塩かげん

作家と名乗れば作家︱フリーランス︱ライター︱ディレクター︱編集者︱ウェブ・紙媒体多数︱…

塩かげん

作家と名乗れば作家︱フリーランス︱ライター︱ディレクター︱編集者︱ウェブ・紙媒体多数︱著名人・タレント・経営者取材︱書くプロであり、読むプロであり、売るプロ︱通販カタログ元編集長︱猫2匹のいる自宅オフィス

マガジン

  • 【小説】蜘蛛の手を掴む

    立木陵介の妻、菜緒が失踪した。誘拐されているかもしれない。おそらく殺されている、菜緒を誘拐した方が。 菜緒は、日本国・諜報部・武威裁定Q課、通称ブサイクに所属する捜査員。あらゆる点において大きく権限委譲された組織であり、オカルト・サイコパス・テロあらゆる面倒な事案を解決することを目的としている。 銃の取り扱い、鍛え上げられた肉体、性別を超えた圧倒的な格闘術、犯罪者を察知する嗅覚、そして非情にして無情な残虐性。陵介の知らない菜緒が次々と明らかになっていく。 失踪したその日、神保町駅ビルでテロが発生。瓦礫の中に菜緒の左手が見つかる。その左手には、蜘蛛の巣のタトゥ―が。 菜緒とはいったい誰なのか?蜘蛛の巣のタトゥーが入った左手は?

  • ぼくのホーム オフィスには 人間きぶんの 猫が2匹いる

    ホームオフィス、平たく言うと、そりゃぁ自宅兼仕事場です。自宅を仕事場にしちゃった都合、うちの猫たちは“オフィスに住み着いている”ってことでもあります。昼間は僕と猫と原稿だけのじかん。誰とも話さずに仕事してると、猫たちにずっと話しかけています。すると、猫たちの「鳴き声、しぐさ、絡み方」で会話できてるような気が。そう、人間きぶんの猫2匹とフリーランスライターの僕との、なんてことない日常のおはなしです。どうぞよろしくお願いします。

  • デバッグ・ワールド・レポート

    近くで戦闘勝利があるだけで経験値吸収。戦わずして最強になる見習い僧侶ジャンヌの成長物語。 オーガーやタイタン、サイクロプロス、ヘカトンケイレスなど巨人が治める隣国。その隣国と戦闘が絶えないウッドバルト王国に住むジャンヌ。まだ見習い僧兵としての彼は、祖父から譲り受けた「エクスペリエンスの指輪」により、100メートル以内で起こった戦闘勝利の経験値を吸収できるようになる。戦わずして、最強になるジャンヌ。いじめられっ子の彼が強さを手に入れていく。臆病なジャンヌが見習い僧兵から成長し、最後にはどんな姿になるのか?な第一章。 続く第二章からは、怒涛のミステリー展開。現実世界からの干渉が始まる!

  • 【ほっこり読める小説】塩のサジ

    オリジナルの小説を書こう!と長年の夢を形にしました。「塩かげんのサジかげん」と題し、省略して「塩のサジ」。10分程度で読めるショートショートをベースに書き連ねていきます。まずは、お時間ください。きっと満足していただけると思います。たぶん。

  • この映画アマプラで、観ましたけども(に改編)

    アマプラ、正しくはAmazon Prime Video、いや映画コンテンツは Prime Videoだ。映画はもうレンタルしていない。アマプラの無料映画だけを観る。セコイ?セコくない!無料映画はめちゃ多い、この前映画館って映画もたくさんある。それに、しらぬ間に有料にもなったりしてる。無料のときに出会ったら、それはもう観るべきなのだ。映画は年間150本観てる。映画を観ててよくあることは「この人誰だっけ?」「でこの伏線の意味わからん」「え?この人はあの人と仲間やったっけ?」「ここはどこの話?」「今はどの時代の話?」というような、トンチキな誤解鑑賞能力しかございません。読解力ならぬ、映観力(映画を観る力)の足りない筆者ですが、温かいまなざしで、卵を孵化させるがごとくお見守りください。

