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いわき市の被災状況と、僕たちができること
今月8日から9日にかけて、関東と東北南部は台風13号の猛威を受けた。その記録的な大雨により、福島県、千葉県、茨城県において浸水や土砂崩れなど大きな被害が発生している。
特に福島県いわき市では、1,000棟以上の住宅が床上浸水に見舞われ、発生から数日が経過した現在もまだ復旧作業が続いている。そこで僕は、いわき市に住む友人で、大学の後輩であるマー君に連絡をした。
彼は被害の発生直後から地元の友人た
アメリカ、SNS依存症、本牧市民プール(週刊エッセイ:2023年9月 第1週)
8月28日(月)薫慧の友だちの女性がアメリカから日本に遊びに来たので、彼女を案内するかたちで恵比寿の香り家の板蕎麦を食べに行った。
彼女はアメリカで生まれ育ったが、ベトナム人と台湾人の両親のもとで暮らしてきたので、アジアの文化にも触れてきている。しかし日本に来たのは今回が初めてで、まだ数日の滞在にも関わらず不思議に思うことがいっぱいだという。
「お祭りを見たとき、男性たちは下着姿だったが(フン
ティッシュペーパー、処理水、カーナビ(週刊エッセイ:2023年8月 第4週)
8月21日(月)韓国から遊びに来た女性と高円寺の「ネグラ」という店でドライカレーを食べていると、彼女が鼻をかみながら「どうして日本のティッシュペーパーはこんなに薄いのか」と尋ねてきた。
僕はこれまでティッシュペーパーの厚みというものを疑がったことがなかったけれど、彼女は「実に不可解だ」という顔をしている。隣りにいた台湾人の薫慧にも確認すると「たしかに薄い」という。他の国の人と話していると、普段は
台湾まぜそば、グルーブ、船と海(週刊エッセイ:2023年8月 第3週)
8月14日(月)テキストコンテンツのプラットフォーム「note」を使いはじめた。
手はじめに別の場所で書いた記事をいくつか転載したのだけど、フォロワーがいないのでまったく読んでもらえない。これではさみしいしむなしいので、まずはブログらしく日記を書いていきながら地道に読者を増やしていきたいと思う。
毎日書きためたメモを週末に清書し、それを一週間単位で記事にする。日々を違ったアングルから眺めるため
『奇奇怪怪』の少年ジャンプ的な冒険心、あるいは上品さについて
昨日は仕事を早めに切り上げて、代官山蔦屋書店に行ってきた。発売を心待ちにしていた『奇奇怪怪』という本を手に入れるためだ。
この本は、TaiTanと玉置周啓という二人のアーティストによる同名のPodcast番組を書籍化したものだ。映画、音楽、小説、漫画や日常の出来事を切り口に、文化や経済、社会を横断しながら縦横無尽に広がるトークが人気を博し、番組のフォロワー数は一万人を超える。
この番組が本にな
最高の演奏によって数々の問題を振り払った物語(映画『BLUE GIANT』感想文)
映画は終わったはずなのに、心の中にまだ音楽が鳴り響いていた。帰り道の高揚感はまるでライブ会場から帰るときのようで、音楽に包まれた世界で息をするような感覚からずっと抜け出せない。映画『BLUE GIANT』は、僕にとって音楽ライブそのものだった。
今年の二月から上映している本作は、同名の漫画を原作としたアニメーション映画だ。音楽と人間の物語を楽しみながら、ジャズ界の独自の価値観や挑戦についても理解
「うちらはずっと一緒」を乗り越えて、この世界を磨いていくために(ドラマ『ブラッシュアップライフ』感想文)
2023年の始まりは落ち込むような出来事が多く、年初らしい穏やかさとは程遠いものだった。どれもこれも個人的なことばかりで、周りの人たちには何の関係もないことだと分かっている。
それでも、元旦の電車に乗り込んだときには、僕の気持ちなんてお構いなしの浮かれた空気にうんざりしてしまった。ヘッドホンで耳を塞いでいても、新年を迎えたばかりの楽しげな雰囲気は嫌でも伝わってくる。僕はうつむいて、しばらくスマー
玩具の世界に広がる粗雑な争いと未熟な解決策(映画『バービー』感想文)
8月11日の夜、109シネマズプレミアム新宿で、映画『バービー』を観てきた。アメリカの玩具メーカー・マテル社が生み出した着せ替え人形・バービーを題材としたコメディ映画である。
日本での公開はアメリカから3週間遅れとなった。そのたった3週間の間に、この映画は興行収入10億ドルを突破し、早くも世界歴代興行収入ランキングで45位に入り込むという勢いを見せていた。日本でも高い注目を集めている今作だが、そ