sparrow tears

ラブコメディ研究家。紙の書籍が好き。noteの執筆テーマは、ラブコメ・書籍の感想・時事…

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ラブコメディ研究家。紙の書籍が好き。noteの執筆テーマは、ラブコメ・書籍の感想・時事ネタなど。 感想はアジア圏のラブコメ率多め。 sparrow.tears0033@gmail.com

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  • アジア圏のラブコメディ

    アジア圏のラブコメディについての記事をまとめました。

  • 社会の端から見える社会

    社会・家族・地域・子育てについて考えたことをつづっています。

  • 推しのいる生活

    国内外で活躍する素敵な人たちについて。

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【中国ドラマ】時代劇にぶちこまれた生理シーンが印象的すぎた

中国の現代恋愛ドラマを見続けているが、よく見かけるのが、女性主人公が突然生理になる、というシーンである。 予期せぬ生理に困り果てたり、服を汚してしまったり、生理痛で顔をしかめたりしているところに、理解ある男性の主人公がタイミングよく登場し、ケアする場面をよく見かける。 「女性の体の周期を理解して、寄り添う」ことが、男性に求められていることの表れなのだろうか?……などと思って流し見していたが、つい最近、生理がらみで想像を超えるシーンに遭遇した。 【烬相思 The I

    • 角野栄子の伝説のデビュー作『ルイジンニョ少年』で胸が震えた

      『魔女の宅急便』や『アッチ・コッチ・ソッチの小さなおばけシリーズ』など、数々の名作を世に送り出してきた童話作家の角野栄子(かどのえいこ)さん。 54年前に「かどのえいこ」の名前で書かれた幻のデビュー作が復刊されているのをご存じだろうか。 ポプラ社の『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』という作品だ。 同著には、20代のころにブラジルに2年間暮らしたことがある角野さんの体験が散りばめられている。 ブラジルの空気感がプロジェクションマッピングのように脳裏に投影され

      • 大人気ドラマ『涙の女王』に欠如。夫婦関係の描写に必須の「日常のわびさび」【韓国ドラマ】

        韓国ドラマの『涙の女王』(Netflixで配信中)の最終話が配信された。日本では配信スタート後、常にNetflixのドラマランキングに入っている人気ドラマだ。 このドラマは、冷え切った仲の夫婦が再び愛を確かめ合う物語。 主役カップルの演技がとにかく素晴らしく、男主(キム・スヒョン)のとめどなく流れる涙も、女主(キム・ジウォン)の一筋の涙も美しく、視聴者を物語へといざなう。 難病、美しいが高慢な女主、わかりやすい悪役、がさつで気のいい田舎の人、いけすかない都会の資本家一

        • 戦隊シリーズ出演→BL主演までのスパンが短期化している件

          私がラブコメディを好きなのは、人と人の思いが通うプロセスに癒されるからである。 国内ドラマも海外ドラマも、男女の恋愛ドラマも、同じ性別の恋愛ドラマも、ドラマのみならず小説、アニメ、漫画となんでも試してきた。 他人の笑顔1つで感情の乱高下を引き起こすラブの物語にボーダーはない。 といいつつも、今回は、自称「ラブコメ・リベラル派」の私が戸惑っていることをつづる。 昨今、日本のドラマ市場でBLドラマの製作本数が増加傾向にある。 BLドラマの規制がある中華圏では日

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          藤井風『Tiny Desk Concerts JAPAN』コメント欄の「世界は1つ」感がすごい

          3月にNHKで放映された藤井風の『Tiny Desk Concerts JAPAN』のライブ映像が、本家NPR MusicのYoutubeチャンネルにアップされた。 内容の素晴らしさは、たくさんの評論家が語ってくださっていると思うので、動画のコメント欄の話をしたい。 コメント欄をスクロールしてみると、多言語でコメントが書き込まれている。 内容は、称賛、多幸感、感動、傑作を目の当たりにした驚き、私と藤井風、発見した興奮、過去の記憶など。 別々の文化圏に住んでいる

