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スキ数関係なく、思い入れのある記事をまとめました.
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#恋人

滲み出るものは嘘じゃないから

滲み出るものは嘘じゃないから

言葉で伝えられないってことは自覚してないってことだと思っていた。

言葉はいくらでも嘘を吐ける。言葉はいくらでも取り繕うことができる。それに比べて行動は嘘を吐かない。

そう言われることは知っていて、それが現実になることがあるってことも知っていて、でもその上で、行動はサルにでもできるけど言葉を尽くせるのは人間だけなんだから、言葉で行動の意図を伝えたり、伝えた言葉を嘘にしないよう行動すればいいのに、

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"幸せ" の方が答えだよ。

"幸せ" の方が答えだよ。

「寝ちゃダメだ」と思いながらも遠のいていく意識のなかで、彼がカーオーディオの音量を下げていることに気がついた。

その約10分後、ふと起きて「寝ちゃってごめんね」と言うと、ずっと運転しっぱなしで自分の方がもっと疲れているだろうに、彼は「疲れたでしょう、寝てていいよ?リクライニング倒しな」と片手で私の頭を撫で、やわらかな声で言った。やはりカーオーディオの音量は小さくて、ほんとうに下げてくれてたんだな

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一緒に、生きていこうね

一緒に、生きていこうね

心理実習初回は彼の住む街のNPOセンターでおこなわれた。

実習とは名ばかりで実際は施設の人の話を聞くだけだった4時間は終わった頃にはヘトヘトで、大学からのオフィスカジュアル指定によるパンプスの靴擦れで足はボロボロだったけれど、

前日に彼が「(彼が住む街)来るなら会おうよ」と、「現地に(迎えに)行くわ」と言ってくれたからがんばった。(実習全部この街だったらいいのにね)

実習終わりでまだ知人もチ

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4年記念日

4年記念日

一目惚れで買った赤いワンピースに、黒いサンダルと前日に染め直した赤紫のイヤリングカラーの外ハネヘアを携えて待ち合わせの駅へ向かうと、電車の時刻的に先に着いていた彼が出迎えてくれた。

「髪染めたんやね、かわいい」と髪を掬う彼に「今染めたら(彼)の誕生日も綺麗なままでいられるかなって」と言うと、「そっか、2週間後?か。」とふんわりと髪を撫でた。彼は彼で高級感のある紺色のシャツに黒いパンツを合わせてい

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愛の大きさを測ることなんてできないのだから

愛の大きさを測ることなんてできないのだから

彼と日帰りで岡山へ行ってきた。

旅の目玉になるはずだった大原美術館は定休日であることが数日前に発覚したけれど、1〜2週間前から企画していたし、大原美術館に入れずとも岡山には美観地区、瀬戸大橋、岡山城&後楽園、と素敵な場所が色々あると捉えて、"一緒にドライブすること" "一緒に遠出すること" を目的に出かけた。

私にとって岡山は、備前に父方の祖母の実家(私から見たら曽祖父母の家)があって、コロナ

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夢が叶うと決まった瞬間のこと

夢が叶うと決まった瞬間のこと

神に導かれたかのように “私は今、この本を手に入れなければならない” と感じて、一冊の本を手に取ることがある。

昨日の私にとって、それは原田マハさんの『たゆたえども沈まず』だった。

その日、私は本屋大賞20周年フェアの小冊子目当てに新快速で2駅先の大型書店を訪れていた。

お目当ての冊子を本屋に足を踏み入れて30秒でゲットして任務を完了した私は、“せっかく本屋に来たのに何も買わずに帰るなんて…

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コンビニでは買えない愛を

コンビニでは買えない愛を

彼とはじめて過ごしたクリスマスはセンター試験直前の受験生真っ只中で。午前中で予備校を抜け出し、午後から落ち合ってネスカフェで一緒に勉強した。その後、ディナーは彼がスカイブッフェへ連れて行ってくれて「今日は俺が払うから」と言った。申し訳なく思うと同時にキュンとしたことを昨日のことのように憶えている。

その年のクリスマスに私が彼に何を渡したかは忘れたけれど、彼は私にLUSHのハンドクリームをくれた。

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愛は音もなく日常にまぎれこむ

愛は音もなく日常にまぎれこむ

付き合って4年目になる今も、彼と会う私の心はいつだって踊っている。

会いに行く前の日には、顔や髪に普段はしない泥パックだとか、finoだとかのスペシャルケアを施して、他もツルスベにして、ドライヤー前には妹の洗い流さないトリートメントを内緒で使う。

お風呂に入る時間が伸びるから、彼に「明日(彼の名前)に会いに行くためにかわいくなるので、電話するの遅くなります」と自己申告する。「どうかわいくなるの

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パリに焦がれて

パリに焦がれて

原田マハさんの『たゆたえども沈まず』を読みはじめた。

マハさんのアート作品を読むのは4冊目。

いつもなら夢中になるあまり読む手を止められないはずなのに、私は手を止めた。

フランスへ、パリへ、行きたい。

想いが溢れて苦しくなって本を読む手を止めた。本の中にいるテオや、忠正や、重吉(ゴッホすらまだ出てきていない)に強い共感をおぼえると同時に、パリにいられる彼らに嫉妬した。

この夏、読んだ本1

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キミに読まれたら恥ずかしすぎるな

キミに読まれたら恥ずかしすぎるな

一昨日は彼とデートだった。

付き合う前に2人で遊びに行こうと約束していたときに候補としてあがって、付き合ってからも何度もあがったけれど、情勢的に行けていなかった約束の地のうちの1つだ。

周りにはいろんな施設があるのに、ららぽーととVS PARKだけで終わってしまった。特にVS PARKは、スポーツ好きの血が騒いで本気で楽しんだ。終わった後は疲れたけど、その後も家具を見たり、212 KITCHE

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"普通の人生"なんておもしろくないと思ってた

"普通の人生"なんておもしろくないと思ってた

虐待なんて考えもしない父母の下に生まれ、保育園/幼稚園、小学校、中学校、高校、名の知れた大学に通い、小さい子どもが職業名で表せないような職に就き、結婚して、子供を産む。子育てして、孫が産まれ、年老いて、やがて死を迎える。

私が知っていた、私が考える"普通の人生"。

つい数年前までは、そんな人生ってつまらないなと思っていた。

何度か話しているけれど、物心ついた頃から高校生くらいまでずっと歌える

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