最近の記事

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【エッセイ】トイレの一部と認められた僕の健康診断

フリーランスの健康診断、僕は国民健康保険所属。年1回の特定健康診断が無料で受けられる。1万円相当。申し訳程度の健康診断というと、感謝の気持ちもないんか!となるが、毎月ウン万円取られてこれかぁ、というのが心の叫び。 検尿→血圧→身長・体重→血液採取→心電図→問診とコレが基本コース。僕はオプションに大腸がん検診+前立腺がん検診をつけている。(西暦の奇数年と言った縛りもある) 健康診断当日。最近は、朝ごはんを食べて行ってもいいらしく、6時に朝食を済ませた。コーヒーはやめておこう

    • 【連載小説】蜘蛛の手を掴む<第十一話>

      大儀見鷲子の電話とヒラカタの真相 音丸は着信をうまく取れない。両手が左手に、しかもどちらも女性の手という使いにくいったらない、と冗談もいいたいところだった。電話の相手は、大儀見鷲子だった。メディカルルームで治療中のはずだったが、と音丸は訝し気に電話を取った。 「どうしました?」 「音丸、菜緒さんは?」 「ここにはいないんです」 「どうして?」 「瞬間移動の呪現言語を使いまして…」  状況のわからない鷲子にイチから説明するのは疲れる、音丸は心身ともに疲弊していた。 「立木陵介の

      • 【エッセイ】トマトジュースは野菜室ではない、という指摘について

        太ってきました。大腸炎疑いで1週間入院、絶食2日からの粗食につぐ粗食。繊維の少ない残渣食をひたすら食べていたあの頃。175cmに対して、77kgあった体重は70kgジャストに。入院ダイエットと言うと不謹慎だが、病気をすると痩せるものだ。病気でやせるということもあるが、食事を見直すということが一番デカい。 退院後はやっぱり食べてしまった。軽い気持ちの天一・奢った気持ちのパフェ・昼飲みの王将・買い食いセブンのカレーパン、挙げればキリがない。退院するときにドクターからは、「食生活

        • 第25話・【呼吸】する人間

            しかし、邑先いずきはいまどのキャラクターとなってゲーム内に潜んでいるのか?航海はログインしたのちも考えていた。リグレットというゲーム名は航海をワタルと呼ばずに、「コウカイくん」と呼んでいた、いずきとの会話をヒントにした。コウカイ・後悔・リグレット、このメッセージに気づけばもしかしたら。いずきはリグレットが航海だと気づくかもしれない。龍二とともに、格闘ゲームの全国大会でいずきとは何度も戦っていた。ゲーム仲間、ただ楽しかったあの頃。今や、命をかける戦いにまで発展するとは。航

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        【エッセイ】トイレの一部と認められた僕の健康診断

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        • 【小説】蜘蛛の手を掴む
          11本
        • ぼくのホーム オフィスには 人間きぶんの 猫が2匹いる
          23本
        • デバッグ・ワールド・レポート
          25本
        • 【ほっこり読める小説】塩のサジ
          33本
        • この映画アマプラで、観ましたけども(に改編)
          24本
        • 【完結】【つながるショート】笑う、観覧車
          25本

        記事

          【エッセイ】新幹線とお弁当と連射

          新幹線に乗って出張に行く機会が増えてきた。主に撮影スタジオで撮影立ち会いやらモデルのオーディションやらだ。 今新幹線だよって、なんか自慢したくなるのは「こだま」→「ひかり」→「のぞみ」とポケモン3進化のように新幹線の成長とともに、育ってきたからだろうか。 もう50歳にもなるのに、新幹線に乗るとテンションがあがる。新幹線、昔は喫煙車もあったし、喫煙スポットもあった。とにかく、煙もうもうの時代を経て、いまは平和。車内販売がなくなってしまったのは残念(グリーンはしらんけど)。

