち寄せるところにいる

雨の海で書いた詩  4分の2

「助手席」【詩】

「助手席」【詩】

あらゆるものが
流れては 去る
このあわただしい窓辺から
はんたいがわの景色へ
目をやる

その横顔は
さっきから
沈黙を味方につけて

柔らかい手にゆだねられた
ハンドルが
いま、切られ
過去へ 未来へ
そこへ
どこへ?

その横顔は
いつも
かわりませんね

それでいい
それがいい

許せない気持ち

許せない気持ち

雑踏のまんなかで
目を閉じて
耳に入る足音だけが
人生の数とするならば
こんなちっぽけな僕の音も
このなかの
ひとつなんだろう
僕が地団駄した音も
一生のうちの一秒なんだ
死んだ目を揺らした魚たちが
今日も雑踏を歩いている

迷走ラプソディ

迷走ラプソディ

行きずりの欲望に
恋という名前をつければ 
許されるような気がしたんだ
それはきれいでも 汚いものでも
なんでもないものだったけれど

あまりにたくさん溢れてるから
君との情事に平凡という名前をつけてみたら
本当につまらないもののようにみえて
すぐに捨ててしまったんだ

大切なこととそうでないことの
境界線はだいたいいつも曖昧だ
たいていのことは
現在進行中のときは早すぎて 過ぎてから気づく
だか

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ペットボトル

ペットボトル

どこか遠くの苦しみに

失われた酸素に

無関係を装って

プラスチックの水を飲む

遠くの国からわたしの口に

味は無味透明で

道のりは知らんぷり

©︎2023 もりあゆこ

詩 『たくさんの食べる夜』 #シロクマ文芸部

詩 『たくさんの食べる夜』 #シロクマ文芸部

 食べる夜
 お腹の赤ん坊のために
 栄養をたっぷりと摂る夜

 食べる夜
 人肌に温められたミルクを
 哺乳瓶を持ってごくごくと飲む夜

 食べる夜
 大人の食べているものが
 どれも美味しそうに見えるけど
 目の前の離乳食をもぐもぐ味わう夜

 食べる夜
 初めてのお子様プレートがうれしくて
 次々から次へと口に放り込む夜

 食べる夜
 キャンプに行き飯盒炊爨で作った
 カレーを前に手を合わ

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【詩memo】手のひら

【詩memo】手のひら

すてきなことが
溢れすぎていて

すてきでもないことが
ちょこんと ただ
手のひらに乗っている

特技はなく
見た目もいまいち

ふり返る人なんて
もちろんいない

褒められてみたかったな
たいしたことじゃなくても

すてきだね
えらいね
すごいね
がんばったね

それくらいのこと
誰が褒めるの

でも、褒められてみたかった
ぜいたくだったのかな わたし

この道路も
ジュースも
つくった人には

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