【創作小説】猫に飼われたヒト 第44回 所長と主任の話し合い
人間総合研究所の応接室。
キャロルがお茶を運んでくる。
「キャロル、ありがとう」
「いえ、先生!」
キャロルはにこっと笑って軽く会釈をし、部屋を後にした。その後ろ姿を見送って、フルーメンが口を開く。
「…それで、話とは」
「ああ。研究所の環境について、ここに配属されてから疑問を抱いていてな。というのも、人間の飼育環境があまりにも劣悪だと思うんだ。なぜこんなにも環境が悪いのに、対策が練られないんだい」
「…アウラさんが解任されてからあなたが来るまでに、警察による研究所