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一緒に未来を考えるメソッドーー宮本道人、難波優輝、大澤博隆『SFプロトタイピング SFからイノベーションを生み出す新戦略』早川書房
SFプロトタイピングで作られるプロトタイプ(試作品)にはガジェット、キャラクター、プロットの3つがあり、これらから未来を具体的に想像=創造することができる。 重要なのは独創的なSF的ガジェットを発明することよりも「他者と未来像を議論・共有する」ことにある。本書はSFプロトタイピングを、主に企業からの依頼を受けて実践してきた人たちが、いくつかの実践事例を紹介しながらその効用を説くものだ。ワークショップやってナンボである。そのアイディアがSF作品としてどう価値があるかよりも、具
語りたくない語りにくいことを丁寧に語る――杉田俊介『マジョリティ男性にとってまっとうさとは何か #MeTooに加われない男たち』(集英社新書)
筆者の前著『非モテの品格』に続く男性論2冊目。フェミニズム、ジェンダー、クィア、メンズリブなどの理論書を参照し男性論、男性学、メンズリブの現在地点を照射しつつ、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『トイストーリー4』『ジョーカー』などここ10年以内に話題になった映画を男性性という観点から批評もしている。理論&批評の書。 タイトルにもある「マジョリティ男性」と「まっとうさ」を、丁寧に語っていく。必要なのは根気強さだ。 「男女差別は今や過去のものとなり、本当のマイノリティ/