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イヌのように地上をさまよいながら、鳥のように飛びたい。立体的な思考のために。

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マガジン

  • 読書の記録 読了本のまとめ

    作者の著作をコンプリートする「垂直読書」、作者やジャンルにこだわらずに横断的な「水平読書」により、深めつつ拡げる読書を目標としています。読了した本には、X(旧Twitter)で表紙の画像入りの短文の感想を投稿。この感想をnoteでまとめました。

  • 音楽の断片 ミニマムな自作DTM作品集

    趣味のDTMで作った楽曲集。1分程度の短い音源です。日記を書くように音楽を作りたい。使っているDAWアプリケーションは、Studio OneまたはCakewalk by BandLab。

記事一覧

ひまわりの日。

子どもの頃、夏になると庭にひまわりが咲いた。ひまわりの種を集めて、母はクッションみたいな小物を作った。種を食べたこともあった。香ばしいが、ピーナッツほど美味しく…

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14時間前
2

【読書】文学的でコミカル、幻想が揺らめく森見登美彦さんの世界。

最初に、作家さんに頭を下げて謝りたい。すみませんでした。 なぜ謝罪から始めるかといえば、名前を勘違いしていたからだ。森見登美彦さんの小説を読み始めた頃には、森見…

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6日前
11

BandLabからTTS-1が消えてしまった話。

たとえ話から始めたい。食玩というものがある。お菓子に玩具が付いているのか、玩具にお菓子が付いているのか分からないが、人気キャラクターのおもちゃが入ったお菓子のこ…

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7日前
1

【おとなの文章表現 ♯002】一文を生きる。

物事には「はじまり」と「おわり」があります。 人生は有限であり、生まれて死ぬ。 しんどい仕事も、続けていればいつか終わる。 終わりのない苦しみはなく、永遠に続く僥…

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10日前
2

【読書】ウィットに富んだ会話と群像劇、伊坂幸太郎さんの世界。

群像劇という小説やドラマのスタイルがある。主人公がひとりではなく、複数の登場人物による別々の物語が平行して進み、いつのまにか交わっていく形式だ。 伊坂幸太郎さん…

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12日前
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【おとなの文章表現 #001】書かない。

かつて文章術を書きたいと考えていました。 自分のノウハウをまとめることに意義があると考えたからです。 誰かの役に立つかもしれない。 なんなら稼げるかも? けれども…

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2週間前
8

ライター(書くひと)からシンカー(考えるひと)へ、進化/深化すること。

技術革新によって新たに生まれる職業があれば、なくなる職業がある。 18世紀から19世紀にかけて産業革命の頃にも特定の職業の消滅はあっただろうし、20世紀に入ってパソコ…

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2週間前
3

生成AIの時代には、考えるプロセスを大切にしたい。

日テレの『教育と生成AI 子どもの上手な向き合い方は』というニュースが興味深かった。 小学5年生の女の子が取材に応じていて、いま学校では「紙の(宿題)はほとんどで…

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3週間前
5

映画の夏。7月鑑賞29作品のまとめ。

ひどい声がれと高熱に苦しんだ7月。身体を垂直にするのがしんどいので、地面と平行になって(要するに布団に寝ころがって)映画ばかり観ていた。 シネマ体質というか、気…

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3週間前
5

未来のためにできる、たったひとつのささやかなこと。

夢を見ることができなくなった。夢といっても、浅い眠りのなかで見る夢ではない。理想とか、かなえたい願いとか、いまここにない世界をイメージすることだ。 シニアという…

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3週間前
10

読書感想文を攻略するヒント。書けるようになる5つのポイント。

夏休みに入りました。小学生の子どもたちには、夏休みの宿題の定番に読書感想文があります。正直なところ「この酷暑に本なんか読んでいられるか」というのがホンネですよね…

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3週間前
10

聲(こえ)を失くした日々。※追記2本

早すぎる夏風邪なのか、喉を痛めて声が出なくなって1週間以上が過ぎた。声が出なくても何も問題ないだろうと軽く考えていたのだが、これほどまでに絶望感を募らせるものだ…

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1か月前
5

『DORONJO/ドロンジョ』を観て、日本の文化と正義について考えた。

昭和の時代に人気があったヒーローの映画、テレビ番組が、令和になってからリメイクされることが多い。ゴジラ、ウルトラマン、仮面ライダーなど、日本だけでなく世界でヒッ…

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1か月前
6

白いハイドランジア。

とっくに梅雨入りしたと思っていたら、今年の梅雨入りは例年より遅く、関東・甲信エリアでは今日あたりから梅雨が始まるとのこと。なるほど、あの30度近い暑い日は異常では…

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2か月前
5

【読書】エッセイが沁みる、社会をあらためる視点。

ブログではなくエッセイを書きたいと思ってから、エッセイの本を探している。そうやって目的を定めて本をサーチすると、これは!という一冊にめぐり会えるから不思議なもの…

