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「後悔を活かす心理学」を読んで

 後悔のない人生なんて、ありえない。少なくとも私は・・・  
 「備えあれば患いなし」とか言って、どんなに準備万端でも、やっぱり、後悔はなくならない。
だから、
 「後悔から、いち早く立ち直るには、どうすればいいか」 
そればかり考えてた。そんな気がする。

 書店で、上市秀雄著「後悔を活かす心理学」(発行所:中央公論新社)をを見かけ、迷わず買ってしまった。 良かった!

https://www.chuko.co.jp/shinsho/2022/04/102692.html


後悔からの立ち直り

 「オリンピックには魔物がいる」なんて言われ、優勝候補の敗退がニュースになる。聞いてる私たちは、残念だったね、程度だけど、本人は一生後悔するんだろうな。似たような話はよく聞くし、自分の場合は後悔だらけ。

 でも、起きてしまった事は、無かった事に出来ない。それが痛い。
過去は、消し去ることは出来ない。
だから、「時を戻そう」なんて、芸年のトークがウケるんだろう。

 私の場合、後悔からの立ち直り方法は、2つ。
  1つは、「忘れること」
  2つめは、「切り替えること」
それしか、見つからなかった。後悔からの立ち直り方法。

 些細な事なら、無かったことにする。
忘れてしまうこと、は出来る・・・記憶を塗り替えてしまう。
まぁ、誰でもやってることだろう。

でも、簡単に忘れられないこと、忘れちゃいけないこと。そういう失敗や間違いもあって、後悔しか残らないこともある。
重く、苦しく、辛い・・・
「後悔」を抱えていくとき、どうすればいいか。 随分悩んだ。

 本書では、後悔した時は、「まずは現実を受け入れること」が大事と書いてある。 確かに。
なかったことにはならない・・・でも、やり直せたら。思ってしまう。
「覆水盆に返らず」なんだけど・・・

 「後悔」を背負ってると、仕事は手に付かないし、マトモに考えることすら出来ない。
だから、私は、「今、この瞬間は忘れること」と自己暗示。
そうやって、「切り替え」しないと、今日をマトモに生きられない。

 もちろん、忘れられないほどの「後悔」だから、今を過ぎれば、また「後悔」し始める。 それは仕方ないこと。事実なんだから。現実を受け入れるしかない。
 でも、「忘れる」自己暗示を繰り返していくと、次第に痛みが和らいでいくのも事実。 どうやら、人間の脳は、都合の悪い記憶を、勝手に塗り替えていくらしい。 どんな大失敗でも、10年、20年経ってしまうと、チクリと痛く程度になっていく・・・

今を大切に

 本書を読んでいて、イイな、と思ったのは、「あの時、こうしていれば」と後悔するのではなく、『あの時、別の選択をしてたら、もっと大変になっていたはず・・・』と考えるところ。 「下向きの反実仮想的思考」と言うらしいが、これはやってなかった。 早速、使ってみよう。 
 聖書にある「神様は乗り越えられる試練しか与えない」というような主旨の話をよく聞くけど、それよりも、ポジティブな感じ。

 いつだって、真摯に生きていく。
だけど、失敗や間違いだって起きてしまう。それは仕方ないこと。
反省して、後悔する。それしかない。
それでも、生きてる限り、今出来ることを、誠意を持って最善を尽くす。

 本書では、前半で「後悔の正体」を解き明かし、後半で「後悔への寄り添い方」を伝授してくれる。
 読んでみると、なるほど、と思うことばかり。

もっと若い頃に、本書に、出会っていたかった。
 本書の一端でも知ってれば、私の人生も少しは違っていたかな。 
こんなところで「後悔」してもしょうがないけど。

                            (敬称略)

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