#リフレイン 10
次の日の朝、伊吹のデスクの前に立ちはだかった。
「お、志摩さんおはよー」
「お前さあ」
「ん?」
「どういうつもりだよ。はるかさんに、あんなこと言って。昨日の。」
「どういうって、…そういうつもりだけど?」
「本気なのか?」
「うん」
「あー…本気度が本当にわからん。軽い。うん、がめっちゃ軽い」
「志摩さんもなんでしょ?」
「は?」
「立候補、するんでしょ?」
「オレは別に…」
「でも今回はオレ手抜かないよ〜仕事なら志摩さんのほうが頭キレッキレだから負けるけど、あの人のことは渡さないから。」
「はあ?お、お前のタイプじゃねえだろ」
「きゅるっとしてないってこと?
んー。確かにそうだよね。だけど〜ふいんきが好きかな。ちょっと志摩さんに似てるかも〜笑」
「意味不明支離滅裂。お前何言ってるかわかってんのか?」
「何?Siri?尻?
ま、なんにせよ渡さなーい。」
「勝手にしろ」
「えー!いいの?志摩さんこそ本気度薄くない?」
「オレも勝手にやる。」
「はは笑 いいねえ〜燃えるね〜!」
夢中になってて気付かなかったがはるかさんが怪訝な顔でそこにいた。
「おはよ」
「「おはようございます」」
「何に燃えるの?」
「えー?先輩を〜、」
「仕事に!です!!な!伊吹!!!」
「やけにやる気出してるわね志摩。いいけど。いいことよ。」
オレのフォローもどこ吹く風で
伊吹はそうそうにはるかさんに話しかけていた。
「先輩!今度ごはん行こうね〜」
「今度ね。志摩も誘う?」
「オレは遠慮します」
「どうして?」
「飯食う時までこいつの顔見たくないんで」
「じゃあふたりで行こっ!」
「わかった。今度ね。この案件落ち着いたら」
「よっしゃ〜!じゃああとで日にち決めようね!
おっと、忘れてたこれこれ〜」
伊吹はるんるんしながらどこかに何かを取りにいった。
「あいつ女なのか?」
「私よりキャピキャピしてる」
「確かに…」
「志摩ってさあ、いっつも少しだけイジってくるよね。え?なんか嫌がらせ?」
「イジってませんよ?笑」
「…。キャピキャピは無縁だし、女子力なんて言葉クソ食らえよ。何をもって女子力とするのか定義付けをしてほしいわね」
「辛辣ですね」
「そもそも私自身が女っていうことを嫌ってるのかも」
「オレはいいと思いますけどね。サバサバしてて。媚びないし。ハッキリしてて。」
「んー。ありがたいのか悲しいのか。」
「褒めてるんですよ?」
「ありがと笑」
「なんか…体調悪いんじゃないですか?」
「あはは笑 本当に志摩は鋭いよね。ちょっと貧血気味っていうか…ダルいの。体が。ちょっと、伊吹のテンションには合わせられなかったな…」
「いいんですよあいつは。どうせ気にしてませんから。」
「最近妙にだるくて…そろそろ病院行かないとね。」
この人はいつも平気で無理をする。
平気な顔して仕事をして
平気な顔して笑っている。
いつもなにかを押し殺して
いつも何事もなかったかのように
うっすら笑っている。
この人の本当の笑顔は
どこにあるんだろう。
いや、待てよ。
じゃあその、
記憶の奴は
彼女の笑顔を見たことがあるっていうのか?
そいつには何が見えてたって言うんだよ。
お前とオレの違いはなんだ?
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