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読書感想文

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読んだ本の感想です。
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記事一覧

「増補 本屋になりたい」を読みました

「増補 本屋になりたい」を読みました

沖縄に住んでいる時は、読み進められなかったのに。
茨城に戻った今、すんなりと読み終える。

「市場の古本屋ウララ」の前を通った事は何度もあるのに、立ち寄った事はない。この本を読んだら、訪ねてみようと思っていたのに、読み終える事なく、沖縄を旅立ってしまった。

1.ビジョンがチャンスと縁を繋ぐ人生には、そうなるような縁というか流れがあるのかもしれない。著者の宇田さんが、古本屋を引き継ぐ事になったのも

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迷走しても、いいんじゃない?

迷走しても、いいんじゃない?

「いいんじゃない?」

その言葉は、自分にも言えていないと、きっと言えない。

私から見れば、山下先生の人生は迷走ではなくて、目の前に現れた課題に、自分にできる行動と選択で取り組んできた逞しい歩みだ。

そして、人生に迷走しているのは、私だ。

1.コスモス村へ行く私は2019年3月に15年勤めた仕事を辞めて無職になり、それこそ迷走中だった。Yさんにコスモス村の研修を勧めてもらい、修復的対話も、山

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「悲しむことは生きること 原発事故とPTSD」を読みました

「悲しむことは生きること 原発事故とPTSD」を読みました

沖縄に移住する前から、蟻塚先生にこっそり憧れていた。沖縄に移住後、健康診断を受けた病院が、蟻塚先生が定期的に診察に来ている病院だと知った時は、ひとり興奮した。遅ればせながら、先生の著書を初めて読む。

1.心的外傷(トラウマ)とPTSD心的外傷(トラウマ)は、以下のようなストレス反応を引き起こす。
(1)再体験
(2)回避
(3)過覚醒
(4)否定的な認知や気分

辛い記憶を思い出すフラッシュバッ

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中村天風とエイブラハム

中村天風とエイブラハム

同じこと、言ってる。読んでいて、そう思った。

常に、心を穏やかに保ち、いい気分を感じる事。

自分の良い思考に集中する事。

すべての人に価値がある事。

1.心身統一法と宇宙の法則と内観療法中村天風さんは、1919年(大正8年)心身統一法の講演活動を開始(以下、天風哲学とする)。

エイブラハムの教え「宇宙の法則」は、1986年(昭和61年)にエスターさんを通して伝えられた。ちなみにエイブラハ

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久高島イザイホーと祭祀

久高島イザイホーと祭祀

沖縄県久高島へ行った時、安座真港の売店で購入した「日本人の魂の原郷 沖縄久高島」。この本を探していたから、売店で見つけた時は、思わずお店の人に喜びを伝えてしまったほどだ。

1.久高島の祭祀15世紀以降、琉球王朝がノロ制度を導入する前から、久高島の祭祀は存在していた。有名なイザイホーだけでなく、久高島では旧暦に従い豊富な祭祀が行われる。祭祀の名称も、ノロなどの役職も、耳慣れない言葉ばかりで混乱して

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「沖縄文化論 忘れられた日本」を読みました

「沖縄文化論 忘れられた日本」を読みました

岡本太郎は、「日本再発見」「沖縄文化論」「神秘日本」という日本紀行3部作を発表し、「沖縄文化論」で、毎日出版文化賞を受賞している。

1960年(昭和35年)「沖縄文化論」を中央公論で連載(全6回)
1961年(昭和36年)「忘れられた日本ー沖縄文化論」として出版
1972年(昭和47年)「沖縄文化論ー忘れられた日本」と改題し再版
2022年(令和4年)「新版 沖縄文化論ー忘れられた日本」を出版

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「Au オードリー・タン 天才IT相7つの顔」を読みました