          【エッセイ】新幹線とお弁当と連射

          【連載小説】蜘蛛の手を掴む<第十話>

          『ザ・フライ』の呪い  明らかに海水、しょっぱい水だ。音丸はふ頭管理事務所から、そばの海へと瞬間移動していた。    音丸が放った瞬間移動の呪現言語は、一度身体を分解し、所定の場所まで跳ね飛ばす。その後、元の記憶に従って再構成。音丸でさえ試したことのない初めての呪現言語だった。    父親が映画好きだった分、昔の映画はよく観ている。『ザ・フライ』、科学者のセスが物質転送装置を発明する。転送装置の中に紛れ込んだ一匹のハエ。転送前に身体情報が分解され、転送先で再構成される。ハエと

          【連載小説】蜘蛛の手を掴む<第十話>

          【エッセイ】オバはんと飴

          僕はいつまで知らんオバはんから、「おにいちゃん」と呼ばれるのか問題について考えてみた。 関西では(言い切ります)、よその男性で若い子のことを「おにいちゃん」と呼ぶ。大学生のときなんかは、バイトしていると「おにいちゃん、はよ注文とってんか」と客のオバはんから言われる。僕が20歳ぐらいで、オバはんは50歳ぐらいか。 僕はアンタの「おにいちゃん」なワケないやろ、とツッコむもののあくまでもエアツッコミだ。心の中で。悪い気はしない。たまに『お』を省いた「にいちゃん」と言われることも

          【エッセイ】オバはんと飴

          【エッセイ】<創作大賞2024・全落ち>人になるために書く、ということ

          忘れないうちに書いておこう。2024年創作大賞中間発表、エッセイと漫画原作で出陣しましたが、敢え無く敗走。というよりも、戦場にすらたどり着いていないのかもしれない。つまり、全部落ちました、ということだ。一次すら通過できないのは致命的だと思った。だから、あてもなく、ゴールもなくいまの想ったことを書き残しておこうと思う。 読む、読まれないという、書く人が常に抱えるジレンマというかストレスというか渇望というか。そういった次元で生きている層にとっては、広く世にでること=書籍化みたい

          【エッセイ】<創作大賞2024・全落ち>人になるために書く、ということ

          【エッセイ】義父と二人、酌み交わす

          義理の父が亡くなった。義理の母が亡くなって二年半ほど経った頃だった。僕の父は15年ほど前にに亡くなったし、親の類で生き残っているのは実母ぐらいだ。 義理の父、つまり、妻の父。妻を躾けてきた父とあらば、尊敬の眼差し、どのようにすればアノつわものに、父たる威厳を振りかざしてきたのか気になるが、義父は優しい人だった。 妻と結婚して、2年ほど経った頃、義理の両親が同居しないかと提案してきた。妻が育った家でもあったが、三人暮らしの彼らの家に僕がお邪魔するみたいな気まずさはあった。義

          【エッセイ】義父と二人、酌み交わす

          第24話・アイスコーヒーとヘッドセット

           魁隼人は、相馬航海と古河龍二が開発ルームを出たあと、剣聖リヒトのログデータの解析を続けた。剣聖リヒト、魁がテストで作ったキャラクターだった。チュートリアルとして、プレイヤーに操作方法・特に戦い方を教える担当キャラクターとして開発したはずだった。実際のところは大学生アルバイト数名に作らせたキャラクターで、プログラミングコード自体も簡単だった。その剣聖リヒトが暴走している。自立型AIとなり、ラルフォンを崇拝している。もしかしたら、誰かが操作しているのかもしれない、AIとは考えに

          第24話・アイスコーヒーとヘッドセット

          【エッセイ】感じ悪い人

          感じの悪い人、それだけで嫌われる理由になる。ほとんど第一印象で決まる。表情のなかでも、目を合わせるか、口角が上がっているか、歯が見えているかが大切だと思う。言葉遣いだと、言葉そのもの(語彙)や語尾のアクセント、丁寧語の使い方なんかが大切。感じのいい人ってのは、その逆なのだろうか? 光と影、表と裏、空腹と満腹ぐらいの真逆だともいえず。感じのいい人は、感じの悪い人の逆であるものの、その底には「感じよく見られようという厭らしさ」が漂ってたり、潜んでたりするものだ。 そんな疑心と

