霜先麻李

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本の中の世界の人と再会する

俵万智さんの「青の国 うたの国」という本を読了しました。   この本は、詩人の俵万智さんが、宮崎で暮らした(今は仙台在住)素晴らしき日々をエッセイと短歌で綴った、洒脱な一冊ですが、その中で、「なぜ愛の不時着を何度も見たいのか」について語ったくだりがありました。 最近、銀河英雄伝説「野望編」を再読しています。夏頃に、本編全10巻のうち、残りの9巻は再読終了したのですが、第2巻にあたる「野望編」だけは家の中で行方不明になっていたのですが、最近、引っ越しに向けて整理している過程

    • 一人沈み込む休日の沼の前で決意表明

       僕のように意志が弱い人間は、自然体に任せておくと、一人で家にいる休日はどんどん堕落していきます。しょうもないことに時間を費消し、昼寝などもガッツリしてしまいます。  休日に家族がいると、ある程度の規律がはたらき、また、家にいると自分の時間がこま切れにされたり、使われたりしてしまうことから、早朝からコワーキングスペースに籠るようになり、限られた持ち物で、周囲にそこはかとなく他人がいて、それぞれが目的意識を持って何かに取り組んでいる雰囲気の中、僕も学びや書き物、考え事に専念で

      • 今読み返すとすごいラインナップの現国

         昨日は家族が誰もいなかったので、一人で書棚の本とストッカーの資料や本を整理していました。  大幅削減を目指してひっくり返しましたが、結局、どれも思い出があって捨てるに忍びず、大半は整理したうえで残すことになりました。  これまでの処分のたびに、生き残ってきたものに、高校3年のときの、筑摩書房発行の現国の教科書があります。  おそらく、高校3年のときの教科書なので、受験勉強でそれどころではなく、あまり記憶に残っていないかと思いきや、「そうそう、これ教科書で初めて読んだんだ」と

        • 自分の茶室に相手を講じ入れる

           このところ、仕事の関係で、第三者委員会や訴訟支援をお願いしている弁護士や大学教授、国の法案作成に携わる法務の専門職といったような、若いころ法律の世界に入り、長きにわたって法律を武器や防具として使いこなしてきた人たちと、意見交換をする機会が増えてきています。  僕なりに、面談相手のことについて、これまで発表してきた論文とか、どういう分野の法制度に通暁しているか、これまでどのような経歴を歩んできたのか、といったことを下調べして、意見交換には臨むのですが、 当然ながら、法務の知

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        本の中の世界の人と再会する

          自分の現在価値から遡及評価される

           学校の卒業アルバムというのは、もらった後は、だいたい実家に置きっぱなしであり、実家で見返すこともなく、子どもがそのステージに来た時に、ああ、そういえばと、僕自身のものを見返して、当時の記憶を呼び覚ましています。  呼び覚ます記憶は、うすぼんやりと靄がかかっている状態であれば、そんなに悪いものではないですが、掘り返すと多くは黒歴史で、それも高校→中学校→小学校と進むほど、黒歴史の度合いが強くなっていきます。  とはいえ、結果的に、ギリギリのところでステップアップできたこと

          自分の現在価値から遡及評価される

          餅は餅屋

           5月に入りました。  年越しを母と過ごし、僕が年越しそばをつくったのが、つい昨日のことのような気がします。  5月は連休もあって肌感覚として早く通過するでしょうから、それと対比しての休日のない6月の梅雨時の長いロードを超えると、もう後半戦。歳月の過ぎるのは早いものです。  今の法務部門は、僕は若い時の経験がなく、したがって個々の業務を担当しているスタッフが抱える苦労を知りません。  それぞれのスタッフは担当するセクションや業務が割り振られており、担当だけで見えている

          餅は餅屋

          中二的充実感の生徒会活動

           最初は全然違う話を。  昨日は西村賢太の「苦役列車」を読み終えました。  これ、社会の底辺で生きる、学歴も金も品位もない若い男が、日雇い労働さえ満足にできず、そこで出会う、自分より多くのものを持つ人間のことを羨み、毒を吐いて人を遠ざける、なんとも救いようがない生き様を書いた作品です。男の性欲って、誰もが人に隠して強いこだわりを持つ領域であり、そこを赤裸々に描いているあたりの、身もふたもない感も、半端ない背徳感を覚えます。  体裁を捨てた私小説といった風情でしょうか。捨て

          中二的充実感の生徒会活動

          夏の日の着こなしにチャレンジ

           昨日は朝から天気も良く気温も上がっていたので、前日とは装いをあらたに、夏らしい着こなしにチャレンジしてみました。  僕の職場はスーツにネクタイの、ガチガチのドレスコードではないのですが、それでも立場が上になると、それなりの立場の人が来訪することもあり、若いころのようにポロシャツにチノパンというわけにはいかず、ワイシャツをポリエステル主体の生地に変えたり、ジャケットを夏使用のセットアップものに変えたりして、ネクタイは外す、そのへんまででしょうか。  ただ、この職場の幅の狭

