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ポップカルチャーは裏切らない

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”好きなものを好きだと言う"を基本姿勢に、ライブレポート、ディスクレビュー、感想文、コラムなどを書いている、本noteのメインマガジン。
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2022年7月の記事一覧

最近観た旧作の感想メモ(2022年6,7月)

最近観た旧作の感想メモ(2022年6,7月)

ザ・ピーナッツバターファルコン(Netflix、U-NEXT)

ダウン症の青年ザックと町の嫌われ者タイラー、ザックがいる施設の看護エレーナの3人によるロードムービー。ザックを演じる役者はその名もザックで、ダウン症患者。監督が彼の「映画スターになりたい」という夢を叶えるべく作ったという経緯もあり、ストーリーもザックがプロレスラーを目指すメイクドリームもの。涙をよこせ、というタイプの作りではなく笑え

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2022年7月に観たライブ(柴田聡子/MIZ/lyrical school[配信])

2022年7月に観たライブ(柴田聡子/MIZ/lyrical school[配信])

7.1 柴田聡子 Tour 2022 "ぼちぼち銀河"@池下CLUB UPSET

下半期のライブ始め。IMAIKE GO NOWぶりの柴田聡子でバンドセット in FIREを観るのは初めてだ。そしてその最高のグルーヴに酔いしれた。固定メンバーで鍛えあげていくアンサンブルの強靭さに惚れ惚れする。特にバンマスでもある岡田拓郎(5月は森道のROTH BART BARON、6月はネバヤンのワンマンのサポ

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2022年上半期のMCUフェーズ4を観た(ムーンナイト/ドクター・ストレンジMoM/ミズ・マーベル/ソー ラブ&サンダー)&アベンジャーズ展に行った

2022年上半期のMCUフェーズ4を観た(ムーンナイト/ドクター・ストレンジMoM/ミズ・マーベル/ソー ラブ&サンダー)&アベンジャーズ展に行った

全然知らなかったけどフェーズ4は当初の予定通りだとソーまでで終わりだったんですね、、何が始まって何が終わってるのかよく分からないくらい広がってきたユニバース。ジャンルもてんでバラバラ、個性しか光ってない4作品の感想をざざっと。色々言われてるけど、全体的に面白いですよ、正直!

ムーンナイト

「月の人」という名前でやってる以上、ムーンなんとかというネーミングに反応しがちなのだけど、遂にマーベルにも

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メンタルヘルスとポップカルチャー〜『2700八十島のメンタルの話』で考えるお笑いと精神疾患

メンタルヘルスとポップカルチャー〜『2700八十島のメンタルの話』で考えるお笑いと精神疾患

2700八十島のメンタルの話7/19によしもと幕張イオンモール劇場で行われた『2700八十島のメンタルの話』。話題になっていたので配信で購入(アーカイブは8/2まで)して観た。2018年から様々な理由で心身に不調をきたし、そこから3度の入院(ライブ中は「天国に行っていた」と形容)を経て復帰に至ったお笑いコンビ2700の八十島。その天国時代の日々を八十島自身が時系列を追って話をし、その話を彼に近しい

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7月の配信お笑いコンテンツを観た(ダウ90000/トゲアリトゲナシトゲトゲ ON STAGE/野澤輸出のお笑い大喜利/コメディ十種競技B)

7月の配信お笑いコンテンツを観た(ダウ90000/トゲアリトゲナシトゲトゲ ON STAGE/野澤輸出のお笑い大喜利/コメディ十種競技B)

ダウ90000単独ライブ「10000」(アーカイブ7/23まで)

ダウ90000がネタのみを披露するコント単独ライブ。今やお笑い/演劇フリークの間で知らぬ存在はいなくなったが、こういう質量のあるコントライブにこそ真価が見えるように思う。カルチャー好きの感性をくすぐるワードチョイスや何ともモヤつく人間関係のあれこれという得意技のみならず、出演メンバーを絞ってその強みにフォーカスをあてるネタや大喜利

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2022年7月に観た映画(こちらあみ子/ベイビー・ブローカー/呪詛/スパイダーヘッド)

2022年7月に観た映画(こちらあみ子/ベイビー・ブローカー/呪詛/スパイダーヘッド)

こちらあみ子

下半期、いきなり頭ぶん殴られるような1作。ヘタに衝撃作とか謳うより遥かに大きな衝撃。自由奔放に生きて周囲を振り回す主人公あみ子。小学6年生から中学1年生へのステップの中、彼女の振る舞いへの目線は徐々に変わっていく、というあらすじ。純粋さと無邪気さと図々しさ、しかしその可愛げが可愛げでないタイミングが訪れ、取り巻く環境はドミノ倒しのように変化していく。変わるはずのないあみ子とそびえ立

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ニコ生でライブ配信を観た(Base Ball Bear/私立恵比寿中学)

ニコ生でライブ配信を観た(Base Ball Bear/私立恵比寿中学)

YATSUI FESTIVALを観るために久々にニコ生プレミアムになったら、月額会員の期間にベボベとエビ中のライブ配信があったんでとても幸運だった。もうあんまり配信ライブを買わなくなってきた今日この頃、結果的にライブ映像配信の古参であるニコ生に戻ってきた感じがあるのがとても興味深い。