          藤井風『Tiny Desk Concerts JAPAN』コメント欄の「世界は1つ」感がすごい

          中国ドラマは「過干渉な母親」の登場率がなぜ、高いのか?人気ドラマ『承欢记』を見て考える

          「ヘリコプターペアレント」は、いつも子どもの近くでヘリコプターのようにホバリングして、あれこれ口を出す過干渉な親を表す言葉だ。 中国の現代ドラマを数多く見ているが、成人している主人公の母親が「ヘリコプターペアレント」の頻度が高い(ときどき父親も)ように感じる。ドラマに癒しを求めている私は、母親登場シーンで嫌気がさして、視聴を離脱することもある。 先週スタートした中国の話題ドラマ『承欢记』をゆるゆると見始めたのだが、母親のキャラが、まあ強烈。 【承欢记1話 (杨紫(ヤ

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          ワン・イーボー(王一博)が日本の小説に初登場!?『パッキパキ北京』めちゃおもろい【読書感想文】

          綿矢りさの小説『パッキパキ北京』(集英社)は、年度替わりのバッタバタの生活で疲弊した心に効いた。 「癒す」でも「ほっこり」でもない。「何か楽しいこと、したい!!」という前向きな読後感をもたらす。 主人公は、自分の欲望に正直。フレネミー(友人の顔をした敵)のマウントも、不測の事態にも動じない。 そんな主人公が、コロナ禍後期の中国に駐在中の夫に呼び寄せられる。 夫は、ハイキャリアな雰囲気で、文学の素養があり、中国文化に詳しい。だが、異文化にはなじめておらず、疲弊し

          ワン・イーボー(王一博)が日本の小説に初登場!?『パッキパキ北京』めちゃおもろい【読書感想文】

          『自分以外全員他人』を読みながら加藤諦三のポッドキャストを聴いたら、脳がオーバーヒートした【読書感想文】

          太宰治賞を受賞した小説『自分以外全員他人』。 タイトルのままに解釈すると、自分と自分以外の人間に一線を引いて、家族さえも「他人」と断ずる物語のように思えるかもしれない。 しかし、読み進めていくと、その真逆であることが浮かび上がっていく。 主人公は真面目に、まっとうに、人に迷惑をかけずに生活している。 だが、人間関係にも将来にも希望を見出せず、仕事でも私生活でも「喜」「楽」といったポジティブな感情とは無縁の暮らしを送る。一方、人に迷惑をかけている人をみると「怒

          『自分以外全員他人』を読みながら加藤諦三のポッドキャストを聴いたら、脳がオーバーヒートした【読書感想文】

          【中国ドラマ】リンイー(林一)が『别对我动心』でオロオロする姿に見惚れる

          動画プラットフォームYoukuで1日1話ずつ配信中の中国ドラマ『别对我动心』(英題:Everyone loves me)が夜の楽しみになっている。 男主が、少女漫画から飛び出してきたような等身の「林一(リンイー)」だし、去年ハマった『偷偷藏不住』の監督の作品だったので見始めた。 【别对我动心(1~2話のみYoutubeで配信中)】 最初の数話は、ネットゲームと現実世界を行ったり来たりする設定にあまり共感できず、流し見していた。 ところが、良い意味で予想を裏切られ

          【中国ドラマ】リンイー(林一)が『别对我动心』でオロオロする姿に見惚れる

          「セクシー」と「ダンス」と「非日常」

          十代の頃、南米の踊りをしていた。抑圧された感情を解き放つ、鼓動のようなリズムが好きだった。今は消えた素人の写真投稿雑誌で、その踊りのコスチュームの接写特集があるらしいと聞いたときには、いろんな眼差しを実感してゾクっとした。 ライフステージが変わった今も、1年に1度くらい、人の前で南西の国の踊りをしている。誰かのためでなく、日々の些細な楽しみを少しずつ集めて生きる糧にするために。「痛々しい」と思われようが思われようが、そうせずにはいられないから踊る。 非日常から日常に戻れ

          「セクシー」と「ダンス」と「非日常」

          【中国ドラマ】「利」と「情」のはざまで揺れ動く描写が秀逸!龚俊(ゴンジュン)主演ドラマ『我要逆风去』

          今をときめく華流俳優、龚俊(ゴンジュン)主演の『我要逆风去』(英題:Rising With the Wind)をiQIYIで見終えた。 伝統ある靴メーカーの経営者の娘が絶望のふちに立たされるが、投資家のサポートを受け、信頼できる人を増やしながらはいあがっていくストーリーだ。 【我要逆风去 第1話(3話以降はiQIYIで配信/全40話】 ゴンジュン目当てで昨年秋の配信スタートとともに視聴を始めたのだが、しばらく視聴を中断していた。 回を追うごとに女主・钟楚曦(チョン

