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読書記録54,55『あんじゅう三島屋変調百物語事続』/『おそろし三島屋変調百物語事始』

宮部みゆき
『あんじゅう三島屋変調百物語事続』/
『おそろし三島屋変調百物語事始』
(中央公論新社 2010年/株式会社新人物往来社2010年)

くろすけがかわいい。


宮部みゆきはあまり読んだことがなく、時代小説のイメージが全くと言ってなかった。
大学生の時に同級生が狂ったように読んでいて(ラグビー部のYは、授業中も「火車」を読んでいた…。面白過ぎて読むのがもう止められないって笑)私も「RPG」「ブレイブストーリー」ぐらいは読んだ気がする。

三島屋変調百物語シリーズ
主人公は17歳のおちか。実家で起きた事件をきっかけに親元を離れ、江戸で袋物屋・三島屋を営む叔父夫婦の元で暮らすようになった。
叔父の意向によって三島屋を訪れる人々の不思議話をおちかが聴き手となることによって物語は展開していく。
宮部みゆき自身が怪談作家として、ライフワークとして取り組んでいる作品だそうだ。

昔話や落語、民俗学、文化人類学にも興味があるので1つ1つの話がとても面白い。(ネタになった参考文献を知りたい。)
人の想い(情、恨み、苦しみ、やさしさ)が不思議なできごとの背後にあって、短編でありながら連作となって登場人物やエピソードがつながっていく。
百物語を聞いていく主人公が成長したり、精神的に立ち直っていく人と人との不思議な縁のようなものを描いていると思う。(不思議というか、それが本来人と人との関わりですよね)
ぞわっとさせられるものや、あったかくなるような話。テイストの違いが本当に落語のよう。

読了したのは第1弾「おそろし」第2弾「あんじゅう」の2巻だけ。

「おそろし」の方は、ぞわっとさせられる話が多かった気がする。テイストは怪談、ホラーな印象。

「あんじゅう」は、より人間にフォーカスしたような作品。古典落語のような描写が強い印象。

どちらも、主人公おちかが百物語で出会った「もの」(=人であったり物の怪だったり)たちが助けてくれるラストとなっている。

「おそろし」のラストは、ラスボスに向かう時にいままで関わった物の怪が集結して主人公を守るといったようなオールスター集合。
少年ジャンプ&アヴェンジャーズ感笑、びっくりするような結末でした。

それよりは、「あんじゅう」のようなホラーでありながら一番怖いのは人間であるといった描写のほうが私自身の好みなのかなと。

第3弾「泣き童子 三島屋変調百物語参之続」も読むのが楽しみだ。


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