Base Ball Bear「日比谷ノンフィクションⅨ」(アーカイブ7.25まで)

ベボベ恒例のライブシリーズ

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YATSUI FESTIVAL2022をニコ生で観た

YATSUI FESTIVAL2022をニコ生で観た

毎年、2会場くらいニコ生で中継されていてそれも嬉しかったのだけど2020年のオンライン開催を経て複数の配信フォーマットによるインターネット上のサーキットイベントを成立させてしまったやついフェス。今年は前年よりも更に増え2日間併せて9チャンネルのニコ生配信がDAY1は7/18まで、DAY2は7/19まで、プレミアム会員であればアーカイブで観れるという。こんな素敵な事態を放っておけず、良いアクトをチョ

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表現の爆発〜2022.7.9 ゆうらん船 2nd ALBUM「MY REVOLUTION」リリースツアー@鶴舞K.Dハポン

表現の爆発〜2022.7.9 ゆうらん船 2nd ALBUM「MY REVOLUTION」リリースツアー@鶴舞K.Dハポン

ゆうらん船の2ndアルバム『MY REVOLUTION』を引っ提げてのリリーツアー初日、名古屋公演が鶴舞のK.Dハポンにて開催された。先月ハポンに行った時にその演奏スペースの小ささに驚き、本当に5人組バンドがここでやるのか?と戸惑っていたのだが本当にしっかりセッティングがなされていた。ドラムは壁にほぼ沿い、鍵盤2台はほぼ客席に食い込んでいる。とんでもない距離感。僕は2階から観たのだがそれでもこの近

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7.15くるりライブツアー2022@ Zepp Nagoya/くるりを初めて観た夏に思いを馳せる〜2012 to 2022〜

7.15くるりライブツアー2022@ Zepp Nagoya/くるりを初めて観た夏に思いを馳せる〜2012 to 2022〜

くるり「ライブツアー2022」名古屋公演を観た。もう何度も観ているバンドだが、ふとそう言えば初めてくるりを観たのは10年前の7月ではないかと思い出した。そして今回のライブがちょうどその前後数年の曲が多めだったこともありここ10年くらいのくるりとともにあった景色や日々を思い返し続ける夜になった。ライブの感想と個人的な追想を並走させながら記していきたい。ちなみにこの日のライブTシャツは先日PARCOで

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2022年6月に行ったお笑いライブ(東京03『ヤな覚悟』/大須演芸場)

2022年6月に行ったお笑いライブ(東京03『ヤな覚悟』/大須演芸場)

6.27 東京03 第24回単独公演「ヤな覚悟」@名古屋市芸術創造センター

地方民からすると夏の風物詩になりつつある東京03の単独。当然今回も素晴らしく面白かった。今までの公演と比べると笑いが交わされるその事象自体はいつもよりもベタな要素が多かったけどその分設定の作り方が新鮮なものが多く、同じ場所に留まろうとしてない心意気が見えて良かった。お馴染みの幕間VTRがこんな有機的に本編の絡んでたのも驚

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[Real Sound寄稿記事] ドラマ『競争の番人』主題歌に抜擢のニュースター idom 活動開始から2年、急速に示すジャンルレスな存在感

[Real Sound寄稿記事] ドラマ『競争の番人』主題歌に抜擢のニュースター idom 活動開始から2年、急速に示すジャンルレスな存在感

Real Soundに59回目の寄稿をしました。先ほど第1話が放送された「競争の番人」、そこで初オンエアされた主題歌『GLOW』を歌う気鋭シンガーidomのここまでの歩みについて。ひと通り解説したりしています。

コロナの自粛期間で音楽を作り始めて2年で月9主題歌ってそんなことあるのかよという話なのだけど、これくらいのスピード感で駆け上がることも全然あり得るということ。これは希望だと思うし、可能性

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[Real Sound寄稿記事] 山下達郎、奥華子、Mr.Children、ミレパ……細田守が主題歌に求めるものとは?

[Real Sound寄稿記事] 山下達郎、奥華子、Mr.Children、ミレパ……細田守が主題歌に求めるものとは?

Real Soundに58回目の寄稿をしました。今回はアニメーション映画監督・細田守がこれまでの作品で起用してきた主題歌について色々と考えてみました。呼応性について。

「竜とそばかすの姫」の初オンエアは延期となりましたが、本当に音楽が素晴らしい映画ですんで、また改めて広く届けられる機会があるといいですね。あとあの映画は幾多りらの役が良すぎますね。
#音楽 #邦楽 #コラム #エッセイ #音楽

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[note600記事記念]もっと読まれて欲しかった記事 10選 part.2

[note600記事記念]もっと読まれて欲しかった記事 10選 part.2

note600投稿記念。毎週のようにぽんぽん記事を出しているのでそこまで「あぁあれ読まれなかったな」と思う暇もないのだけど、それでも手応えの割にはあまり読まれなかったという印象の記事も幾つかはあるので400投稿記念に続き、1年と少しぶりにこの催しを。報われなかった過去たちの総集編的な、再放送的なやつです。2021年の記事から、ビュー数1000以下で選出。

「推し、燃ゆ」と「あの頃。」

珍しく本

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