          【エッセイ】感じ悪い人

          第23話・復讐に燃えるラルフォン・ガーディクス、立花悟

           剣聖リヒトを従えてやってきた、ラルフォン。ジャンヌの父にして十二聖騎士。しかし、ラルフォンは死んだはずだ。先のリム王国との戦いで、【駕籠の宿】から守られずに【轟雷】をただ一人直撃して死んだはずだった。  ゲーム内での死から生まれた文化、埋葬がある。これは魁がプログラミングしたものではなかった。自動発生的にAI学習が進化した。死を悲しみ、弔い、慈しみ、生きる者たちが癒され、振り返り、前を向いて生きる。そのための装置として「墓」「埋葬」が産まれたのだ。ラルフォンは死後、ウッド

          第23話・復讐に燃えるラルフォン・ガーディクス、立花悟

          【連載小説】蜘蛛の手を掴む<第九話>

          立木陵介の予約 窓の外からまっすぐに淀みなく、一直線に傘が飛ぶ。傘は的確に獲物を捕らえていた。三角ラトイと泉岳イミズが潜伏しているはず。呪現言語師同士、強い力はあふれ出る。それゆえに、音丸は菜緒のナビに連れてこられたのだ。三角ラトイの居場所をつきとめるために。このエリアでこれほどの力の反応がある人物、武威裁定Q課で把握している限りでは、三角ラトイしかいない。 「ビンゴ!」  踏み込んだ菜緒が浴びせられた言葉だった。中から聞きなれた男の声がする。 「菜緒さん、いきなり踏み込ま

          【連載小説】蜘蛛の手を掴む<第九話>

          【エッセイ】余計なお世話

          カミさんと付き合い始めのころ。思い返せば、27年ぐらい前だ。「ぐらい」というのは、はっきりと思い出せないからだ。付き合い始めといっても、手も繋がないそんな頃だ。休日に映画口実に誘い、ランチをする程度の世界。 映画好きを自称していた僕。東京で映画を観るとなりゃぁ、京都からのおのぼりさんたぁ、銀座だ。渋谷・池袋・立川ノンノン! そして、未来のカミさんを誘って観た映画は「フル・モンティ」だった。 一度下見をして、間違いないと踏んでの映画だった。会社の映画好きの先輩に面白そうな

          【エッセイ】余計なお世話

          【エッセイ】余計なひとこと

          「言わないでいてくれたら、いいこと」ってのがある。余計なひとことである。僕なんかは息子に妻に、「そのひとことがいらない」とよく言われる。僕からしたら、その場を盛り上げようとしたり、注意喚起のつもりで言っているのだけれど、受け取る相手からしたら余計なひとことなのである。 まぁ、想像するにこうだ。職場でもひと言多かったと思う。そのせいで、昇進できたこともあると思うのだ(ズバズバ言っちゃうから)。フリーランスになってからは、打合せの前には手のひらに「よけい」とペンで事前に書いてい

          【エッセイ】余計なひとこと

          パラレルではないワールドの、クレイジーなラブストーリーだった映画

          玉森裕太主演、吉岡里帆と染谷将太が脇で。この世代における布陣としては悪くない。むしろいい。玉森裕太の演技がちょうどいい。吉岡理帆がなんかやらかしてくれそうな期待感がありつつも、映画的には微風。 染谷将太はやってくれるか!と期待。怪演してくれてはいるが、役どころがもっと邪悪なのかとおもいきゃ、ピュア。役で損してる。もっと、グイグイくる演出がみたかった。 ということで、主役の崇史(玉森)の劇中のクズさが際立つ。中学の頃、なぜからかわれている智彦(染谷)を助けたのか。映画ではよ

          パラレルではないワールドの、クレイジーなラブストーリーだった映画