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2か月前
17

台風1号のあとさき、地球の未来。

イーウィニャという台風1号の名前は、どこかアーニャ(『SPY×FAMILY』に登場する女の子)みたいな名前だなとほころんでいたが、それどころではなかった。暴風が吹き荒れ、…

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2か月前
5
ひまわりの日。

ひまわりの日。

子どもの頃、夏になると庭にひまわりが咲いた。ひまわりの種を集めて、母はクッションみたいな小物を作った。種を食べたこともあった。香ばしいが、ピーナッツほど美味しくはない。リスの気持ちになることはできた。

ひまわりの花の印象は、どちらかといえばグロテスクだ。黄色い花びらは可愛らしい。しかし中心にある密集した部分には、なんとなくぞわぞわする印象を感じる。ちいさな種類のひまわりもあるようだが、子どもの頃

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【読書】文学的でコミカル、幻想が揺らめく森見登美彦さんの世界。

【読書】文学的でコミカル、幻想が揺らめく森見登美彦さんの世界。

最初に、作家さんに頭を下げて謝りたい。すみませんでした。

なぜ謝罪から始めるかといえば、名前を勘違いしていたからだ。森見登美彦さんの小説を読み始めた頃には、森見登(姓)+美彦(名)さんだと思い込んでいた。ミヒコとは何だ?と言われると困るのだけれど、美しい子と書いてヨシコと呼ぶように、おおかたヨシヒコという名前だろうと考えていた。おおかたで人の名前を読み間違えてはいけない。

正解は(と、いってし

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BandLabからTTS-1が消えてしまった話。

BandLabからTTS-1が消えてしまった話。

たとえ話から始めたい。食玩というものがある。お菓子に玩具が付いているのか、玩具にお菓子が付いているのか分からないが、人気キャラクターのおもちゃが入ったお菓子のことだ。

仮にいま、ポコモン(?)のフィギュアが入ったお菓子があるとする。ところが、ある日突然「キャラクター玩具の版権が切れましたので、これからはお菓子だけで販売させていただきます」というメーカーからのアナウンスがあり、玩具なしになってしま

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【おとなの文章表現 ♯002】一文を生きる。

【おとなの文章表現 ♯002】一文を生きる。

物事には「はじまり」と「おわり」があります。

人生は有限であり、生まれて死ぬ。
しんどい仕事も、続けていればいつか終わる。
終わりのない苦しみはなく、永遠に続く僥倖もまたない。

1日は朝から始まり、夜で終わります。
といっても午前零時の瞬間は、始まりでもあり終わりでもあり、この世界には、分けられないものが存在します。

河合隼雄さんは「分けられないものを明確に分けた途端に消えるものを魂という」

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【読書】ウィットに富んだ会話と群像劇、伊坂幸太郎さんの世界。

【読書】ウィットに富んだ会話と群像劇、伊坂幸太郎さんの世界。

群像劇という小説やドラマのスタイルがある。主人公がひとりではなく、複数の登場人物による別々の物語が平行して進み、いつのまにか交わっていく形式だ。

伊坂幸太郎さんの小説を読んで引き込まれたのが、群像劇のすばらしさだった。作品にちりばめられた伏線が見事につながり、ラストには「そうだったんだ!」と膝を打つ。

群像劇を織りなすのは、凄いのか情けないのか分からない多様なキャラクターたちだ。泥棒、殺し屋、

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【おとなの文章表現 #001】書かない。

【おとなの文章表現 #001】書かない。

かつて文章術を書きたいと考えていました。
自分のノウハウをまとめることに意義があると考えたからです。

誰かの役に立つかもしれない。
なんなら稼げるかも?

けれども最近、こんな風に考えます。

うわっつらの術(テクニック)ではなく、
もっと大切なことがありそうだ。

誰かを振り向かせるためだけに書く文章は、子どもっぽい。自分にとって書くことは、考えを拡げる&深めるためにあります。そして、よりよく

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ライター(書くひと)からシンカー(考えるひと)へ、進化/深化すること。

ライター(書くひと)からシンカー(考えるひと)へ、進化/深化すること。

技術革新によって新たに生まれる職業があれば、なくなる職業がある。

18世紀から19世紀にかけて産業革命の頃にも特定の職業の消滅はあっただろうし、20世紀に入ってパソコン、インターネット、スマートフォンの普及は大きな変化をもたらした。そして21世紀の現在、人工知能(AI)がめざましく発展して、社会全体を変えようとしている。

「AIに奪われる仕事」は、ChatGPTの普及以前からニュースで取り上げ

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生成AIの時代には、考えるプロセスを大切にしたい。

生成AIの時代には、考えるプロセスを大切にしたい。

日テレの『教育と生成AI 子どもの上手な向き合い方は』というニュースが興味深かった。

小学5年生の女の子が取材に応じていて、いま学校では「紙の(宿題)はほとんどでない」そうだ。授業では生成AIに文章を書かせる方法を学んでいる。ところが先生から「家では生成AIを使わないように」と言われているらしい。