「Au オードリー・タン 天才IT相7つの顔」を読みました

今年2024年5月20日、台湾に新政府が誕生するにあたり、政務委員(デジタル担当/IT大臣)を任期満了で退任したオードリー・タン(唐鳳)。

IQ180の天才。トランスジェンダー。台湾史上最年少で政務委員に就任。ハッカーであり、詩人。そんな彼女も、ひとりの人だ。

彼女の魅力は、圧倒的な知能と人間力。
過去の辛い体験を、本人の力に昇華している。

1.彼女はハッカーハッカーは、探求心から難題を解決

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「対象喪失 悲しむということ」を読みました

「対象喪失 悲しむということ」を読みました

初版は1979年。私が生まれる前。
2024年のいま読んでも、おもしろい。

悲しむことは、簡単のようで、奥が深い。

悲しむこと。
自分の内側にある感情に気づき、味わい、受け入れること。

自分の内側にある感情。それは、見たくないもの、気づきたくないもの、受け入れたくないもの。いろいろある。

誰にだって、ある。私にも、ある。

内側(感情)を見なくても、外側(生活、仕事、健康など)に問題がなけ

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声を聴き、権利を守るために

声を聴き、権利を守るために

権利の話は、マジメで堅苦しくておもしろくない感じがするけれど、ほんとはとっても愛に溢れてる。権利を主張することは、わがままとか図々しいことじゃなくて、自分とみんなを大切にすることだ。

もちろん、主張が異なり、ぶつかることもあるかもしれない。それでも、どちらの意見も大切にされる。それが、権利を守られるということだ。

片方だけの声しか聴かれなかったら、不公平だ。その不公平が、日常で起きていませんか

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私には力がある

私には力がある

みんなに伝えたい事。
それは、自分を守る方法。

安全を確保し、つながり、自分には力があることを自覚すること。

それが、自分と大切な人たちを守るためにできること。

心的外傷は、すべての人に起こる可能性がある。
すべての人に関係があること。

心的外傷(トラウマ)は、心の傷。

知らないから、分からないから、誤解が生まれる。みんなが知って、あたりまえになれば、いい。

心的外傷(トラウマ)につい

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問いかけは、とらわれを解放し、こだわりを引き出す技術

問いかけは、とらわれを解放し、こだわりを引き出す技術

自分自身の問いかけに磨きをかけるためにできることを、備忘録的にまとめる。自分を閉じ込めている思考の枠を外すためにも、問いかけを使いこなしたい。

1.「こだわり」と「とらわれ」こだわりを見つけて、育てる。
とらわれを疑い、問い直す。

大切にしたい価値観は、こだわり。
新たな発想を阻害するのは、とらわれ(固定観念)。
自分の当たり前を、問い直す。

こだわりの確信は、とらわれの始まり。
常に自問自

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「思考の整理学」を読みました

「思考の整理学」を読みました

「思考の整理学」は、自分で考える方法を提案してくれている。これらが唯一の正解ではない。こんな方法もあるよ、と教えてくれている。この本を読むだけで、すぐに考える力が養われるわけではない。でも、意識せずに行っている思考の経過を、こんなことしてるかも、と整理される。こんなことしたことない、と新たな手段も得られる。とてもおもしろい。

自分で問題提起して、自分で解くから面白い。

思考の整理に役立つことを

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「カウンセリングを語る」を読みました

「カウンセリングを語る」を読みました

この本の原版が刊行されたのは、1985年。およそ40年前。当時と変わったこともあれば、変わらないこともある。

今の私に必要なことを、まとめてみる。

1.待つ【カウンセラーの3つの条件】
 (1)無条件の関心
 (2)共感
 (3)自己一致

だけど、これがむずかしい。修練に修練を重ね続ける必要がある。終わりはない。

会って、時間をともにする。

そこにいること、できているか。
自分だけ、別の

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ヨンシーと弥勒と恵みの雨

ヨンシーと弥勒と恵みの雨

臼太鼓(ウスデーク)について興味を持って調べていたら、富盛出身のHさんが、富盛字誌を読ませてくれた。分厚い冊子だけれど、富盛の文化が記されていて、とてもおもしろい。全部を読むのは難しかったので、臼太鼓に関連する箇所を読む。

(1)ヨンシー富盛(ともり)の十五夜行事では、女行列をヨンシーと呼ぶ。

もともとは、富盛地区の南(フェー)と北(ニシ)の対抗意識が強く、「クバイムン(各演目の配役や役割分担

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