【MV】妄想ラブゲーム / ネガティブリアクションズ㉑ラスト【ミュージックビデオ】

バンドが終わってしまった。世界の音が聞こえにくくなってしまった。
耳が詰まっているのか、心が削がれてしまったのか。

いろんな夜を超えてきて、ようやくやりたい表現が見えていた。
あとは演奏やパフォーマンスを、大衆に伝わりやすくするだけだったはず。

ずっと"何か"に触れ続けてきた。

画伯ちゃんは世界の秘密を知るかわりに、頭がおかしくなっていった。
この幻覚を消してくれ。この幻聴を止めてくれ。

そうだ、この感覚で曲を作るのはやめよう。

だから大衆向けに、いい塩梅で"やりたい表現"を"表現"する方向へシフトチェンジしよう。

意識の最奥、無意識の最奥から、"何か"を引っ張り出し続ける日々は、自分だけじゃなく周りの人達をも壊していくことに気づいたから。

ちょっといただく程度にしておこう。
じゃないと音楽が鳴り止んでしまう。

画伯ちゃんは知っている。

音楽を鳴らすということは、鳴らなくなるということ。

これまでのネガティブリアクションズは↓↓↓

まとめマガジンは↓↓↓

がはくのバンド｜がはく｜note

一人ぼっちの夜

シフトチェンジの機会さえ設けることなく、バンドは壊れてしまった。
自主企画イベントの夜を越えた１ヶ月後、2006年の12月に。

バンドメンバーである

・リードギターの妹子

・ドラムの鼻でか

メンバー2人が連続して脱退していった。

妹子が抜けた直後は、
過去のように2人組としてバンドをやり直せると思っていた画伯ちゃん。

数日後。いつもの練習スタジオ終わり。

駅のホームで"バンドを辞めること"を俺に告げたかと思うと、目も合わせず去っていく鼻でか。

画伯ちゃんにとって、予想だにしない展開。

最寄り駅を降りてから、自転車を取りに行く間までの100歩足らずも、うまく歩けなかった。

目が回り、息ができなくなった。
そして泣きながら、地面に座り込む。

「どうにかしなくちゃ」

と、1人で呟きながら。

震える手で掴んだ、ケータイ電話。

着信履歴から、名前を見つけて電話をかける。

一人ぼっちでは、この夜を越えられない。

少しでもこの想いを、受け止めてほしかった。
この感情を理解してもらいたかった。

電話の向こうから聞こえてくる声。

「どうしたん？」

数日前に脱退した妹子の声だ。

【MV】ネガティブリアクションズ / 妄想ラブゲーム 【ミュージックビデオ】

この出来事の数ヶ月前に、いつもとは違う梅田(大阪)のスタジオに入った。
その時に"LINE録音"をしたのが、下記の映像音源だ。

普段のスタジオは安いかわりに、凄まじい音の"エアー録音"しかできない。
だから記念に録音していたみたいだ。データが残っていた。

この曲は、画伯ちゃんにとって1番思い入れの強い曲。
技術力は皆無なんだけどね。

自分の作れるバラード的な作風の限界点だと思う。
歌詞もメロディも。

生きていた証として、2020年に9月現在にミュージックビデオを制作した。

ここに残したかった。
このnoteの記事たちと共にね。

(何回も編集とチェックしていると、エアー録音の音源にも聞こえてくる...)

歌詞↓↓↓

【妄想ラブゲーム】

君の瞳に吸い込まれ 思わずキス
身体中を巡ってく 甘い感情

混ざり合った 2人の白い吐息は
空中で透明に溶かされてった

空想世界に生きてる 性的少女
現実世界に毒された 発狂少年

笑いあって 触れあって 貶しあって
手を繋いで キスして セックスして

夢の中では いつも思い通りに 進んでいくのにな

妄想ラブゲーム

夢と現実の違いが無くなったのは
僕の頭がおかしくなったからか？

それとも世界は誰かの創造物なのか？
それとも僕は誰かのための脇役なのか？

夢の中では いつも思い通りに 話し合えるのにな

妄想ラブゲーム

いつかみんなにも幸せがやってきて
泣いたり悲しんだりしないような毎日が
夜更けすぎの絶望と落胆
吹き飛ばしたくて妄想をした

妄想をした

妄想ラブゲーム

YouTube動画↓↓↓

〜概要欄より〜

あれからどうしてるんだ〜？元気にしてるのか〜？

「おしっこ飲ませろ！ネガティブリアクションズだ！」

いつの間にか俺たちは、目を合わせることも無くなってしまった。
それが大人っていうものなのか。

なるほど。
それをビールで流し込むんだな？

夢に溺れた画伯ちゃん。
どんなふうに溺れたのか、とくとご覧あれ〜！

編集：2020年9月6日

チャンネル登録よろしくお願いします！

妹子との電話

「どうしたん？」

妹子の声が聞こえた瞬間、心が振り切れた。
周りを気にせず、月がボヤけるほど泣きわめく画伯ちゃん。

路上、電話、誰かの前、
人生で1番泣いていた。

訳の分からない妹子は

「え？大丈夫？なにがあったん？」

全てを説明する画伯ちゃん

「バンドできやんくなった。どないしよう。もう生きていく目標も無くなった。終わってもうた」

優しく聞きに徹してくれる妹子。

心が振り切れすぎて、朧気な記憶だけど
たしか画伯ちゃんは、妹子にこう言った。

「もう1回、一緒にバンドやってほしい」

「うん！やろう！きよし君は才能あるんやから。やめたらアカンよ！」

あっ、心が戻ってきた。

「ありがとう、妹子」

「ちゃんと帰れる？大丈夫？」

「うん。大丈夫。ほんまありがとう」

ずっと握りしめていた自転車の鍵が、やっと自転車の鍵だと理解できた。

自転車を押して、背中にギターを背負って、画伯ちゃんは家まで歩いていく。

とことことこ、と。

この日で、ネガティブリアクションズは停止した。

解散では無いような気がする。
画伯ちゃんが生きている間は、いつだって停止のまま。

14年経って、
こんなふうにnoteやYouTubeに改めて残せたからね。

これにて、ネガティブリアクションズ編はおしまい。

とてつもない長編になってしまった。

ここまで読破してくれた皆さん、ありがとう！
いつか、自転車に乗りながらキスしてあげるね！

当時関わってくれた、全ての関係者に敬意をこめて。
2020年9月6日 画伯ちゃん (ネガティブリアクションズ 山下清)

次回、妹子との新しいバンド編でお会いしましょう！

砂の女

メンバーのみんなありがとう！
鼻でか、妹子、色白、ゆきちゃん、noteに登場したみんな！ありがとう！

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