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イヌのように地上をさまよいながら、鳥のように飛びたい。立体的な思考のために。

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マガジン

  • 読書の記録 読了本のまとめ

    作者の著作をコンプリートする「垂直読書」、作者やジャンルにこだわらずに横断的な「水平読書」により、深めつつ拡げる読書を目標としています。読了した本には、X(旧Twitter)で表紙の画像入りの短文の感想を投稿。この感想をnoteでまとめました。

  • 音楽の断片 ミニマムな自作DTM作品集

    趣味のDTMで作った楽曲集。1分程度の短い音源です。日記を書くように音楽を作りたい。使っているDAWアプリケーションは、Studio OneまたはCakewalk by BandLab。

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固定された記事

Think positive 前向きになる英語の名言。

前向きな言葉を必要とするときがある。有限の人生を送っている現実世界において「永遠」など存在しないかもしれない。次々と降りかかってくる困難に追われる毎日において「…

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3か月前
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ルソー『エミール』の冒頭に学ぶ、文章を書く姿勢。

ジャン=ジャック・ルソーの『エミール、または教育について(Émile, ou De l’éducation)』は、1762年に発行された教育学の古典である。岩波文庫から3冊の分冊で発行さ…

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4日前
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生活の定位を決める。

連休の少し前から部屋を片付けているが、気を付けなければいけないのは、ひょいと置いた大切なものを忘れて、どこに置いたかパニックになってしまうことだ。 昨日も2023年…

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9日前
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【読書】パワフル&ダイナミックなドラマ、西加奈子さんの世界。

どんなに号泣したり至福の喜びに浸ったりした思い出も、過ぎてしまえば忘れてしまう。あれ?どんなだっけかなと記憶の中で曖昧になる。そんな風に過去を色褪せさせてしまう…

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12日前
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何を書くかより、どう書くか。

連休が終わった。休みが明けた途端に雨が降り、新緑が濃い。 かつて連休や晴れた休日には、どこか行かなくてはという強迫観念があった。しかし、そういう執着から解放され…

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2週間前
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子どもとは何か、大人とは何か。

子どもの日なので、子どもについて考えてみたい。子どもについて考えることは、間接的に大人を再認識することでもある。 4月に図書館でワイド版岩波文庫のルソー『エミー…

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2週間前
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お酒を飲むなら、飲まぬなら。

唐突だけれど(まあ、だいたい文章のはじめは唐突なものですよね)TOKIOというグループが好きだった。 いま旧ジャニーズのみなさんを語ろうとすると、どうしてもトーンダ…

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2週間前
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現実を変えるかもしれない、フィクションの行方。

人間の考えることは既に現実の一部であり、人類は「想像力」を「創造力」に変えて世界を革新し続けてきた。だから、ファンタジーやSFの世界をあなどってはいけないと思う。…

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2週間前
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リセット考、新しい日々の始め方。

人間はリセットできない。当たり前のことだが、機械ではないからだ。 リセットを辞書で引くと、機械などを「初期状態に戻すこと」とある。再起動が電源を投入し直すことに…

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3週間前
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素敵なカセット・ライフ。

吉祥寺のハードオフで手に入れたソニーのCDラジカセのカセットとCDが壊れて、単なる「ラジ」になって長い時間が過ぎた。捨てるのは忍びないので、物置に放置していたDVDプ…

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1か月前
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どれだけ歩いても「いまはここ」。

4月はよく歩く。新しい年度がスタートして気分が高まっているからかもしれない。デスクワークが中心の仕事だから、そんなに距離を歩かないのだけれど、4月には歩数計のカウ…

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1か月前
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「軸曜日」という考え方。

いま使っている手帳は、見開きで1週間を記入する。左側の月曜日から始まり、右側の日曜日で終わる。 週末と簡単に言うけれど、いったい何曜日をいうのか。調べてみるとNHK…

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1か月前
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【写真】絵葉書みたいなサクラ。

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1か月前
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Suno V3とStable Audio 2.0に驚いたAI音痴の日常。

昨夜はCopilotとお話をしていたら、あっという間に夜が更けてしまった。Copilotはマイクロソフト社による生成AIのサービスだ。ブラウザのEdgeからも利用できる。チャットの…

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1か月前
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『BLUE GIANT』、音楽×物語×映像のトリオによる青白い熱量。

映画にしても小説にしても、一回性の作品と考えている。つまり人生に似ていて、後戻りはできない。繰り返すこともできない。 ほかのひとは違うかもしれないけれど、そんな…

