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世界中のカフェ、図書館、古本屋、書店で出会って読んだ本たち。 本を持って旅に出て、その土地に合った本を置いて、また新たな本と旅に出る。
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インドが抱えている様々な問題は、地球全体が抱えている問題と同質【本:河童が覗いたインド】

インドが抱えている様々な問題は、地球全体が抱えている問題と同質【本:河童が覗いたインド】

インド旅行記の本は、この世の中にごまんとある。
特にバックパッカー的な、旅人情緒あふれる文章好きにとって、インドは「書きごたえがある」国だと感じる。

インドに来るときに、インド関係の本を20冊(と、旅する度に増える建築や南インド書籍たち)ほど持ってきていたのにもかかわらず、実はオフィスにもミニ図書館があり、なんだかんだ2023年は10冊も読めていなかったのけれど、ようやく、この傑作本『河童が覗い

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深く学ぶためには、ゆっくり学ぶ必要がある【本:RANGE:知識の「幅」が最強の武器になる】

深く学ぶためには、ゆっくり学ぶ必要がある【本:RANGE:知識の「幅」が最強の武器になる】

海外渡航前に、古本屋に本を売りに行こうとして、結局購入することになった本たち。その中に、RANGEという本があって、こちらは一気に読み込み、とにかくメモった一冊。

本文まとめ

知識の「幅」が最強の武器になる

ネルソン・マンデラ
ガンジー
ブッダ

1万時間の法則
意識的な練習(deliberate practice)
どんな分野であっても、専門に特化した練習の時間数がスキルの伸びを決める唯一

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まずはチャンスを掴み、チャンスのほうを自分にフィットさせる【本:LEAN IN】

まずはチャンスを掴み、チャンスのほうを自分にフィットさせる【本:LEAN IN】

今月上旬、3月8日は『国際女性の日』であった。

フェイスブックの最高執行責任者であり、活動家、作家であるシェリル・サンドバーグ氏によって2013年に出版された本であるこのLEAN INは、まさに女性のリーダーシップについて書かれた良著。

・半世紀前には男性13%、女性2%だった進学率。
ただ、学業はおさめても、その後の女性の参政権、意思決定権が低い

・シングルインカムとダブルインカムの考え方

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7000㎞離れたタミル語と日本語の旅路【本:日本語の起源、日本語の源流を求めて】

7000㎞離れたタミル語と日本語の旅路【本:日本語の起源、日本語の源流を求めて】

以前、インドで話される言語のうち、ヒンディー語とタミル語とマラヤラーム語を少しまとめていた。

今回は、タミル語が話される南インド、タミルナドゥ州在住の日本人の方に借りた、大野先生の本2冊『日本語の起源』『日本語の源流を求めて』を読んで、タミル語から見る日本語の起源について、歴史を振り返ってみたいと思う。

「皆が普段使っている言葉がよくわかっているかどうかが、とても大事」

言葉を厳密にとらえよ

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人々が本当に必要としているのは、意義の達成に使命を感じることであ【本:ハーバードの人生を変える授業】

人々が本当に必要としているのは、意義の達成に使命を感じることであ【本:ハーバードの人生を変える授業】

・変化するために必要なのは、自制心を養うことではなく、習慣を取り入れること

・毎日、感謝できることを5つノートに書く
・毎日、決まった時間を勉強にあてるようにする
・意義を見出す(時間の使い方を楽しく有意義に変えることを習慣化)
・瞑想を習慣化する

・人々が本当に必要としているのは不安のない状態ではなく、価値ある目標の為に努力することである。意義の達成に使命を感じることである。
(大変だったり

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新しいものに飛びつかず、古いものに立ち返る【本:孤独の愉しみ方―森の生活者ソローの叡智】

新しいものに飛びつかず、古いものに立ち返る【本:孤独の愉しみ方―森の生活者ソローの叡智】

本を売りに行ったはずなのに、ある本に魅せられて、購入して家路につく。著者は、Henry David Thoreau氏。彼は、ウォールデン池畔の森の中に丸太小屋を建て、自給自足の生活を2年2か月間送った。

以下は、ソロー氏の名言の中でも、素敵だと思った50の言葉を抜粋。

「孤独が一番の贅沢」

1.とびきり上等な孤独になれる時間を1日1回持つ

2.自分のリズムで歩くことが大切なのだ。他人の歩調

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子どもの精神的成長を阻害する親の愛というものがある【本:男の勘ちがい】

子どもの精神的成長を阻害する親の愛というものがある【本:男の勘ちがい】

出張でホテル宿泊が続いていたとき、ふと気分転換がしたくなり、旅館にたどり着く。旅館といっても、ゲストハウスのような場所で、1階にコタツつきの共用畳部屋があって、そこにあった本棚に目が留まった。

