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食の不安&こじらせ解消編~キケン情報バスターズ~

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ちまたに溢れる“食の情報”。みな閲覧数稼ぎたいがために、流行りのコトバで大袈裟に専門家のようにアブナイキケンと好き勝手なことを言います。さも本当かのように誇張されたチープで根拠レ…
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#日記

八百屋からみた“食” ー序章ー

八百屋からみた“食” ー序章ー

こんにちは。noteで出会えたこと、嬉しいです。
対面販売・小売り、学生時代からずっとやってます。
いつのまにか八百屋になってそろそろ20年。独立して10年以上経ちます。

「食」の対象は広いです。とてもとても広いです。
職業柄、青果・農産物に限定しても「原料生産・食品製造全体・世界の政治経済情勢・気候変動・農法(生産技術)・流通(輸送貯蔵技術)・市場出荷/非市場出荷・法律・栄養・ブーム・外食産業

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画面の中に「解」はない【八百屋から見た“食”no.9】

画面の中に「解」はない【八百屋から見た“食”no.9】

動画・雑誌記事・ワイドショー・健康番組。
すべて“話半分”、もしくは“すべてエンタメ”と思って接してください。

特に動画配信関連。
注目を浴びたいがために『キケン』だ『危機』だと大層な見出しを付ける。過激な物言いをする。皆、フォロワーを増やし、動画再生回数を上げて収入にしたい。要は胴元が囲い込みと換金に必死なだけです。

前回投稿でいうところの
“コダワリが強い・多い”人ほど、囲い込みに弱いです

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食べ物にも“ベストバイ”の習慣を【八百屋から見た“食”no.14】

食べ物にも“ベストバイ”の習慣を【八百屋から見た“食”no.14】

直近のあらゆる原材料&食品の値上がり要因は主に4つです。

①原料の供給減:稀少化・輸入減・不作
②動力費:ガソリン・電気・ガス
③輸入品:円安
④給与増:人件費上昇

小麦・大豆・食用油・砂糖・カカオ等含めた豆類は現地コスト増と円安の掛け算で値上げ続き。いま挙げた5種はほぼすべての食品でなにかしらの原材料となるため、今後も数段階の値上げが想定されます。また、輸入果物(&原料にしたジュース類)も安

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not full_organic, but delicious.【八百屋から見た“食”no.15】

not full_organic, but delicious.【八百屋から見た“食”no.15】

なにげなく並ぶ小松菜を買う。食べる。美味しい。
つぎはトマトを買ってみた。食べた。美味しい。
じゃ、りんごを買ってみた。美味しい!

表示やストーリーに特色が無くてもいい。
採れたてもぎたて、味が乗った野菜の美味しさ。
私が心がけているのは、普段遣いの美味しいお店です。

お客さんが売場で“目利き”しても無意味。モノを選ぶより店を選ぼう【八百屋からみた“食”no.17】

お客さんが売場で“目利き”しても無意味。モノを選ぶより店を選ぼう【八百屋からみた“食”no.17】

秋です。りんごの収穫出荷の声を各地からいただくようになりました。
長野・青森の生産者直送。最速もいだ翌日に売場に並びます。いま(10月前半)のおすすめは「サンつがる・早生ふじ」です。

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Q. 売場でできる美味しい〈りんご〉の見分け方は?(ホントよく聞かれる)
A. 正直なところ、ありません。
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〈り

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悲観も楽観もしない。正しい現状把握を【八百屋からみた“食”no.25】

悲観も楽観もしない。正しい現状把握を【八百屋からみた“食”no.25】

たまに、店先に立つ自分の感覚がオカシイのかな(ズレてる自覚あるし直す気もない)とは感じますが…

同業やお客さんで
「安くないと困るし、物価安定(≒安値安定)に補助金出ないと困る」という昭和思考&国や政治が何とかしてくれる思考(私に言われても困る)の人や
「これまでが大丈夫だったから、これからも大丈夫」という思考の人や
「戦争のセイ・コロナのセイで石油危機肥料危機食料危機」だと捲くし立てる人もいて

