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<閑話休題>ホームズとポワロの生きた時代
シャーロック・ホームズは、この名前自体が既に固有名詞化しているくらいに、世界中に膾炙した私立探偵の活躍を描く短編小説の主人公だが、彼の活躍した19世紀末ロンドンという、虚栄と繁栄が過度に達した世界を舞台にしているところに一番の醍醐味がある。
また、アガサ・クリスティーが新たに創造した私立探偵エルキュール・ポワロは、ホームズに匹敵する探偵小説の主人公として、その名を世界中に知られている。ポワロ
<ラグビー>2024年シーズン(5月第一週)
(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)
ラブレー『ガルガンチュアとパンタグリュエル物語』の翻訳者渡辺一夫の解説・後記に、ちょうど戦前戦中の特高警察の思想検閲が厳しかった背景から、「カッサンドラの言葉が聞こえていた」という表現がたびたび出てくる。
このカッサンドラというのは、ギリシア神話に出てくる女預言者で、トロイが滅びることを予言していたが、誰も狂言として信じ
<閑話休題>映画『大脱走』の細かい話
先日、スカパーで映画『大脱走』を久しぶりに観た。最初に観たのは小学生の頃のTV放映で、その後劇場で観ることは無く(そもそも劇場上映がなかった)、TVの再放送やDVDなどで数回観たと思う。そのため、『大脱走』については全て知っているつもりだったが、改めて観ると、知らないことや気づいたことが多かった。
オールスターキャストの『大脱走』だが、その派手なアクションシーンや秀逸なキャラクター設定
<ラグビー>2024年シーズン(4月第三週)
(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)
〇 TVCMは滅多に見ないのだが、たまに見ると、「五月蠅い、騒々しい、嘘ばかり、意味不明、鬱陶しい」といった印象しか出てこない。さらに、スーツのCMでは、「小学生がスーツを着て踊っている」としか見えないし、食べ物のCMでは、「実際に買うとまったく違うのだろうな」、「まるで蝋細工のような不自然な色合い」、「この俳優は、絶対に食べ
<閑話休題>ルーマニアのオイナ
掲題の画像は、ルーマニアの伝統球技と称されるオイナで使うボールである。数字の4は、日本でいうところの4号級というような意味で、数字の増減によってボールの堅さが変わり、それによってプレーする年齢に対応しているそうだ。ちなみに、「4」のボールは日本でいえば小学校高年から中学生あたりに適用するらしい。
このオイナについて簡単に説明すれば、野球と似た球技だが、ピッチャーはいない。バッターは、棒にし
<ラグビー>2024年シーズン(4月第二週)
(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)
日本のバーガーキングのメニューが「ワッパー」(輪っぱ?)となっていることに、ずっと違和感が絶えない。昔マイアミで食べていたときは(ちなみにバーガーキングの創業者は、息子が在学したパルメット・ミドルスクールのOB)、WHOPPERを「ホッパー」と発音して注文していた。これがなぜか日本では「ワッパー」になっている。
例えば
<閑話休題>四次元世界とタイムスリップ
タイムスリップ(注:人が別の時空間との間を行き来する意味で使用)は普通に存在していると思う。よく言われることだが、二次元生物がいると仮定すれば、我々三次元生物では普通に存在している「高さ」という概念が認識できない。そのため、例えばある場所から別の場所へ高さを利用して移動する(つまり、またぐ動作)は、二次元生物には認識できないから、まるで魔法のように見える。
同様に、三次元生物にとっては四番
<ラグビー>2024年シーズン(4月第一週)
(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)
〇 古代ローマ時代に作られたオイディウス『転身物語―メタモルフォーゼス―』にある話だ。クマエ(ナポリの西にある古い町)の洞窟にいる巫女だったシビュラは、昔アポロ(ポエプス)に求愛された時、もしも求愛に応えたら希望のものを与えると約束された。そのときシビュラは、手にした一握りの砂粒の数と同じだけの寿命を欲しいと望んだ。彼女はアポ
<閑話休題>マフラーと手袋、そして肩書と仮面(ペルソナ)
子供時代からずっと、冬になってもマフラーや手袋を使わなかった。さすがに最近は加齢もあってマフラーと手袋を使うようになっているが、子供時代は、TVのアクションドラマや漫画のヒーローが、ことごとくマフラーや手袋をファッションにして使っていたこともあり、それが防寒のためのものではなく、単なるファッション=お洒落=見え貼り=カッコつけのものだとずっと思っていた。
また、子供時代は貧乏だったので、そも
<ラグビー及びエッセイ>『スワーブをきりながら(私とラグビーとの長い旅)』
2024年4月4日、『スワーブをきりながら(私とラグビーとの長い旅)』というエッセイを、Amazonの電子書籍及びペーパーバックで出版しました。
これは、私が大学時代にラグビーに出会ってから、その後社会人(国家公務員)となり、いろいろな海外で勤務をしながら、現地でラグビー、タッチフットなどをしてきたこと、そして息子の(全国大会出場経験のある)高校ラグビーの父兄としての経験など、40年にわたる
<閑話休題>英国由来スポーツが雨でも実施される理由
私の好きなラグビーでは、「英国紳士(ジェントルマン)たる者は、一度決めたことは何があっても約束を守る。だから、雨が降ろうが槍が降ろうが、一度やると決めたラグビーの試合は、何があっても実施する」という、まるで「武士道とは死ぬことと見つけたり」式の戦陣訓のような言葉が信望されている(さすがに、現在ではかなり緩やかになってきているようだが)。
またこの言葉は、ラグビーを優れたスポーツであることの代
<ラグビー>2024年シーズン(3月第五週)
(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)
〇 2024年は3月31日がイースター(復活祭)で、29日がグッドフライデー(イエスが磔刑になった日)、4月1日がイースターマンデー(イエスが復活・昇天した日)になる。「復活」というのは、キリスト教におけるイエス(ヘブル⦅ヘブライ⦆語の「ヤーウェ」は、救いを意味する「ヨシュア」に関連した、ギリシア語「イエソウス」に由来する言葉