詩 鈴虫

鈴虫は私の住む町にはいないようです
私の故郷の町では
もうすでに、早生まれの数匹が鳴いていましたから

 蝉の鳴き声が落ち着いた夜を
 狙って鳴いているのでしょうか
 私は開けてあるトイレの窓から
 その声を聞き
 つい、秋頃に思い出の多い
 あの人を浮かべていました

都築郷夫(つゞき·くにを)の詩と歌と句 act 5 by Tsudsuki, Kunio 附・詩人の為のワードローブ集

【詩①】

1:30に起きた
掛け値なしの1時半
何かする事あるんかな、己?
こんなに早く起きたつて
特に意味はないんだが..
たゞ疲労感の残る躰で
これもまた疲れた
詩を書いてゐる
掛け値なし、1時半
もうこれ以上安くならないよーと
池袋の家電スーパーの
をぢさんのやうに
頭の中心部は
僕と言ふ総合的存在を
バカにしてゐるのだ!
ぷんぷん
怒りでまた草臥れる僕
この現象に
抜け道はあるのかい?

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都築郷夫(つゞき·くにを)の詩と歌と句 act 4 by Tsudsuki, Kunio 附・詩人の為のワードローブ集

【詩①】

今織り成すべき
詩は熱中症にも勝つ
逞しい言葉のストラクチュア
ぽろんぽろんと
ピアノが聴こえる -
さあ吐き出しちまへと
神?悪魔?
の誘導..とは言へ己は
そんなにか弱くはない
52のをつさんだぞ
タフに世間を渡るのだ
そしてあの娘の太股に
大輪の
牡丹?芍薬?
が咲くのだが
微かに小便くさゝが残る
絶好のチャンス·ミーティングに
命、賭ける -
そいつが戀だつて云ふ事は
神?悪魔

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詩 緩みそうな

首筋が凝ると
私を労わりたくなる
“やること多くて嫌ね”
“恥かいてばっかりやね”
私の首筋はそれでも動く
項垂れそうな頭を支え
緩みそうな自身まで

詩 梅雨明けの後のスコール

梅雨明けの後のスコールは
一層強い夏の匂いを立てる

 小さい頃に嗅いだ気のして、嬉し
 そこを走り抜けたいほど

梅雨明けの後のスコールは
一層濃い悲しみを伝える

 小さい頃に嗅いだ気のして、切ない
 そこに立ち尽くし、じっと濡れていたいほど

ああ、ざーっと屋根を打つ雨の音
しぶきに烟った白い辺りも

梅雨明けの後のスコールだ
これは梅雨明けの後のスコール

九州俳句 No.199 九州俳句賞

九州俳句 No.199

未熟者ながら
今回が最後になるかもしれない
九州俳句賞を頂けたのは
誠に有難い驚きでした
精進します
#俳句 #Haiku #九州俳句 #形象 #詩 #poetry #poem

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道とレモンと花 / 詩

いままさに

きみはぼくを選ぼうとして、

(かのじょはうまれてからただのいちども    き色い帽子をかばったことがないし
ちいさな胸にじぶんのなまえを掲げたこともないし
白いスカートをよごしたこともない
晴天のもとでみず浴びをしたこともなければ
転んで膝をすりむいたこともない
なにかを苦痛におもったこともないし
たのしいことがあっても、
けしてわらったりなどしなかった

甘いレモンをたべても、び

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詩 リゾート

本当はね
もっと遠い場所が良くってね
だーれもいなくて
ついでに言えば
あなただっていないようなね
そんな場所で一人
しばらくいたいって思ってた

私死んだりできる程潔くもないから
それが小さい自殺みたいになって
新しく生きられるような気がして
そんなことはきっとないんやけどね
どうせまたおんなじように生きていくんやけど
一瞬はそんな気分になれそうに思って
それでわくわくさえしてた

詩 頬骨

鼠色のあなたと別れ
私は頬骨を外してみました
丁度雨の上がった後の
日照りの中
白く光る水溜りがありましたので
それを目掛けて投げました

水で洗われて光る辺りと
そこを飛んでいくお骨
水溜りは飛沫を上げてそれを受けます
波の落ち着いたそこに
はあ、私の頬骨
ここにあったらしい、私の頬骨

都築郷夫(つゞき·くにを)の詩と歌と句 act 3 by Tsudsuki, Kunio

或ひは都築と言ふ名の「人形」 - 詩人の為のワードローブ集

【巻頭歌】

会社辞し即仙丹を嚥みしごと雲の上ゆく自称仙人
(©都築郷夫)短歌 tanka

【夏の名残り・13吟】

攻撃性に夏負けを見る「自分」かな
(©都築郷夫)俳句 kigo

エロ本など通過儀礼に過ぎません大きくも見え小さくも見得(う)る
(©都築郷夫)短歌 tanka

成つて最もカッコ悪いが偽詩人訥なるレトリックなら

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