          【中国ドラマ】「利」と「情」のはざまで揺れ動く描写が秀逸!龚俊(ゴンジュン)主演ドラマ『我要逆风去』

          最近、韓国の恋愛ドラマがちょっとマンネリしてる件

          2023年後半~2024年1月期の韓国の恋愛ドラマは「えっ、またこのパターン!?」というケースが特に多かった。 例えば、つい最近、女主人公が絶命した瞬間に過去に戻り「人生をやり直して、復讐する」という新作ドラマを立て続けに目撃した。 1つめは、U-NEXTで配信済の『完璧な結婚のお手本』(2023年10月~) 2つめは、Amazon Primeで配信中の『私の夫と結婚して』(2024年1月~) 後者はまだ完結していないが、いずれも1度目の人生の恨みを晴らし、別の人

          最近、韓国の恋愛ドラマがちょっとマンネリしてる件

          【読書感想文】コメンテーターってなんだ?と考えさせられる『孤闘 三浦瑠麗裁判1345日』

          突然だが、この数か月間で私が見聞きしたことがらを脈絡なく並べてみる。 ※ 博士号を取得して数年後、理系の研究者となった熱意ある人と話していたら「この職に就けたのは運とタイミング。ポスドク時代は出口のないトンネルにいるみたいだった」と語っていた ※ 仕事現場の人が「この国では文系の研究をしながら稼ぐのは大変だ」と愚痴っていた。 ※ 文系の大学院出身の「研究者」の言論のトーンがある時点から攻撃的になった。以来、一部界隈から熱狂的ファンを得ている。

          【読書感想文】コメンテーターってなんだ?と考えさせられる『孤闘 三浦瑠麗裁判1345日』

          【中国ドラマ】日本のトレンディドラマの香りがするシューカイチェン新ドラマ『恋恋红尘』

          華流俳優、徐开骋(シュー・カイチェン)主演の中国ラブコメ『恋恋红尘』(Got a Crush on you)が配信中。 テンセントの公式YouTubeチャネルで、1週間に3~4話ずつ無料公開されているので、夜、ゆるゆると視聴している。(追記:すでに4話以降は非公開になっている) 縁あって顔見知りになった2人が偶然にあちこちで出くわすので「なんでいつもアンタと会うのよ!?」……みたいなところから物語がスタートする。 このドラマでは、登場人物がみんな片思いに浮かれていて

          【中国ドラマ】日本のトレンディドラマの香りがするシューカイチェン新ドラマ『恋恋红尘』

          日本人に刺さりまくる翻訳小説『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』で喜怒哀楽が振り切れた【2023年ベスト小説】

          今回ご紹介する小説『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』の帯に書かれた日本語のキャッチコピーは「ゲーム制作に青春をかけた男女の友情の物語」。 はっきり言って、陳腐だと思った。が、読み終えたらそんな気持ちは霧消した。 だって、文化、エンタメ、友情、哲学、愛、性愛、成熟、マイノリティ、ビジネスのエッセンスを黄金比で調理したこの小説にベストなキャッチコピーなんてつけられない。 作家、ガブリエル・ゼヴィンのバランス感覚に恐れ入る。 私がこの本を手にとったき

          日本人に刺さりまくる翻訳小説『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー』で喜怒哀楽が振り切れた【2023年ベスト小説】

          【読書感想文】韓国発『主婦である私がマルクスの「資本論」を読んだら』の最終章でクソ泣いた

          少し前、日本の首相が「経済!経済!経済!」と連呼していた。 いわく「経済は一丁目一番地」だそうだ。 でも、ほとんどの国民はもう気づいている。 彼らのいう「経済」がひどく狭い意味であることを。 例えば、私の母が介護施設で利用者を楽しませるために自宅で寝る間を惜しんでレクリエーションのアイディアを練るプロセスは、彼らの考える経済に含まれていない。 家族を看病したり、吐しゃ物や排泄物を掃除したりして、感情をフル稼働する労力は経済にきっと含まれていない。 少子高齢化

          【読書感想文】韓国発『主婦である私がマルクスの「資本論」を読んだら』の最終章でクソ泣いた