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#小説
【小説】バージンロード vol.15「スナックの女」
楠くんの一件があった後、お店が潰れることになり、みんなバラバラになった。
私は何かいいバイトがないか探していて、近所のスナックに勤めることになった。
スナックの仕事は意外と楽しく、先輩たちもまあまあ親切だった。
意外と水に合う仕事で楽しんで行っていたけれど、二つ問題点があった。
一つはお酒に弱い私は帰ってからが酔いがまわってなにもできず、吐いてしまったり、風呂は起きてから入り、食事の支度も
【短編】視野の広さは大切
MFがするべき訓練は、技術よりも、視野を広げることなのではないか。
それはサッカーをやったことがない私でも、この数週間で気付いた。
サッカーは本当によくできている。
攻めるか、守るかの二極化が激しすぎず、互いが適度に鬩ぎ合いつつ、選択肢を模索する余白が瞬間瞬間に存在する。この余白に、次の進撃への足掛かりを描く役割こそ、MFであるのだろう。
彼らは視野を広げ、様々な選択肢を頭の中に思い描き、最適な
第47話「世の中はコインが決めている」
こんがりと焼けたトーストを齧る。マーガリンじゃなくて、バターが塗られていたので旨さは抜群だった。
塩加減が絶妙な目玉焼き。初めて部屋に入って、いきなり朝食を一緒に食べるなんて驚きの光景である。何か会話をしなきゃと思ったが、狛さんは気にすることなく食べていた。
上品な食べ方をする人だと思った。小さな口で咀嚼する音さえ聞こえない。彼女は専業主婦なんだろうか。他人のことだけど、聞いてみても良い
シロクマ文芸部 | 物書きジム
本を書く人々の間で人気のトレーニングジムがあった。それは神保町よりは九段下寄りの、寂しげな住宅街の中にある。
いかにも物書き風情が好みそうな、ボロアパートの一室を改造して作られたジムには、数人の男たちが出入りする様子が見られた。
「ああ、どうも」
「ああ……」
いかにも人付き合いが苦手そうな男二人が、ほとんど同時に入口のドアをくぐる。
「おたくは、えっと……」
「毒婦。、アンダーグラウンド、殺人