同時代に読めた幸せ『天上大風』堀田善衛

同時代に読めた幸せ『天上大風』堀田善衛

 このエッセイ集は、筑摩書房のPR誌『ちくま』に連載されたエッセイを編んだものである。何冊かになったのだが、『天上大風』と言う題がついて、1冊の大著となった。もう発売と同時に永久保存版のつもりで買った。『ちくま』連載時に、読み続けて来た自分にとって、堀田氏の賢察と文章は、当時の世相や世界を切り取り、どう捉えるかを教えてくれた連載だった。  のちに、この大著を選集としたちくま文庫版の『天上大風』も発売されたので、直ぐに購入したのは、言うまでもない。大著を本棚から出すことに疲れ

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資本主義を否定する「無駄遣い」の論理とは?『呪われた部分 有用性の限界』

資本主義を否定する「無駄遣い」の論理とは?『呪われた部分 有用性の限界』

『呪われた部分 有用性の限界』は、無駄遣いを通して新しい価値を提供するビジネス書です。 「栄誉:過剰に浪費することによって発生する効果」「有用な行動は、それだけでは無価値なものである」「獲得:手にいれたものを失うことを目的としている」など、浪費に対する現在の価値観を否定します。 特に「贈与:相手に屈辱を感じさせ、挑戦し、債務を負わせることを目的としている」は、贈与を債務とする価値観を示しています。 「贈与された者:屈辱を晴らす→債務を返済する必要がある」とあるように、贈与には

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毎日読書メモ(134)岸政彦編『東京の生活史』到着記念! わたしの思い出の中の大きな本

毎日読書メモ(134)岸政彦編『東京の生活史』到着記念! わたしの思い出の中の大きな本

ついカッとなって、岸政彦編『東京の生活史』(筑摩書房)をポチってしまった。本日到着。二段組、1216ページ。表紙を広げたりしなくてもぴっと立ちます(ハードカバーだし)。いつ読めるのかな、これ...。来年の目標は『東京の生活史』を積ん読にしない、だ<来年かよ。 書店で貰ってきたリーフレット(digest book)の表紙を紹介。 1216頁に折り込まれた150万字の生活史の海。いまを生きるひとびとの膨大な語りを一冊に収録した、かつてないスケールで編まれたインタビュー集。

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毎日読書メモ(122)『パブロ・カザルス 鳥の歌』(ジュリアン・ロイド・ウェッバー)もう1回

毎日読書メモ(122)『パブロ・カザルス 鳥の歌』(ジュリアン・ロイド・ウェッバー)もう1回

既に毎日読書メモでカザルスの発言集『鳥の歌』(ちくま文庫)の感想書いていたのだが(ここ)、別バージョンの感想が出てきたので、あげておきます。 スペインから帰ってきてから、本棚を見ていて、なんでカタロニアに行く前にこの本再読しておかなかっただろう、と思いつつ、『パブロ・カザルス 鳥の歌』(ジュリアン・ロイド・ウェッバー編、池田香代子訳、筑摩書房)を21年ぶりに読む。 なんで21年ぶり、とわかるかというと、パソコン通信を始めた直後に、FCLAで知り合ったAさんにこの本を勧められ

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煩悩とちくま新書

煩悩とちくま新書

またまた、わが家の書架の一部です。 ちくま新書が並んでいる棚を撮りました。 数えてみたら、ちょうど108冊ありました。108って煩悩の数と一緒ですね。 数えたときにちょうど108あるなんて、なにかの予兆か暗示なのでしょうか。 とはいえ、四つの区画に並べているのですが、四つ目の区画があと数冊でいっぱいになってしまいます。そうなったら、また棚の整理、並べ直しをしないといけませんね。 https://www.rockfield.net/wp/?p=2207

『「暮し」のファシズム ─戦争は「新しい生活様式」の顔をしてやってきた』 大塚英志 筑摩書房 2021.03.15 日本 20210926

『「暮し」のファシズム ─戦争は「新しい生活様式」の顔をしてやってきた』 大塚英志 筑摩書房 2021.03.15 日本 20210926

https://www.tokyo-np.co.jp/article/102866 「暮し」のファシズム 戦争は「新しい生活様式」の顔をしてやってきた 大塚英志著:東京新聞 TOKYO Web http://www.webchikuma.jp/articles/-/2357 コロナ禍でも利用される「暮し」への祈り|筑摩選書|青柳 美帆子|webちくま https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480017253/ 筑摩書房 「暮

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情理を尽くすコンサルティング
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情理を尽くすコンサルティング

樋口恭介『未来は予測するものではなく創造するものである』を読んでいます。 上司はわたしに、「ヒアリングするときは、どこに時間がかかってるかとか、作業手順はどうなっているかとか、定量的な指標だけじゃなくて、どこが大変かとか、どこがやってて苦痛に感じるかとか、定性的なことや感情的なこと、感覚的なことも訊かないとダメなんだ」と言いました。 コストを削減したり、業務を効率化したりしても、作業者が大変だと思ってるところや苦痛だと感じてるところが残っていたら意味がないんだよ。 だから

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◆ 気になった本 124

◆ 気になった本 124

「絶滅危惧個人商店」 (井上理津子 筑摩書房 9784480818560) 何かを買う その「買う」行為はなんだか嬉しいものだ 支払うお金と引き換えに 何かが自分のものになるから 手に入れた充足感というか満足感というか... まぁ それは スーパーで買おうが ネットで注文して配達されようが そう大きく変わらない その「買物」で最もインチメントな関係があらわれるのが 個人商店での買物 「これ」を買ってくれる人を想像し仕入れ値付けし 「これ」の価値を認め 狙い通りの価格で買って

『対人距離がわからない ――どうしてあの人はうまくいくのか?』

『対人距離がわからない ――どうしてあの人はうまくいくのか?』

『対人距離がわからない ――どうしてあの人はうまくいくのか?』 著者:岡田尊司 出版社:筑摩書房(ちくま新書) 発行年:2018年6月10日 --------------------------------------------------------  内容紹介より。  人には、それぞれのほどよい対人距離があり、それはパーソナリティ、愛着スタイル、感覚特性、発達特性などにより決まる。中には初対面でもすぐ親密になれる人や、親密さをうまく演出し利用する人もいる。親

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コンサルタント〈口調〉が、鼻につく。
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コンサルタント〈口調〉が、鼻につく。

書評:樋口恭介『未来は予測するものではなく創造するものである ――考える自由を取り戻すための〈SF思考〉』(筑摩書房) うっかり「SF評論」書だと勘違いして購入したのだが、本書はまぎれもなく「ビジネス書」である。 私はそれなりに読書家を自認している者だが、ビジネス書は読んだことがなかったし、さらにはサラリーマン小説、会社小説の類も好きではなく、ほとんど読んでいない。端的に「ビジネス」だの「イノベーション」だの「how-to」だのいったものが、嫌いなのである。 そんなものを

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