世阿弥の言葉

2019年10月31日 23:37

生死去来　棚頭傀儡　一線断時　落落磊磊

動いている時も止まっているときも、所詮は山車の上にある人形であり、その人形を操っているものなのだと客にばれてしまえば、興冷めしてしまう。

人形を操るときに操る側を知られてはならない。もし知られてしまえば人形は人形であり、本物ではなくなる。

もしこれを悟られずに操れれば人形も本物になる。

とかいう話らしいですが。図書館で世阿弥の本を読んだ時、意味不明だった。何を言いたいのかわからなかった。結局は、能を上達させるにはっていう話なんだけど。能、やらないし。

しかし、今日ひらめいたんですけどね。

私単発バイトで某ファストファッションのお店のバックヤードで軽作業を何回かやりました。

アパレルって、なんか、独特の雰囲気ありません？ちょっといい感じの、お洒落な。洋服屋さんってお洒落な空間で、少し空気感が他より高いっていうか、テンションが高いというか？そういうのがあって、私は服屋さん結構好きなんですけど、お店側の人のほうに回った瞬間にすんげー地味なんですよね。

私の作業が地味だったということもありますが。

大手によくある、謎の訓戒みたいなやつとか、無駄にマニュアル化された仕事内容とか、めっちゃ声だけでっかいうさんくさいSVとか、私の嫌いなやつばっかり。

私の仕事自体には関わってきません。私は都合のいい立場なんです。お店の人じゃないから何わからなくてもいいし、だけど裏側を知れる。

そうやって、訓戒だのマニュアルだのに飲み込まれて酔っているのが楽しいならそれはそれでいいでしょうが、私は裏側を知って別に興奮はしなかった。やっぱり正社員なんかなるもんじゃないなと思う。あれに従いながら仕事して何年も費やすなんてゾッとする。

どんなに本社とか、上層部が腐っていたって、人はその店で服を買う。何も知らずに。知ろうともしないで。

ある意味演出だなって思うんです。

あのアパレル独特の高揚した空気感とか、その店の服に身を包んでトランシーバーで連絡を取り派手な化粧で颯爽と歩く感じとか。

そういうのがある意味演出になって、あの空気感を作り出してる、そんな気がしました。別にそれはいいと思う。

だけど、一度そっち側に立ってしまえば、誰かがやった仕事に文句を言いながらデカい声でゲラゲラ笑ってやってるそれを見てしまったら、もう、うんざりですよ。こういう空気は裏でそうやってる人たちが作ってるのかと思うと。もう買わないわってね、なったりするよ。

演出って、紙一重というか。
うまく騙されてる分にはいいんですけど。

やっぱりその演出をする人の人間性かなあ、大事なのは。

演出するって生半可な気持ちじゃできない。エセな人間関係で構築された演出なんて薄っぺらい。

裏側を知るって私はいいことだと思ってたんです。だけど、知って得することはほとんどない。腐った社会を目の当たりにするだけなのかもしれない。

でも、知ってないと、腐ってるって言えないし。やっぱり、この服は、この店は、一体どうやって成り立ってるんだい？っていうのは、裏側に行かないとわからないと思うし。

つーかね、
「ありがとうございます」は免罪符じゃないんだよ。なんでもありがとうって言えばいいと思ってるだろ。

あーゆーありがとうは聞きたくない。自分でやれよ。嫌なこと押し付けて、最後にありがとうって言えばちゃんちゃんだって思ってる感じがしてすごい嫌。

誰か気付かないのかな。それともこれでいいのか。いいと思ってるんだもんな。誰も疑問に思わないってことでしょ？

つくづく、会社に属するとか、私はできないなって思う。自分で全部決めたいし、自分で指示したい。指図されたくない。笑

お給料がいいので、また募集してたら行くかもしれないけど、当分行きたくない。疲れる。

演出ってさ、表だけがよくてもダメだと思う。たしかに、演出っていうのは表面上そう見せるっていう意味もなくはないと思うんだけど、やっぱりその裏に透けて見えるものが、真っ直ぐじゃないと。騙しきれないと思う。騙されたいとも思わないもん。

やっぱり社会は腐りきってんなと思いますが、明日もとりあえず生きよう。

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