#リフレイン 4

2020年10月22日 22:41

「本当に、すみませんでした。」

「もういいよ。別に。」

「…」

「監督責任は私にあるわけだし。そんなね？重要なミスでもないと私は思うわけ。それに、ミスしたら死ぬってわけでもないしさ。全然いいわけよ。普段よくやってくれてるし、それだけで十分なの。ね？」

「悔しくないんですか」

「悔しい？どうして？」

「だって…オレが！オレがもう少し…情報負けなんてしてなければ勝てたのに！」

「あれはどうしようもなかったこと。志摩のミスではない。言うなれば運ね。あっちのほうがツイてただけ。」

「だって…はるかさん呼ばれたんですよね？上の人に。なんか言われたんじゃないですか？」

「多少の小言ね。だってさあ、別に志摩のために怒られるとか全然、なんとも思わない。志摩が怒られるんじゃなくて私が言われるんだからなんのマイナスでもない。」

「それじゃはるかさんが…」

「いーのいーの。これからまたチャンスを掴めばいいじゃん。そんな顔しないで？私は大丈夫だから。」

にこにこしてそう言っていた。
はるかさんは絶対にオレを責めなかった。

今までの上司は自分の責任ですら部下に押し付けて怒鳴り散らしていたから、またそうなるものだと思っていた。

でもこの人は違った。

人の責任まで被って。
それはやりすぎだと思うけど

優しい人だった。

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