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元メガバンク経営企画部長の部屋

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記事一覧

経営者の頭の中を覗いてみよう

経営者の頭の中を覗いてみよう

「管理者」が経営者に対して抱いている悩みを先ず紹介します。

「経営者が何を考えているのか分らない」、「経営者とのコミュニケーションが上手く行かない」、「経営者と考え方を共有できれば、もっと高いレベルで管理力を発揮できる」などです。これらの悩みが示すとおり、経営者と管理者の間には両者を隔てる壁が存在します。皆さんが活躍すればするほど、この壁を強く感じるようになり、悩みを一層深くします。

何故、壁

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人的資本経営への取組み~PTの設置と活用

人的資本経営への取組み~PTの設置と活用

今なぜ「人的資本経営」が脚光を浴びているのか「企業は人なり」、「人材こそ最大の財産」―企業経営を語るとき、決まって引用される常套句(じょうとうく)です。確かに企業経営は、役員や社員の一人ひとりの活躍の上に成り立ちます。これは、古今東西、紛れもない事実です。

人材を育て、人材を競争力の源泉として企業価値の向上を図る。これが「人的資本経営」であり、その根底には「人材に積極的に投資し、人的資本価値を高

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人材戦略の進め方~逆算思考を活用する

人材戦略の進め方~逆算思考を活用する

人材戦略は逆算的・従属的に検討する人事部の方から「人材戦略をどのように進めれば良いでしょうか」と質問を受けることがあります。

「効果的な人材戦略を展開したい」

人事部の方であれば誰でもこう考えます。しかし、人材戦略のみに焦点を当て、これを独立したテーマとして論じることが果たして有効と言えるでしょうか。

「組織は戦略に従う」という言葉があります。この言葉は、「戦略」が先にあって、この後、従属的

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【管理のツボ公開(Ⅳ.リスク管理編)】リスク管理のツボ~リスクは必ず表面化する

【管理のツボ公開(Ⅳ.リスク管理編)】リスク管理のツボ~リスクは必ず表面化する

元メガバンク経営企画部長のエグゼクティブ・アドバイザーが、全4回シリーズで管理のツボについて綴ります。今回はシリーズ最終回「Ⅳ.リスク管理編」です。

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Ⅰ.自己採点編 公開中
Ⅱ.人材育成編 公開中
Ⅲ.PDCA編 公開中
Ⅳ.リスク管理編 ←本記事はこちら
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【管理のツボ公開(Ⅲ.PDCA編)】PDCAしっかりと回し、成果を上げるツボ

【管理のツボ公開(Ⅲ.PDCA編)】PDCAしっかりと回し、成果を上げるツボ

元メガバンク経営企画部長のエグゼクティブ・アドバイザーが、全4回シリーズで管理のツボについて綴ります。今回は「Ⅲ.PDCA編」です。

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Ⅰ.自己採点編 公開中
Ⅱ.人材育成編 公開中
Ⅲ.PDCA編 ←本記事はこちら
Ⅳ.リスク管理編 ※近日公開予定
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【管理のツボ公開(Ⅱ.人材育成編)】人材育成のツボを押さえて、効果的に自分を育て、部下を育てる

【管理のツボ公開(Ⅱ.人材育成編)】人材育成のツボを押さえて、効果的に自分を育て、部下を育てる

元メガバンク経営企画部長のエグゼクティブ・アドバイザーが、全4回シリーズで管理のツボについて綴ります。今回は「Ⅱ.人材育成編」です。

是非、前記事【管理のツボ公開(Ⅰ.自己採点編)】と併せてお読みください。

チームや組織を率いる方やビジネスパーソンの皆さまに、休憩時や移動時などお手すきの際ご一読いただければ幸いです。

人材育成のツボを押さえる皆さん、「Ⅰ.自己採点編」の2つの問いに、それぞれ

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【管理のツボ公開(Ⅰ.自己採点編)】できる管理者は“ツボ”を押さえている~4つの質問に答えてあなたの管理力を確認しよう

【管理のツボ公開(Ⅰ.自己採点編)】できる管理者は“ツボ”を押さえている~4つの質問に答えてあなたの管理力を確認しよう

元メガバンク経営企画部長のエグゼクティブ・アドバイザーが、全4回シリーズで管理のツボについて綴ります。今回は「Ⅰ.自己採点編」です。

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Ⅰ.自己採点編 ←本記事はこちら
Ⅱ.人材育成編 ※近日公開予定
Ⅲ.PDCA編 ※近日公開予定
Ⅳ.リスク管理編 ※近日公開予定
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新たな戦略的視点~“分散型社会・経済”の効用