昨年、読書感想文コンクールで生成AIを使ったケースが報告されたという。報道のなかで先生は「生成A

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映画の夏。7月鑑賞29作品のまとめ。

映画の夏。7月鑑賞29作品のまとめ。

ひどい声がれと高熱に苦しんだ7月。身体を垂直にするのがしんどいので、地面と平行になって(要するに布団に寝ころがって)映画ばかり観ていた。

シネマ体質というか、気が付けば息をするように映画を鑑賞している状態になり、最後まで観終わった作品は29本。あと2本観ていればよかった。1日1本換算になったのに。

ともかく、あらためて29作品を考察したい。

鑑賞した映画29本を洋画と邦画に分類転んでもただで

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未来のためにできる、たったひとつのささやかなこと。

未来のためにできる、たったひとつのささやかなこと。

夢を見ることができなくなった。夢といっても、浅い眠りのなかで見る夢ではない。理想とか、かなえたい願いとか、いまここにない世界をイメージすることだ。

シニアという年齢に一歩踏み出してしまったせいもある。コロナ禍、異常気象による酷暑と雷雨、終わらない戦争、高騰する物価など、現実に打ちのめされたことも大きい。

振り返ればプライベートでは父を亡くし、母を介護施設に送り込んだ。子どもは髄膜炎で入院、ある

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読書感想文を攻略するヒント。書けるようになる5つのポイント。

読書感想文を攻略するヒント。書けるようになる5つのポイント。

夏休みに入りました。小学生の子どもたちには、夏休みの宿題の定番に読書感想文があります。正直なところ「この酷暑に本なんか読んでいられるか」というのがホンネですよね。

けれども宿題は宿題。さくっと終わらせてしまいところです。

このエッセイは、小学生の子どもを持つママ(おかあさん)、パパ(おとうさん)のために書きました。特に「本を読むのが嫌い」「作文が苦手」「宿題はいつも夏休みの最後に大変なことにな

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聲(こえ)を失くした日々。※追記2本

聲(こえ)を失くした日々。※追記2本

早すぎる夏風邪なのか、喉を痛めて声が出なくなって1週間以上が過ぎた。声が出なくても何も問題ないだろうと軽く考えていたのだが、これほどまでに絶望感を募らせるものだったのか。甘かった。

声が出ないと、まず仕事ができない。あらゆる仕事や解決すべき課題が詰んだ。次にコンビニ、スーパー、さらにドラッグストアで買い物をするときに困る。さりげない買い物にも関わらず、レジに並ぶのがユウウツになる。

ドラッグス

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『DORONJO/ドロンジョ』を観て、日本の文化と正義について考えた。

『DORONJO/ドロンジョ』を観て、日本の文化と正義について考えた。

昭和の時代に人気があったヒーローの映画、テレビ番組が、令和になってからリメイクされることが多い。ゴジラ、ウルトラマン、仮面ライダーなど、日本だけでなく世界でヒットしている。

リアルタイムで作品を体験した昭和の世代には懐かしさを感じさせ、平成や令和の新しい世代には、逆に新しさを感じさせるのだろう。CGやVFXが進化することによって、解像度が上がってリアルになった。同時に当時にはなかった解釈や、新し

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白いハイドランジア。

白いハイドランジア。

とっくに梅雨入りしたと思っていたら、今年の梅雨入りは例年より遅く、関東・甲信エリアでは今日あたりから梅雨が始まるとのこと。なるほど、あの30度近い暑い日は異常ではなかったのかと思うと同時に、これから1か月ばかり雨の季節が続くことを考えると、やれやれといった気分になる。

梅雨といえば、紫陽花(あじさい)。いたるところで紫陽花の花をみかけるようになった。季節を代表する花であり、不思議な雰囲気がある。

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【読書】エッセイが沁みる、社会をあらためる視点。

【読書】エッセイが沁みる、社会をあらためる視点。

ブログではなくエッセイを書きたいと思ってから、エッセイの本を探している。そうやって目的を定めて本をサーチすると、これは!という一冊にめぐり会えるから不思議なものだ。読書に限らない。音楽や映画も同じ。

ところで、エッセイとは何か。

日本では「随筆」と呼ばれることが多いけれど、海外の大学や高校のエッセイの授業といえば、論文を書かせる印象がある。

随筆と論文は違うのではないだろうか。随筆は、つれづ

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台風1号のあとさき、地球の未来。

台風1号のあとさき、地球の未来。

イーウィニャという台風1号の名前は、どこかアーニャ(『SPY×FAMILY』に登場する女の子)みたいな名前だなとほころんでいたが、それどころではなかった。暴風が吹き荒れ、ばらばらと強い雨が屋根を叩く。28日の夜は凄まじい嵐だった。

台風に可愛い名前を付けるべきではないと思う。といってもミクロネシアの言葉でイーウィニャは「嵐の神」という意味らしい。あなどっていたのは自分だけだったのか。フィリピンで

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