映画の夏。7月に鑑賞した29作品のまとめ。
ひどい声がれと高熱に苦しんだ7月。身体を垂直にするのがしんどいので、地面と平行になって(要するに布団に寝ころがって)映画ばかり観ていた。
シネマ体質というか、気が付けば息をするように映画を鑑賞している状態になり、最後まで観終わった作品は29本。あと2本観ていればよかった。1日1本換算になったのに。
ともかく、あらためて29作品を考察したい。
鑑賞した映画29本を洋画と邦画に分類
転んでもただでは起きないというか、風邪をひいて転んでしまい、ただでは起きられなかっただけなのだが、1か月間にこれほど映画を観たのは人生で初めてである。
喉の状態を書いた日記『聲(こえ)を失くした日々。※追記2本』に思いつくままに記録している。読書にしても映画にしても、終わってすぐに感想を書きとめるのがいい。
熱が冷めないうちに(高熱のときは38度あった、というかそういうことではないのだが)体調がよいときを見計らって、いくつかの作品のあらすじや感想をまとめた。
ところが雑多に書いた記録は次第に長文化して、8,000文字を超えてしまった。ごちゃごちゃして分かりにくい。そこで整理しようと考えている。
まず7月に鑑賞した映画を、洋画と邦画に分類する。
※YouTubeの予告にリンクをはったので、興味があればご覧ください。ただし、公式ではなさそうな場合はリンクをやめています。
■■ 洋画:17本
『SHERLOCK』シーズン1+シーズン2+シーズン3+シーズン4
『96時間』
■■ 邦画:12本
『フィッシュストーリー』
『デスノート the Last name』
『L change the WorLd』
『本格科学冒険映画 20世紀少年 第2章 最後の希望』
『本格科学冒険映画 20世紀少年 最終章 ぼくらの旗』
洋画は17本、邦画は12本。洋画のほうが多い。それぞれを紹介するのは面倒なので、思いついたキーワードで串刺しにして解説する。
闘う、負傷する、血が出る
もともと平和主義者であり、暴力的な映画が好きではない。スプラッターやホラーは苦手だ。にも関わらず、闘って負傷して、どばっと血が出る映画ばかり観た。指がちぎれたり、腕がもげたり、頭が吹っ飛んだりする作品が多い。たぶん高熱や風邪のために感覚が鈍っていたのだろう。
洋画でいえば『96時間』シリーズ、『The Witch/魔女』、『ボーダーライン』、『クローバーフィールド/HAKAISHA』あたりはエグい。邦画でいえば『亜人』『テラフォーマ』『ベイビーわるきゅーれ』といったところ。
目を背けてしまったのは『オデッセイ』で爆発により腹に刺さったものを自分で取り除いで縫合するシーン。『シェイプ・オブ・ウォーター』では、半魚人に噛まれてちぎれた指が腐っていくシーンも気持ち悪かった。一方で『ダンケルク』は戦争映画にも関わらず、血が出たイメージがなかった。
だいたいエンターテイメントといえば死闘が売りになる。死闘すれば負傷して血が出る。したがって観たくなくても、流血シーンは免れないのかもしれない。
漫画に基づく、事実に基づく
邦画つまり日本映画では漫画を原作とする作品が多かった。『デスノート』『本格科学冒険映画 20世紀少年』のシリーズは1作目を観ていたので続きから観たのだが、『デスノート』は大場つぐみさん原作、小畑健さん作画による作品。『20世紀少年』は浦沢直樹さんだ。
『キングダム』は原泰久さん、『亜人』は桜井画門さん、『BLEACH』は久保帯人さん、『テラフォーマーズ』は原作の貴家悠さんと作画の橘賢一さん、『メタモルフォーゼの縁側』は鶴谷香央理さんであり、今月に観た邦画のほとんどはコミックスの映像化である。
メディアミックスと呼ばれていたと思うのだけれど、原作からアニメ、ゲーム、映画、キャラクターなど、さまざまな商品に展開して相乗効果で売上を伸ばす。世界的な規模で成功しているのはディズニーかもしれないが、日本も負けていない。というよりも、映像化を前提として描かれている漫画が多い気がしている。
一方で「この映画は事実に基づく(This movie is based on a true story.)」とテロップが冒頭に表示される映画もある。7月に観た映画では『ダンケルク』『ホテル・ムンバイ』『サリュート7』がそうだ。
事実に基づいているが演出されているはずで、映画のストーリーをそのまま信じてはいけない。しかし、迫力があった。それぞれが魅力のある作品だった。『ダンケルク』は第90回アカデミー賞の8部門にノミネート、編集賞、録音賞、音響編集賞を受賞している。
シリーズ、シリーズ、シリーズ
シリーズものの映画も多かった。『SHERLOCK』は映画というよりテレビドラマなのだけれど、1話を観たら止まらなくなった。
シリーズ1本が3話で構成されているので、16話を観たことになる。現代を舞台に描いた作品で、スマホやPCを使いこなし、かなり変人のシャーロック・ホームズをベネディクト・カンバーバッチが演じている。
ロバート・ダウニー・JRが主演の『シャーロック・ホームズ』も観たことがあるけれど、変人ぶりではテレビドラマのほうに軍配を上げたい。また、ワトソン役のマーティン・フリーマンが好み。
『96時間』も「続編があるなら観たい→あるじゃん→観よう!」というアップテンポで3作を連続して観た映画だ。娘を守るために行動する最強の父親が登場する。どんな困難でも切り抜け、過剰に暴れるキャラクターの軸がぶれないから、続編も安心して観ることができた。
宇宙、あるいは地上の国境
宇宙の映画では、ロシアの作品としてローファイ感が最高の『不思議惑星キン・ザ・ザ』とCGが美しくドラマのある『サリュート7』の2作品。一方で、火星を舞台とした映画には『オデッセイ』と『テラフォーマーズ』がある。
『テラフォーマーズ』は、火星に到着した宇宙船に住んでいたゴ〇ブリが進化して、地球のはみだしものたちがゴキ〇リ退治に出かける話。はみだしものたちは、それぞれ昆虫の遺伝子を組み込む手術を施されている。首にドーピングを打つと超人類になる。設定は面白く、CGの画像に迫力があったが、正直、気持ち悪かった。ゴキブ〇は嫌い。
『オデッセイ』では、火星に取り残されたアストロノーツがイモを栽培するのだが、植物を育てることによって誰のものでもない火星が植民地になると語る場面があった。『テラフォーマーズ』も、日本が各国に抜け駆けして火星を征服しようとする。
地球の領地の奪い合いがなくなったら次は火星なのか。やがて、不法の移民や密輸のようなことを考え始めるだろう。という意味では、麻薬密輸組織を描いた『ボーダーライン』に通じるかもしれない。
まとめ
当たり前といえば当たり前だが、サブスクリプションで映画鑑賞を続けながら感銘を受けたのは、映画は膨大にあり、観ても観ても作品が尽きることはないことだ。
体調が治るにしたがって、血がどばっと出る作品から遠ざかるようになった。以前から気になっていた『メタモルフォーゼの縁側』を観たところ、75歳の老婦人(宮本信子さん)と17歳の女子高生(芦田愛菜さん)がBLの漫画を通じて盛り上がり、読み手から書き手をめざして漫画を描き始めるひたむきな挑戦と血の流れない平和な日常に涙が出た。
うまくまとまらないので、次の言葉を置いておく。
いやあ、映画って、ほんとうにいいですね!
2024.07.31 Bw
Xの感想投稿まとめ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?