「これらの本って、お客さんが置いて行ったものですか?それとも、店主が購入されたもの?」

そう店主に聞くと、「結構、お客さんが置いていくものが多いね、あと僕が買ったものもあるよ。本交換もできるから、もし何

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文字が無い世界での文字の意味【本:サバンナの記録】

文字が無い世界での文字の意味【本:サバンナの記録】

1963年の夏から64年の春にかけて、京都大学の学術調査隊の一員としてタンザニアに9ヶ月滞在された梅棹忠夫氏の著書は、報告書でも紀行文でもなく、同じ地球上に生きる同時代人として、よき記録者であろうともつとめた、ある一群の人生の記録。

あまり同じ本を何度も読まないけれど、湖畔の家、基地、漁師、精霊の祭り、タンガニイカ湖、ゴマ族呪術師、文字が無い世界での文字の意味、神隠し、生き抜く力、山、遊牧民、長

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情報がきわめて少ない世界がもつ豊かさ【本:旅をする木】

情報がきわめて少ない世界がもつ豊かさ【本:旅をする木】

東京庭園美術館で、旅の図書館がオススメの本が紹介されていて、そのうちの一冊が石川直樹氏の『極北へ』という本だった。その中で、石川氏がよく語っていた人の中に、星野道夫氏がいた。アラスカを愛し、アラスカに暮らした。そんな氏の『旅をする木』という本を見つけたのは、あるカフェだった。

星野氏は、写真家だけれど、読書家でもあったので、とにかく情景や人々の心境の変化や移り変わりの描写が素敵で、文章を読んでい

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自分が住処に選んだ場所が、一種の自己表現になっていく時代【本:日本人はどう住まうべきか?】

自分が住処に選んだ場所が、一種の自己表現になっていく時代【本:日本人はどう住まうべきか?】

養老孟司(解剖学者、1937年、鎌倉生まれ)著書『バカの壁』など
隈研吾(建築家、1954年、横浜生まれ)著書『負ける建築』など

この本を、あるお茶屋さんのカウンター席で読んでいたら、そのお店のお母さんが「何の本を読んでいらっしゃるんですか?」話しかけてきてくれて、そこから「日本の建築の未来」や「人々の動向」「娘さんの大学受験」「どういう街が住みやすいか」などと言う話になった。私は移動中、本をひ

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移動と読書:ベトナム63省バイク旅で出会った本【本:WHATEVER YOU THINK THINK THE OPPOSITE】

移動と読書:ベトナム63省バイク旅で出会った本【本:WHATEVER YOU THINK THINK THE OPPOSITE】

朝。キッチンでコーヒーを入れる。
本棚を見つける。

ほとんどの本がベトナム語だったけれど、どこかの空港の本屋さんでみた英語の本が一冊あった。

表示をめくると、他の誰かが、この場所へ捧げた本だった。名前はVanさん。SGとあるので、きっとベトナムのサイゴン(Saigon)、ホーチミンの方だろう。

私と、同じことをしている方がいた。
どこかの国や街で本を購入し、移動し、読書をし、次の旅先で見つけ

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インドからベトナム、そしてタイへ「将来、何をしたら良いかわからない」と悩む人々へ【本:IKIGAI】

インドからベトナム、そしてタイへ「将来、何をしたら良いかわからない」と悩む人々へ【本:IKIGAI】

インドのデリーにある、本屋さんが立ち並ぶ Netaji Subhash Marg 通り。この通りにある、一軒の本屋さんで見つけた IKIGAI という本。この本は、スペイン人のFrancesc Miralles氏とHector Garcia氏が共著し、2016年春に出版された。

思えば、世界に溢れる様々な言葉の中には、その言葉を知る母語話者よりも、言葉の意味を見出して、世界に(再)発信されるもの

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自分がどこにいたら完璧に幸せなところに行けるのか、は違和感を大切にしないとわからない【本:30代にとって大切な17のこと】

自分がどこにいたら完璧に幸せなところに行けるのか、は違和感を大切にしないとわからない【本:30代にとって大切な17のこと】

本田健氏の本では、20代、30代、40代、50代・・・と、それぞれの年代の人々に向けた大切なことをメッセージとして書かれている。そもそも、年代別の「その年代のテーマ」に沿って書かれるとき、30代だと「結婚、子育て、キャリアアップ、仕事の基盤、人脈」など、内容が「そうだろうな」と思ってしまうし、そういう決まりきった社会の「人々の歩むべき順番」のようなものもあまり好きではないけれど、あくまでも一人の「

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本当の美は内面にある。人格や高い理想や人生の目的に。【本︰インテグラル・ヨーガ】

本当の美は内面にある。人格や高い理想や人生の目的に。【本︰インテグラル・ヨーガ】

心と身体と魂を、結ぶ。ヨーガの語源はユジュ(結ぶ)。何よりも寛容で、「あなたの身体は、誰よりもあなたのことを知っている」と、ヨガのポーズも物事の捉え方も、全てはあなたが心地よいと感じることを。と、常日頃から教えられる。そんな、ヨーガをするすべての人々へ向けた、聖書とも言われる聖者パタンジャリのヨーガ・スートラをまとめた本。

パタンジャリのヨーガ・スートラ

「ヨーガ・スートラ」は、事情に凝縮度が

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