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藤井風スタジアムライブ「抽選システムの下では、みな平等」感がすごい

この1年、私はチケットアプリの『E-PLUS(イープラス)』を利用して、海外・国内アーティストのライブに何度か足を運んだ。チケットを取ってくれた友人から分配されたり、私がチケットを取って同行者に分配したりしてきた。
 
それらのライブと比べると、藤井のライブチケット販売における「ぜったいぜったい、転売させねえ!」というメッセージの強さったらない。
 
先日、『E-PLUS』から藤井風の8月のスタジアムライブの2枚のチケットを申し込んだが、一次、二次に申し込んで2度落選した。SNSの反応から推察すると、おそらく倍率は相当高い。
 
落選は残念だったが、いろいろな気づきがあったので、ここに書き記しておく。
 
まず、藤井風はチケット獲得が有利になる有料のファンクラブ会員制度は一切ない。無料のアプリのみだ。
 
よって、国内の申し込みは一斉にスタートした。
 
2人以上で申し込む場合、申し込み者に加えて、同行者の名前、電話番号、メールアドレスの登録が必須。その際、たとえば同行者がメールアドレスだけ変えて2つ以上のアカウントを持っていたりすると、申し込みを完了できない仕組みになっていたようだ。
 
私は申込時、スマホ動作よりもパソコン動作のほうがスムーズだと思い、パソコンでログインして必要事項を入力したが、いっこうに申し込みのボタンを押せず、パソコンからの申し込みができない仕組みなのだと気付いた。
 
以上を踏まえると「チケット購入のために、アカウントをたくさん作って、パソコンを20台使って申し込む」「架空の同行者のチケットを取る」ということはできないようになっているということになる。
 
チケット販売は、万人に開かれている。値段別の「VIP席」や「SS席」はない。「平等なシステムのもと、配られた席を受け取ってほしい」というメッセージも受け取った。
 
そんなこんなで、タイムラインには、落選した人の落胆の声はあれど、チケットシステムへの恨み節はほとんどない点は、本当に興味深い。
 
抽選に金の力が働く作為性は排除され、とことん無作為に選ばれるからだ。
 
昔からのファンであろうが、新しいファンであろうが、過去にいくらお金を使っていようが、ファンに序列はない。
 
そこで想起した。『Workin’ hard』のPVの最後に出てくる傘連判状を。
 
きっとファンは、円状の存在なのだと思う。そこに序列はなく、ライブに行った人も行かない人も藤井風さえも、その円の一員になっているし、たとえ行けくても、今日も明日も変わらず円の中に包摂されていて、出入りは自由なのだ。
 
チケットを得るための究極の「神の一手」はないが、当たるかどうかは「神のみぞ知る」のシステム、おもしろい。


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