オーウェルさんはやはりとても鋭い「全体主義の誘惑 オーウェル評論選」
<文学(133歩目)>
戦中戦後のオーウェルさんの意欲的な論評です。
全体主義の誘惑-オーウェル評論選 (単行本) 単行本 – 2021/11/18
ジョージ・オーウェル (著), 照屋 佳男 (翻訳)
中央公論新社
「133歩目」は、ジョージ・オーウェルさんのイタイ愛の作品。
1940(戦中)~1949(戦後)年にオーウェルさんが描いた政治と文学に対する論評です。
「文学」に入れたのは、ダリとかサルトルについてではなく、政治についてですが、とてもいい文体で「全体主義」の問題点を明確にしているからです。
オーウェルさんは、諸悪の根源を「イデオロギー」にはしていない。
色々な「〇〇主義」なる言葉があるが、「ナショナリズム」に尽きるとのこと。
これは表現がとても難しいが「相手のことを一律『善』とか、『悪』とかに単純化して決めつける習癖のことらしい。
これからすると、当時は米ソ対立のはじまりであったと思うが、自由主義も共産主義も同じであるとみなしている。この問題点からするとヒットラーも共産主義者も問題は初めから抱えている。
これが平易な文体で描かれている。
目線はやはりとても鋭いです。
特に「書評:ヒットラー著『我が闘争』」と「ガンジーについて思うこと」が現代を生きる私にとって参考になりました。
今日で265日目、私の朝のルーティンです。
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