平成から令和に代わって1年、経済政策はどう決められたか

令和に至るまでの平成の時代に、経済政策はどのように講じられてきたか。平成の最後には、安倍晋三内閣の「アベノミクス」が展開された。

官邸主導で展開されてきた「アベノミクス」も突然生まれたわけではない。

本書では、その源流を小泉内閣期の経済財政諮問会議の議論に辿る。21世紀最初の20年間の日本の経済政策は、財政健全化とデフレ脱却を追求し続けてきたといってよい。

経済財政諮問会議の担当大臣や民間議

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多様な「幸せのかたち」 【ブックレビュー】三浦しをん『愛なき世界』(中央公論新社、2018年)

著者:三浦しをん
書名:愛なき世界
出版:中央公論新社

 小説を2冊くらい買って帰ろうと思いながら、書店をウロウロしていたときに見つけて手に取った一冊。三浦しをん先生のことは、『舟を編む』で知っていた。当時の恋人の影響で読書がマイブームだった高校生時代、『舟を編む』が本屋大賞を受賞した。その後今に至るまで、小説『舟を編む』は読めていないのだが、映画化された作品が素晴らしかったことが思い出される。

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12/16 将来世代の利益先食い問題

広告会社にいると色々なメディアに触れることができる。例えば、雑誌も見本誌というのが届いたりするし、クライアントが出稿した新聞や雑誌は掲載紙(誌)というのが届く(クライアントにお届けするのだけど代理店用にも余分にくれるのです)

知ってはいたけど読んだことないという雑誌も沢山あるのだが、最近「中央公論(中央公論社)」を初めて読んだ。(そういえば、むかし父親が文藝春秋とか中央公論とか読んでたなぁと思い

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日本史が好きだった祖父

祖父は歴史が好きな人だった。

子供の頃、祖父の部屋にいくと本棚にびっしりと分厚い本が並んでいて、部屋にはいりきらないものは廊下に積まれて置かれていた。読んだことはないけど、なんとなくそれが日本の歴史の本なんだということは知っていた。

祖母と一緒にお寺巡りもしていたみたいで、いつもスタンプがたくさんおされた掛け軸を大切そうに持って行っていた。今実家の仏間にかかっているそれが西国三十三箇所参りの御

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橋本治『黄金夜界』(中央公論新社)

橋本治が亡くなってもう10ヶ月にもなる。まだ、自分が橋本治がいない世界に生きているということに慣れない。

わたしは決して橋本治の熱心な読者ではなかった。『桃尻娘』が文庫本になった時に初めて読み、衝撃を受けたのはもう38年の前のことである。それ以来ずっと橋本治は同時代文化のスーパーヒーローであり続けたのだが、最初からスーパーヒーロー過ぎて、空気のようで、手に取って読む必要すら感じない存在だった。W

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『つみびと』山田詠美

山田詠美は女神だと思う。自らの世界で迷い、怒り、過ちを犯し、愛する人々を、慈しみ見守る。でも苦しむ人々にパンやお金をあげたりはしない。
母親による幼児のネグレクト、虐待死をテーマにした作品。私は読んだり見たりするものの気持ちをえらく引きずる人間なので、辛いのがわかっている本は読まない。虐待に関する本、しかも実話をモチーフにしているなんて気が重くなること間違いなしなのだが、山田詠美ならどう書くのかが

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本は、紙でできている_『銀座の紙ひこうき』

希望していた仕事に就いている人は、夢を叶えた人は、どれだけいるんだろう。

はらだみずきの『銀座の紙ひこうき』は、
本を愛し、本にこだわり続ける主人公の神井航樹が
本のもととなる“紙”の専門商社に入り、
悩みもがきながらも夢を追いかけていく青春小説だ。
私と同じく、紙と本(紙“の”本ともいう)が
好きな人間にとってはたまらない題材だが、
そうでなかったとしても、仕事に悩む全ての人が
なにかしら人

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小川洋子・堀江敏幸『あとは切手を、一枚貼るだけ』(中央公論新社)

書店で『あとは切手を、一枚貼るだけ』を手に取ったとき、最初は、作家二人の往復書簡形式のエッセイなのかと思った。どちらも好きな作家、どんな丁寧な言葉遣いで語り合うのだろう、と思って読み始めたら、それは小川洋子の手紙でもなく、堀江敏幸の手紙でもなかった。深く理解し合っている男女が、一定の別離期間を経た後で唐突に交わし始めた手紙の中で、自分たちの過去を振り返る。本当の手紙だったら、省略されるであるだろう

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三浦しをん『愛なき世界』(中央公論新社)

三浦しをん『愛なき世界』(中央公論新社)を読んだ。嗚呼、なんて幸せな読書の時間だったことだろう。ページをめくる手が止まらず、でも、物語が終わってしまうのが勿体ない。

三浦しをんの小説にはずれなしだが、わたしは何かに打ち込んでいる人の話が特に好きな気がする。直木賞とった『まほろ駅前多田便利軒』シリーズも勿論面白かったけれど、それよりは『風が強く吹いている』(箱根駅伝)、『仏菓を得ず』(文楽)、『星

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桐野夏生『デンジャラス』(中央公論新社)

2018年6月の読書記録。

桐野夏生『デンジャラス』(中央公論新社)読んだ。谷崎潤一郎と三人目の妻松子、その妹重子『細雪』の雪子のモデル)、松子の息子の嫁千萬子、の物語。重子の視点から、兄と姉の夫婦の愛情の揺るぎなさ、自分の薄幸さ、兄の寵愛が義理の息子の嫁に移っていく焦燥感を描いていて、これは小説だからすべてがすべて事実ではないだろうけれど、書くことの業、書かれることの業が執拗に追求されていて、

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