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少し悲しいけれど、俺たちフィリピンには撒かれていない枯れ葉剤たちだろ?(仮)【ネガティブリアクションズ①】

「"世界を変えることができる"と思える表現に辿り着けた。
感情のすべて、思考のすべて、人生のすべてをそこにぶつけた」

題材も絞り込んだ。
シュールレアリスムとは名ばかりの、無意識、超現実、暴力、狂気の集合体。


~精神病、引きこもり、女装者~

2005年の、曲の中に出てくる歌詞だ。

信じられないな。信じられない。
そのときは、その世界観が好きなだけだったのに。

今では精神障害者だ。
そして引きこもっている。
女装者にも確かに興味を持ち続けている。

2005年の春が来る直前。
前身バンドであるジャイアントジャンカーから、ギターが抜けて解散に至った。

"何かを掴みかけてた画伯ちゃん"は、そのバンドで一緒に演奏していたドラムの鼻でか君

「また一緒にやろうぜ」

と話しかけた。


そこまでが前回のお話。

今回は、"世界を変えることができる表現"を目指した、その後の僕たちの物語を書いていく。

前回までは↓↓↓


まとめマガジン↓↓↓


白いギターで、えぐるような音を出したから

2人でバンドをするなんて、とても信じられないこと。

いっそのこと新しいメンバーを探しだすまでは、"音楽性"よりも"表現のための音楽"に振り切った。

どんなことも終わりがくる。
やり残してはいけない。


画伯ちゃんは、人生でやってみたいことの全てを詰め込もうと決意した。
曲も歌詞も、もう全部やりきってやる。

しかしドラムスティックベース
そしてまともに音の出ないストラトキャスターしか手元にない画伯ちゃん。

せめて、ドラムとギターの方がいいよな...


と考え、ドラムの鼻でか君と、梅田にエレキギターを買いに向かった。

ヘッドレスベースのSteinbergerを買ったお店にピンとくるものはなく、いろんなお店を回るが、どこにも画伯ちゃんをグッとこさせるものは無かった。

仕方なく、一旦諦めて地下を歩いていると、1軒の楽器屋さんを見つけた。


地上階にもあるお店らしいが、地下のこのお店では買い取った中古長く売れていない楽器を安く販売しているらしい。

掘り出し物を探したり、初心者に良さそうなお店。

入ってすぐのところに白いテレキャスターがあった。

「あっ、いいやん!これ」

手に取り、店員さんに試奏の許可を取る。
横で何かを説明してくれる店員さんと、暇そうにキョロキョロする鼻でか君。

しかし画伯ちゃんは緊張していた。心拍数が上がり、目は開ききっていた。


ローコードのCを鳴らした瞬間に感じ切ったんだ。
"これしかない"と。

求めていたすべてが鳴っていた。

ネックを握る左手、ピッキングする右手。
どちらもしっくりきていた。

お気に入りのヘッドレスベースも白色だし、合わせるのも可愛いはず。
値段もたったの4万円だった。

帰り道。

Fender Japanの白いテレキャスターを背中にかついで、笑いながら帰る画伯ちゃんがいた。

超特急な僕たちの曲作り

2人でのスタジオは圧倒的に音が足りなかった。特に低音。
ギターアンプの設定は中音、低音をほぼ最大に。

時にはベースアンプにも同時に繋ぎ、訳の分からない音を出していた。
ボーカルマイクの音なんて、搔き消えるくらいの音量を出しながら。

それによって歌声は獣のようになり、曲とは関係ない箇所でドラムの鼻でか君も叫び倒していた

その反面、メリットもあった。

もうお互いの癖や、限界点を知り尽くした2人だったため、曲を持っていけば必ずその日のうちに完成した。

超スピード。

ベースなんか要らんかったんや、と当時は周りに豪語していた。

今だと絶対に要るのがわかるし、当時の音を聞くとベースを足したくなってしまう。


前身バンドであるジャイアントジャンカーが解散した翌月には、もうライブできる尺分の曲ができていた。

音で勝負せず、心を露わにした瞬間たちの連続をぶつけることで、世界に挑もうとした。

"早くライブをしよう"となり、鼻でか君から"バンド名を決めてほしい"と急かされた。

そして出演したいライブハウスにデモ音源を渡したことで、締切日を設けられる。

チケットに印字しないといけないかららしい。
さらに急かされる毎日。

ぎりぎりまで思い付けず、ずっと悩む画伯ちゃん。
この表現たちを1つの言葉にまとめられない。

それでも名前は必要だし...
どこにも無いような名前を付けたいし...