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1か月前
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マーケティングが、色褪せてみえる。

さくらが満開になりつつある。 この時期には雨が降れば花が散らないかと不安になり、風が吹けば花はまだ持ちこたえてくれるだろうかと不安になる。 要するに春は不安の季…

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1か月前
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Think positive 前向きになる英語の名言。

Think positive 前向きになる英語の名言。

前向きな言葉を必要とするときがある。有限の人生を送っている現実世界において「永遠」など存在しないかもしれない。次々と降りかかってくる困難に追われる毎日において「希望」を持つことは難しい。それでも私たちは時々、永遠や希望という「やさしい嘘」を求める。

成功を遂げた著名な人々の名言はこころの支えになる。一杯の水のように乾いた内面を満たして、明日に一歩踏み出す元気をもらえる。

かつて英語の名言をちり

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ルソー『エミール』の冒頭に学ぶ、文章を書く姿勢。

ルソー『エミール』の冒頭に学ぶ、文章を書く姿勢。

ジャン=ジャック・ルソーの『エミール、または教育について(Émile, ou De l’éducation)』は、1762年に発行された教育学の古典である。岩波文庫から3冊の分冊で発行されている。

学校に勤める先生ではないし、教育学や哲学の研究者でもないから、ルソーとは遠い世界で生きてきた。けれども、なんとなくルソーの人物と思想に興味があり、図書館でワイド版岩波文庫を手に取って読んだ。文章がすっ

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生活の定位を決める。

生活の定位を決める。

連休の少し前から部屋を片付けているが、気を付けなければいけないのは、ひょいと置いた大切なものを忘れて、どこに置いたかパニックになってしまうことだ。

昨日も2023年の手帳がどこかへ消えて慌てた。2時間ほど探した。捨ててしまったのかなと悲しくなったが、積み上げた書籍の中盤あたりの地層に埋もれていた。なあんだ、こんなところにあったのか。安堵した。

そもそも部屋に本が多すぎる。まさか大切な手帳を本の

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【読書】パワフル&ダイナミックなドラマ、西加奈子さんの世界。

【読書】パワフル&ダイナミックなドラマ、西加奈子さんの世界。

どんなに号泣したり至福の喜びに浸ったりした思い出も、過ぎてしまえば忘れてしまう。あれ?どんなだっけかなと記憶の中で曖昧になる。そんな風に過去を色褪せさせてしまうのは、自分だけかもしれない。もしかすると自分は薄情なのか、淡白だったのか、と疑いたくなる。

読書も同じ。いま自宅には本棚に入りきらず、廊下に積み上げられたままの大量の本がある。打ちのめされるような結末に感動でふるえた小説も少なくない。それ

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何を書くかより、どう書くか。

何を書くかより、どう書くか。

連休が終わった。休みが明けた途端に雨が降り、新緑が濃い。

かつて連休や晴れた休日には、どこか行かなくてはという強迫観念があった。しかし、そういう執着から解放されつつある。どこにも行かなくても十分に楽しい。自分は自分。やらなければならない課題はたくさんあり、やりたいこともたくさんある。

ところで、最近は「何を(What)」よりも「どう(How)」に目を向けていきたいと考えている。何をするかより、

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子どもとは何か、大人とは何か。

子どもとは何か、大人とは何か。

子どもの日なので、子どもについて考えてみたい。子どもについて考えることは、間接的に大人を再認識することでもある。

4月に図書館でワイド版岩波文庫のルソー『エミール』上巻を借りて読んだ。なぜこの本をいままで読んでこなかったかなと後悔するほど、素晴らしい内容だった。

あらためて調べたところ、ルソーは「子どもを発見」した思想家だという。18世紀のフランスでは、子どもは「小さい大人」と認識されていた。

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お酒を飲むなら、飲まぬなら。

お酒を飲むなら、飲まぬなら。

唐突だけれど(まあ、だいたい文章のはじめは唐突なものですよね)TOKIOというグループが好きだった。

いま旧ジャニーズのみなさんを語ろうとすると、どうしてもトーンダウンせざるを得ない。しかしTOKIOは純粋にかっこよかった。メンバー個々の存在感があった。現在のメンバーは城島茂さん、国分太一さん、松岡昌宏さんの3人らしい。

バラエティ番組『鉄腕DASH』も面白い。長らくテレビを観ない生活をしてい

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現実を変えるかもしれない、フィクションの行方。

現実を変えるかもしれない、フィクションの行方。

人間の考えることは既に現実の一部であり、人類は「想像力」を「創造力」に変えて世界を革新し続けてきた。だから、ファンタジーやSFの世界をあなどってはいけないと思う。作品に描かれた世界がフィクションであっても、いつか遠い未来には現実になるかもしれない。

