コメディ小説

【超短小説】年雄と真夏のジョグ

【超短小説】年雄と真夏のジョグ

走るにはしんどい季節がやってきた。 冬から春先までは、毎日7キロから10キロくらいの距離をジョグできた。 でも最初は3キロ走れればいい方。 1キロ走った辺りで、息が上がり2キロ辺りで歩き出す。 一度歩くと次の一歩がなかなか出ない。 汗も滝のように流れ出る。 真夏のジョグ。 しーーーんどーーーい! ようやく走る事が楽しくなってきたのに、この暑さで、また嫌いになりそう。 走り始めの頃の感覚。 うまくいかんもんだ。 でも年雄は今日も走る。 明日も。 明後日

サスペンス小説『金庫の中からこんにちは』→紅蓮の炎の中で(完結)

サスペンス小説『金庫の中からこんにちは』→紅蓮の炎の中で(完結)

♦1話だいたい10分で読めます ♦全25話 ♦完結済み ♦1話ごとに衝撃をうけます ♦すべて読み終えたとき、あなたの前には新しい地平がひらかれていることでしょう 25 チャーリー大佐が携帯で話している相手は、なんとアメリカ合衆国大統領だった。 「グッドイブニング、ミスタープレジデント(大統領)……」 そう言ったきり、ぎこちなく動くロボットと化す大佐。 ときどき「イエッサー」とか「オウ」とか、あいづちを打っていたが、ほんの30秒ほどで携帯を耳から外した。 終了ボタン

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【超短小説】年雄の不満

【超短小説】年雄の不満

生きていると、それだけで不満ってのがあるもんだ。 仕方がない。 年雄は個人で生活しているとは思っていない。 だから不満は仕方がないと思っている。 社会の中の個人。 団体の中の個人。 個人から見た社会。 社会から見た個人。 年雄の不満は、社会の常識かもしれない。 社会の常識が、年雄の不満かもしれない。 個人の不満は仕方がない。 団体だから。 でも不満だから声を出す。 「ばかやろーーー!!!」 何も変わらない。 その日の空に鳴り響いて終わり。 変わ

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【超短小説】年雄と苦味

【超短小説】年雄と苦味

年雄はアイスコーヒーを飲みながら思った。 いつからブラックコーヒーを飲むようになったのだろう? 初めてコーヒーを飲んだのは、小学生の頃だった。 両親が仕事でいない時、大人の真似をしてインスタントコーヒーを作って飲んだ。 あまりの苦さに絶句したのを覚えている。 それから、高校生になるまで口にしなかった。 高校生になると、缶コーヒーが流行り、年雄はその流れでよく飲んでいた。 ミルクと砂糖たっぷりのコーヒー。 苦くないコーヒー。 大人になってからも、甘くて苦くない

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人生、鮭とばじゃ。テキトーが良いのじゃよ〜私の元に、仙人が!?〜 小説ver

人生、鮭とばじゃ。テキトーが良いのじゃよ〜私の元に、仙人が!?〜 小説ver

幸せになれない/生まれる必要はあるのか? 私「何でだろう。毎日、色々頑張っているのに、成果って、出ないよなぁ。嫌になるよ、毎日毎日。いいことないのに、嫌なことはあるし」 今日も仕事はうまくいかないし、このご時世で最近遊びらしいことも出来ていない。それに加えて、推しもいない。もちろん恋人もいない。とぼとぼと歩いていると、ふいに背後から奇妙な声が聞こえてきた。 福丸仙人(以下、仙人)「笑止千万。まだまだ、青いのう。そこの小娘!」 私「えっ、誰?ってか、小娘って、久々に聞い

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大人になりたい 4話

大人になりたい 4話

 消え入るような小声で了承した私に、アサシンは表情は変えずに全身で喜び、PTAの書類を押しつけて来た。  私は重い気分で教室を出て、階段を下りて体育館へ戻ったのだが、その間も一歩ごとに後悔は深まっていった。  どうしよう。  マジか。  この俺が…PTA役員…。 「遅い」  暗黒を背負い、辿り着いた体育館では、息子がお怒りだった。  私がアサシンと伝説の決闘を繰り広げている間に、他の保護者たちは皆体育館へ戻り、子供を連れて教科書などを買いに出て行ってしまったらしく、

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【超短小説】年雄と空いてる席

【超短小説】年雄と空いてる席

年雄は喫茶店に入った。 本を読むためだ。 だから長居する予定。 お店に入ると「空いてる席にどうぞ」と言われた。 1人なので、1人が似合う席。 ・・・ない。 4人席しかない。 どうする年雄。 広くゆったり座れるのはいいが、2人以上の客が来れば、「なんだあいつ」と思われる。 落ち着かない。 ちょっと待って1人用の席にするか? 気にせず座るか。 どっち? 「空いてる席にどうぞ」と言われたからいいじゃないか。 空いてるんだし。 「空いてる席にどうぞって言

切実にドSなルンバが欲しい〜ルンバと私のトキメキ365days? 小説ver

切実にドSなルンバが欲しい〜ルンバと私のトキメキ365days? 小説ver

こんなルンバが欲しい day1 罵倒ルンバ ルンバ「この洋服は捨てましょう」私「まだ、使…」 ルンバ「124日、着用されていません。そうやって、自分を甘やかすのはやめなさい」 私「はい。ルンバ様。すみません…」 ルンバ「あなたに、データリテラシーありますか?AIのデータ力を侮らないでくださいね。たかが人間風情が、笑わせますね」 day2 執事ルンバ ルンバ「ほら、一体いつまで、床を片さないんですか…はぁ、私をどれだけ激務にしたら気が済むのでしょうね?」 私「で

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大人になりたい 3話

大人になりたい 3話

 説明会は長かった。  入れ替わり立ち替わり、色んな教師が延々話していた。  我が校の方針だの、今年度の授業計画だの、私が通うわけじゃないから正直どうでもいいが、驚いたのは話の内容を僅かばかりでも自分が覚えていることだった。  スリープモードにしていたからじゃない。  今までは蜂の巣状態だったから、起動してようがいまいが、教師の声などマイクを通しても聞こえなかったからだ。  さすが道草高校。  保護者の私語がない。  怖いくらいだ。  気のせいか、保護者も生徒も姿勢

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【超短小説】年雄の内緒の話

【超短小説】年雄の内緒の話

誰にも言っていない内緒の話だが、年雄は上京してから一度だけ映画のオーディションを受けに行った事がある。 役者をやった事はない。 ただ、上京したからには何かしようと思っていた時、たまたま目にした雑誌で、オーディションの事を知って受けてみようと思った。 年雄は専門学校の入学式用に買ったスーツを着て、オーディションに向かった。 久々のスーツ。 久々の革靴。 馴染まない。 でも田舎ではできない経験に胸が躍った。 住所を調べ、最寄りの駅を調べる。 昔は携帯で調べるなん

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