新たな戦略的視点~“分散型社会・経済”の効用

新たな戦略視点として「“分散型社会・経済”の効用」を取り入れてはどうでしょうか。これによって、今、経営課題として急浮上している“ESG”や“SDGs”への取組みが自ずと促進されます。この点を以下に分かり易く説明しましょう。

“集中”の効果大会社は、ほんの少し前まで、「本社を持つなら東京。千代田区、中央区、港区が良い」と考えていました。この考え方の積み重ねによって大都市中心部への経済集中が進み、こ

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悪い情報があがってこないのはリーダーの責任~「風通しの良い組織」作りに向けて

悪い情報があがってこないのはリーダーの責任~「風通しの良い組織」作りに向けて

良い情報は言わなくても上がって来る、
悪い情報は言っても上がって来ない
「当工場の製造工程にたびたび不具合が起きているにもかかわらず報告がなく、傷口を大きくしてしまった」
「お客様との間に起きたトラブル情報が上がって来ない。先日、お客様とお会いして初めてご迷惑をお掛けしていることを知り、何とも気まずい思いをした」

良い情報は言わなくても上がって来る。他方で、悪い情報は言っても上がって来ない。これ

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「なぜコーチングが上手くいかないのか?」95%以上のリーダーが答えられない質問~元メガバンク経営企画部長の部屋

「なぜコーチングが上手くいかないのか?」95%以上のリーダーが答えられない質問~元メガバンク経営企画部長の部屋

「部下の育成に『コーチング』を取り入れたが、部下が思うように育たない」

「若い部下には『ティーチング』を実施しているが、効果がなかなか出てこない」

このような嘆きのご相談を数多くいただきます。部下全員の活躍は、リーダーにとっての悲願です。一体どこに問題があるのでしょうか。

“実施すること”が目的になってしまっている実は多くのリーダーが、知らず知らずのうちに「コーチングの目的化」「ティーチング

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ビジネス格言「会社経営に最適解なし」~元メガバンク経営企画部長の部屋

ビジネス格言「会社経営に最適解なし」~元メガバンク経営企画部長の部屋

会社では、「これで最適解が得られた」「これで効果は最大だ」「これでリスクは最小だ」という言葉がよく交わされます。

しかし実際には、会社経営において “最適化” “最大化” “最小化” を実現することはできません。誰もがベストだと信じて選択した案であっても、実施してみると途中で数々の修正を迫られるものです。これが論より証拠です。

人は、全知全能の存在とは違い、情報収集力や情報処理力に限界がありま

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ビジネス格言「“健全な危機感”が優れた創意を生む」~元メガバンク経営企画部長の部屋

ビジネス格言「“健全な危機感”が優れた創意を生む」~元メガバンク経営企画部長の部屋

健全な危機感が優れた創意を生む――
ビジネスの現場では良く耳にする言葉です。実際のやり取りでは、

「今回の異動辞令にあたって、君から『不安があります』と聞いて実は安心したよ。覚えた不安は必ずや職務を全うさせてくれるからね」

「危機感を抱けない人には組織の改善は任せられない。危機感こそ改善に向けたエネルギーであり、アイデアの源泉なんだ」

などと表現されることもあります。状況を正しく把握したうえ

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今、目的・目標意識の持ち方は「二刀流」の時代へ~元メガバンク経営企画部長の部屋

今、目的・目標意識の持ち方は「二刀流」の時代へ~元メガバンク経営企画部長の部屋

いきなりですが、出来る人と出来ない人を分ける重要な要素の一つに、「本人に目的・目標意識が備わっているかどうか」があります。

確かに、目的・目標意識の有無は仕事の質や結果を大きく左右します。例えばAさんは良く出来ると評判の若手。一方、同期のBさんは評価がいまひとつです。

Aさんは「会社の目的・目標達成に自らもしっかりと貢献したい。自分に不足する知識・能力については自ら進んで補強し、成長していきた

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ビジネス格言「情報の取得は“外”、その深化は“内”」~元メガバンク経営企画部長の部屋

ビジネス格言「情報の取得は“外”、その深化は“内”」~元メガバンク経営企画部長の部屋

ビジネス格言の一つに、「情報の取得は “外”、その深化は “内”」というものがあります。ビジネス格言と名乗るからには、会社経営にとって重要な意味を持つはずです。

しかし、この格言にピンとくる方はごく少数で、多くの方は意味がよく分からないのではないでしょうか。以下にこの主旨を説明しましょう。是非、ご自身の思考・行動指針としてご活用ください。

まずは「会社の目的」を確認していきます。

会社の目的

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