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40代以上は気をつけよう【八百屋から見た“食”no.42】

40代以上は気をつけよう【八百屋から見た“食”no.42】

目の前にあるモノ・場・人・状況から連想することでヒトの判断力は育ちます。

スマホ(web)・テレビ・雑誌といったメディアを閲覧して情報を“仕入れ”たところで、誰かが発した悪い意味での「伝言ゲーム」には参加したくないし、参加するメリットがありません。

10代20代30代の皆さんは、物心ついたころからWebやスマホとの付き合い方に慣れていて、エンタメとして(≒情報の距離を置いて)閲覧できても、40

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あなたの食生活が日本の「食の変遷」であり「未来」になる【八百屋から見た“食”no.44】

あなたの食生活が日本の「食の変遷」であり「未来」になる【八百屋から見た“食”no.44】

「りんごが減ったのはなんで?美味しいのに。」という会話をちょくちょく聞きます。

霜害の不作や台風の落果。凍結・降雹・異常開花。
2018年長野千曲川氾濫・2022年青森岩木川氾濫による埋没や流出。
表年裏年等、生産者(供給側)の状況は店でもこれまでしてきました。

今回は、逆の視点から。
つまり消費者(需要側)の状況説明により、よりリアルに考察します。

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皆さんに質問です(._.)

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「いただきます」と「ごちそうさま」をもういちど【八百屋から見た“食”no.27】

「いただきます」と「ごちそうさま」をもういちど【八百屋から見た“食”no.27】

気になる情報が安易に入手できるようになった昨今。
逆に画面から得られる情報が多すぎて何が正しいのかわからなくなっていませんか?
店頭に立つ感覚としては、作り手・売り手・買い手がそれぞれ好き勝手に、主張ばかりの発信を繰り返すだけで相互理解のギャップは年々拡がるばかり。断絶に近い距離感にも思えてしまいます。

農や食の分野に限ったことではありませんが、賛同者を囲い込むだけのコミュニティは外敵(仮想敵)

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流行りコトバに惑わされない【八百屋から見た“食”no.28】

流行りコトバに惑わされない【八百屋から見た“食”no.28】

昨今いろんな媒体で見るこの2つのワード。

・フードロス回避
・SDGs
あくまで行動指針の話。
ひとりひとりが模範としたい「心の持ちよう&行動」の話です。

けっして宣伝文句ではありません。
商売・販売時に使われる文言ではないのです。

不揃いだからお買得とか
捨てたらモッタイナイとか思うのは勝手。
あなたにとって買うべきものなのか、本当に必要なのか。
売場で煽られる前に。通販ポチる前に。

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オーガニック給食推進。農業や給食製造現場を1回でも体験してから言いましょうよ。【八百屋から見た“食”no.30】

オーガニック給食推進。農業や給食製造現場を1回でも体験してから言いましょうよ。【八百屋から見た“食”no.30】

こんな記事が上がっていました。

議員さん、暇なんですかね。
それとも画面の見過ぎなのか煽られ過ぎなのか。

国は「国民が飢えないこと」が食料安全保障の第一義のはず。
農薬や肥料は、植物が健康に育つための処置。どんな天候/環境下でも作れるよう、栽培品目ごとに人間の処方箋以上に細かく細かく細かく厳格にルール設定されているのが現在の栽培環境における農薬使用です。

給食(食事)で回避すべき“要素”はア

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「食の安心」は、あなたの心の中に。【八百屋から見た“食”no.31】

「食の安心」は、あなたの心の中に。【八百屋から見た“食”no.31】

はっきり申し上げます。
私が仕事する“食・農の世界”に限定すれば

『安全』はお伝えできても
『安心』はあなた次第です。
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記事見てやきもきして
動画見てそわそわして
ナニカ知った気になって
(明確に言えないけど)食べ物が不安だ・農薬使用が不安だとまくしたてる一見さん、まぁまぁウチの八百屋に(いわゆる自然食品店と勘違いして)来ます。月1~2人くらいでしょうか。

どこかで見た怪情報をもとに「

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