少し悲しいけれど、俺たちフィリピンには撒かれていない枯れ葉剤たちだろ?(仮)


そう書いた紙を鼻でか君に見せた。
意味がわからなさすぎて、めちゃくちゃ笑っていた。

彼が笑うってことは、もうそれで審査は通ったってこと。
長文すぎるバンド名を付けて満足した画伯ちゃん。あとのライブハウスとのやり取りは鼻でかくんに託した。

画伯ちゃんは、大学に行かず、ずっと曲を作っていた。
童貞のまま。

アルバイト先のマクドナルドでは、活性化した脳のせいか、大声ではしゃぎ倒して過ごしていた。


「ライブする日決まったで〜」と連絡があり、前売りチケットをアメ村まで受け取りに行ってくれた鼻でか君が、家まで見せに来てくれた。

"フィリピン"

と、そこには書かれていた。
ライブハウスのスタッフに問い合わせると

「長すぎて載せられなかった...」

と思いがけない事実を知る。

このままでは俺たちは"フィリピン"になってしまう!!!

新しいバンド名に、こんなの思いついたけど?

初ライブでは...

「こんばんは。少し悲しいけれど、俺たちフィリピンには撒かれていない枯れ葉剤たちだろ?(仮)でーす」

とMCで言ってみたが、対バンや音響スタッフには意味が伝わらなかったはず。

当日の看板にも"フィリピン"とだけ書かれていたから。

俺たちは"フィリピン"になってしまった!!!

このままじゃいけない。
ちょっとした面白さを含んだつもりが、全く意味のわからん混沌さだけになってしまっている。

2回目のライブもすでに"フィリピン"で決定してしまったらしいが、そのライブ直前までに新しいバンド名を考えるのが、画伯ちゃんの宿題となった。

またしてもバンド名を考える日々。
俺たちをあらわす単語を見つけたい。

そのとき。

当時ハマっていたCDが目に入った。

あっ、これ...
この言葉を借りよう...


そして、「バンド名の候補を思いついた!」と連絡すると、わざわざ家まで来てくれた鼻でか君

俺が直接バンド名を見せたいと話したのかもしれないけど、家に来てくれるってモチベーションすごいよね。


彼にバンド名が書かれた、小さな紙きれを見せた。

ネガティブリアクションズ


マイナスターズのファーストアルバム「ネガティブハート」
そこからネガティブを拝借した。

"さまぁ〜ず"がやってる音楽ユニット。


俺たちの表現は、世間からすれば負の感情の寄せ集め。
そんな(社会の)ネガティブさからくる反動を欲してた。

俺たちの表現への反応も。

ネガティブの反対は、ポジティブではないことを伝えたかった。
生き続けるか、死ぬか、死に続けるか。

~精神病、引きこもり、女装者~

この状態の人の感情をテーマにして曲を作っていくと、画伯ちゃんの童貞マインドも相俟ったのか、凄まじい勢いでネガティブさは憑依してきた。

ネットで、勉強すればするほど。
文献を読んで、知識を増やせば増やすほど。

画伯ちゃんはおかしくなりながら、バンドを進行させた。

そして単位がぎりぎりで、ほぼ卒業できないと判断された大学にもちゃんと通うことを決めた。

大学の授業で、曲のネタになることが多くあると気づけたから。
そして登下校の往復3時間で、歌詞や文章をたくさん書けたから。

この時代の個人的な名曲は、すべて大学への行き帰りで生まれた気がする。
それを考えると、散歩したり、電車に乗りながら物事を考える方がいいのかもね。
自宅でジッと考えるより。


バンド、大学、アルバイトの日々を駆け抜けていく。
シュールレアリスムや、異常さに憧れた画伯ちゃんには、2回目のライブが迫っていた。

このまま狂気の波に飲み込まれてしまうのかな?
それとも、それは誰かに救いを求めた姿だったの?

ねぇ。

いったいどこの誰に、その歌を聞かせたいの?
何を夢見ているの?


それは世界に必要なこと?現実はそこにある?

君は表現が好きなの?それとも音楽が好きなの?

ねぇ。

どうなの、画伯ちゃん?

次回、結成後2回目のライブ直前までを描いたnoteに

つづく

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note文末

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