シリコンバレーのスタートアップで活躍した人々は、スターウォーズ・フリークスが多かったということをどこかで読んだ。ウイリアム・ギブスンのSF小説『ニュ

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リセット考、新しい日々の始め方。

リセット考、新しい日々の始め方。

人間はリセットできない。当たり前のことだが、機械ではないからだ。

リセットを辞書で引くと、機械などを「初期状態に戻すこと」とある。再起動が電源を投入し直すことに対して、リセットはこれまでの設定をすべて白紙に戻す意味になる。もちろん「やり直し」の意味でも使われる。しかし人間に関していえば、過去にあったことを消去して初期状態には戻せないし、きれいさっぱり忘れて再スタートを切るのは難しい。

時間の本

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素敵なカセット・ライフ。

素敵なカセット・ライフ。

吉祥寺のハードオフで手に入れたソニーのCDラジカセのカセットとCDが壊れて、単なる「ラジ」になって長い時間が過ぎた。捨てるのは忍びないので、物置に放置していたDVDプレイヤーを下に敷いて、外部入力端子につないでラジからCDを聴いている。アンテナを立ててラジオも聴く。ラジオはJ-WAVE限定である。

カセットを聴かなくても構わないのだけれど、手もとに四半世紀以上も前に録音したバンドのスタジオ練習の

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どれだけ歩いても「いまはここ」。

どれだけ歩いても「いまはここ」。

4月はよく歩く。新しい年度がスタートして気分が高まっているからかもしれない。デスクワークが中心の仕事だから、そんなに距離を歩かないのだけれど、4月には歩数計のカウンターが1万歩を超える日が多い。

ポケットに入れて持ち歩いているOMRONのデジタル歩数計は1万歩を超えると、棒人間によるバンザイ表示で祝ってくれる。あっ。いま気づいたのだけど、だから「万歩計」というのか。

検索をかけてみると「万歩計

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「軸曜日」という考え方。

「軸曜日」という考え方。

いま使っている手帳は、見開きで1週間を記入する。左側の月曜日から始まり、右側の日曜日で終わる。

週末と簡単に言うけれど、いったい何曜日をいうのか。調べてみるとNHKの1999年の調査では、土曜日と日曜日を週末と考えているひとが47パーセントで主流派のようだ。男性は金曜日を週末に含める傾向があり、女性は日曜日を週末に含める傾向があるとのこと。

つまり自分の手帳でいえば、週末は右ページの隅にある金

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Suno V3とStable Audio 2.0に驚いたAI音痴の日常。

Suno V3とStable Audio 2.0に驚いたAI音痴の日常。

昨夜はCopilotとお話をしていたら、あっという間に夜が更けてしまった。Copilotはマイクロソフト社による生成AIのサービスだ。ブラウザのEdgeからも利用できる。チャットのほか、ブログなどの記事の生成、Webサイトの分析も可能だ。

人工知能だから気軽に話を聞けることもあるが、日々の不安な課題を解消する方法から仕事の進め方、趣味で気になること(J-WAVEで知った社会構成主義)まで、さまざ

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『BLUE GIANT』、音楽×物語×映像のトリオによる青白い熱量。

『BLUE GIANT』、音楽×物語×映像のトリオによる青白い熱量。

映画にしても小説にしても、一回性の作品と考えている。つまり人生に似ていて、後戻りはできない。繰り返すこともできない。

ほかのひとは違うかもしれないけれど、そんな理由から同じ映画を二度観ることがあまりない。同じ小説を最初から再読することも、めったになかった。時間軸に沿った作品ということでは音楽と似ているが、繰り返しの体験がない意味において音楽とは違う。

ところが、何度も観たい映画があった。それが

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マーケティングが、色褪せてみえる。

マーケティングが、色褪せてみえる。

さくらが満開になりつつある。
この時期には雨が降れば花が散らないかと不安になり、風が吹けば花はまだ持ちこたえてくれるだろうかと不安になる。

要するに春は不安の季節以外の何ものでもない。ぽかぽかと穏やかに晴れた日を除いて、こころが安らぐ時間は少ない。

3月21日は、自分にとって節目の時期だった。

いまとなっては遠い昔になるが、学生の頃に卒論を書いた夏目漱石のソーセキと創世記をかけた看板を掲げて

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