「とらわれ」ー詩ー

途中まで書いた手紙は
手を温めるのに丁度いい
パチパチと庭であきらめを燃やす

変わり映えのない言葉で始まり
同じ言葉で手が止まって
一ページにも満たない手紙

あの書店にはもう
同じ便箋はない
入荷することもない
この思いを
綴ることはもうない

あれから何年、、、
それを来年も思うのだろうか
あれから時間だけが進んで
あれから心は彷徨い続け

まるで言葉に憑依されたように
私は「好き」という二文字を
壁に書いた

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