          夏の日の着こなしにチャレンジ

          評価と報酬と身分保障のバランス

           僕の属している会社の場合は、個別の社員の業務に対する貢献、マネジメント能力、ファシリテート能力といったところで、人事評価はそれなりに機能しているものの、それはまずは、昇進昇格のところで反映しています。  一方で、報酬というか、端的に言えば給料を上げるという部分は、昇進昇格による給与格差がそれほど開かない給与体系にあり、昇進昇格及び、やりがいといったところで組織において一定の敬意を持たれながら働けることや、質の高い情報や業務に関与できることの満足度を上げることで、お金は二の

          評価と報酬と身分保障のバランス

          「余人を持って代えがたい」思考は危うい

           昨日の夕方、3月まで僕が部門長をやっていた職場の人が、前の仕事の関係で相談に来ました。  その相談自体も、出向人事のポストにかかわる案件で、それ自体、出向先の他社とのパワーバランスを変更し、うちの会社の責任が重くなるような話であり、その職責に担った人材を送り込むにせよ、出向先の提示している報酬では不十分で、責任分担を協議しつつ、報酬の引き上げを求めるべきという、なかなか機微に関わるアドバイスをしました。  その後、現在、前の部門が抱える事案を聞いたのですが、いくつもの事

          「余人を持って代えがたい」思考は危うい

          帰宅部

           急に暑くなってきました。また暑い夏がやってくると思うと、気が滅入りますね。自分もそうですけど、母の住まいの強い西陽問題が再燃し、一刻も早く引っ越したいコールがはじまるだろうなと思います。  中学に入った下の子どもが、どうも部活には入らずに何となく帰宅部に流れるような感じです。転校に近いかたちで入学したので、部活にでも入り少しでも友達を増やすきっかけになればと思いましたが、そのへん、友達ができたのかわかりませんが、学校には特に不満もなく通っている感じです。  なので、帰宅

          完全食生活一色の話を聞いて

           昨日ネットニュースで見ていたら、30代の男性が6年間、1日2回の完全食で生活しており、健康診断もCの項目が一つあるだけだという記事が載っていました。  この完全食は、粉末を溶かして飲むようなもので、本人曰く、それでもおなかにはたまるので空腹感を抱えることはないようです。  また、準備も含めた食事に費やす時間を最小化することで、学びに時間をかけることができるようになっているとそうです。  たしかに、食事を準備から片付けまで行うと、朝でも30分近くかかります。僕は完全食の

          完全食生活一色の話を聞いて

          現場に任せる

           先日録画しておいたNHKの「映像の世紀バタフライエフェクト」を視聴しました。  映像の世紀は、僕の好きな番組の一つで、ずいぶん前から、繰り返し放映されていて、何となく見たことがあるような回でも、つい最後まで視聴してしまいます。  今回は、史上最大の作戦・ノルマンディー上陸についての内容でした。  上陸にあたり、第一弾となって突入した連合軍の部隊は、身を隠すことのできない海岸を突進し、次々と陸上にから攻撃するドイツ軍にうち倒され、多大な犠牲を払いながら、少しずつ前進し、つ

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          メンタル休暇時の復帰戦略を2000字で振り返る

           前の職場で一緒に仕事をしていた人が、精神的に追い詰められてメンタルを理由とする休暇に入ったことを聞きました。  この人は部門の序列ではナンバー2の位置にあり、僕がトップであった3月までは、特命の業務を担当してもらっていましたが、4月からは最大、部門の業務の半分を仕切ってもらおうと考えていました。  ただ、業務分担は、部門トップの仕切る専管領域、ナンバー2の仕切る専管領域、そしてナンバー2に基本、仕切ってもらうことを想定しているけれど、状況によっては部門トップが仕切ること

          メンタル休暇時の復帰戦略を2000字で振り返る

          価値提供、さまざまなかたち

           このところは10時から11時の間に就寝し、午前1時に起きて記事を書き、少し用事を済ませて3時前に再び就寝、4時半に目を覚まし5時過ぎに朝食というパターンが定着しています。  だいぶ変則的なんですが、昼前に仮眠を少し取れれば、日中の活動に支障を来さないので、これはこれで今の僕の生活スタイルとして受けようかなと思います。  さて、このところはさまざまな場面において、自分なりに価値提供することを心掛けています。  僕が個人で商売をしていれば、売り物であるサービスや商品の価値

          価値提供、さまざまなかたち

          バス減便は既に起こった未来

           全国各地で路線バスの減便が相次いでいます。  構造としては、 少子化による生産年齢人口の減少により、社会全体で人手不足が深刻化しているところ ■バス業界については長時間拘束が当たり前で、テレワークとは無縁の環境にあること ■感染症拡大による利用者落ち込みに対応して便数を大幅に減便せざるを得なくなり、新規採用できなくても困らない状況になってしまったこと ■運輸業界の労働環境改善を図るための国の規制強化(いわゆる2024年問題)により、結果的に人手不足が加速されることにな

          バス減便は既に起こった未来