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<ラグビー>2024年シーズン(9月第二週)

(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)

〇 地球環境を破壊するなといいながら、文化遺産を破壊するテロ行為が蔓延している。彼らの言い分は、文化遺産と同様に地球環境を破壊するな、また保護せよということだが、これは、地球環境を文化遺産と同等に保護しなければならないということだから、地球環境を破壊してはならないのと同様に文化遺産も破壊してはならないという論理になる。
 
 ところが、地球環境を破壊させないために、これと同じ価値を持つ文化遺産を破壊するというのは、自分勝手な矛盾でしかない。だいたい、こうした過激な言動や行動をする人たちは、自分勝手な理屈を一方的に押し付けて正当化しようとするから、自分が安全かつ快適に生活している社会に対しての、反社会的言動及び行動でしかないことを理解していないのだ。
 
 そもそも地球環境を破壊するなというのなら、自ら率先して原始人のような生活をするべきだろう。それでも、地球の貴重な資源を浪費することになるが。それをせずに、こうした目立つためだけのパフォーマンスをしているというのは、そこに悪質かつ政治的な意図しか見えてこないから、誠に邪道としか言えない。
 
〇 悪夢のようなパリオリンピック開会式は、天罰のように豪雨の中、屋外で開催された。しかし、成人式がファッションショーでないように、オリンピック開会式は、芸術表現の場ではない。そこは、あらゆる階層と年齢の人々が対象となるセレモニーであり、観衆に不快な気分を与えたり、刺激の強いもの、さらに政治的及び宗教的色彩の濃いものを強制的に見せたりすることは、純粋な芸術表現と言えない。それはむしろ、社会に対するテロ行為と何ら変わらないものだ。


1. パシフィックネーションズカップ結果

5位決定戦

トンガ30-17カナダ(HT19-10)

 終始トンガが優勢に試合を進め、実力通りに勝利した。トンガはこのレベルを維持しているが、カナダの長期低落傾向は止まらない。2031年RWCに向けての道半ばという印象だ。

準決勝

フィジー22-3対アメリカ(HT10-3)

 アメリカが格上のフィジー相手に、良くディフェンスして対抗したが、4分のPG以外には得点チャンスはなかった。一方フィジーは、ラッシュアップディフェンスのアメリカに対して、キックをあまり使わないアタックを繰り返したため、わずか3トライに抑えられたが、スクラムで終始優勢であったことが勝因となった。フィジーといえば、ランニングラグビーの代名詞のようなチームだが、スーパーラグビーにフィジードルアとして参加したことに加え、長年にわたるFW強化が、最近になって実を結んできている。

サモア27-49日本(HT13-28)

 日本は、数人を入れ替えた。4番LOに初キャップとなるエピネリ・ウルイヴァイティを入れ、SOは立川理道、FBは李承信とそれぞれ不慣れなポジションを担った。16番HO松岡賢太が初キャップとなるなど、相変わらず固定できない試験的なメンバーとなっている。

 サモアは、11番WTBのセヴンズで活躍したエリザペタ・アロフィポ、23番WTBのブルーズのトライゲッターだったメラニ・ナナイが、それぞれ初キャップとなったが、12番CTBには、オールブラックス入りしてもおかしくなかった37キャップのアラパティ・レイウアが入っている。

 前後半ともに、日本が優位に試合を進めて完勝した。5番LOワーナー・ディアンズ、13番CTBディラン・ライリーが引き続き良い仕事をしていたが、SH藤原忍と14番WTB長田智希の二人も勝利に大きく貢献していた。また、SO立川、FB李(その後SOへ移動)が機能していたが、サモアが特に風上となった前半に、コンビネーションが不慣れなバックスリーを狙ったキックをしてこなかったのが、結果的に幸いした。もしかすると、現在のサモアには、キック戦術という選択肢がなかったのかも知れない。

 しかし、この試合結果を踏まえて、次のフィジーは日本を分析してくるので、このまま通用するとは思えない。そのため、SO及びFB山沢拓也という才能ある選手が控えているので、どういうメンバーにするかが注目される(今回の結果から、そのままSO立川、FB李にはしないと思うが・・・)。一方負けたサモアは、来週はアメリカとの3位決定戦となるが、今回の日本戦が最低レベルのプレーであったので、日本の気候にも慣れる次戦は、順当に勝てるのではないか。

2.その他のニュースなど

(1)女子イングランド代表対ブラックファーンズ

 名称がトウィッケナムからアリアンツスタジアムに変わった後での対戦だが、ブラックファーンズが知的なラグビーで優勝した、2022年女子RWC決勝(34-31)からの同じグランドでの再戦となり、事実上の世界一決定戦でもあった。

イングランド24-12ブラックファーンズ(HT17-0)
 イングランドが、パワーとフィジカルの強さを前面に出したラグビーで、後半53分まで、24-0と大きくリードする。ブラックファーンズは、久々復帰のトライゲッターである14番WTBアイーシャ・レティリーガが、3回独走する場面があったが、いずれもサポートがいない孤立した状態となり、バッキングアップしたイングランドのディフェンスにトライを防がれてしまった。もしこれがトライにつながっていれば、ブラックファーンズが勝利していただけに、このミスは痛かった。それでもブラックファーンズは、後半に11番WTBカテリン・ヴァハアコロが2トライを取って、一時は逆転への機運が高まったものの、最後は時間切れとなってしまった。

 勝ったイングランドは、これで17連勝となったが、前回の敗戦は2022年のブラックファーンズだったので、ブラックファーンズ以外にイングランドに勝てるチームはいないように見える。また、ホームのトウィッケナムでは、21戦20勝と圧倒的な強さを見せている。

(2)南アフリカが、アルゼンチン戦に向けたスコッドから7人を休養させる

 ザ・ラグビーチャンピオンシップの最終ラウンドとなる、アルゼンチンとの2連戦に向けて、南アフリカは28人のスコッドでアルゼンチンへ遠征するが、このスコッドから主力7人を休養のため外した。ここで引き分け以上の結果を得れば、2019年以来の優勝となる。

 外れたのは、HOボンギ・ムボナンビ、PRフランス・マルアーブ、FLピータースティフ・デュトイ、SOサッシャ・フェインベルグムゴメズル、CTBダミアン・デアレンデ、WTBチェスリン・コルベ、FBウィリー・ルルー。またPRスティーヴン・キッショフは、首の怪我で長期欠場となっている。なお、HOヨハン・グロベラアがスコッドに復帰した。 一方、LOエベン・エツベスはスコッドに入っており、プレーすれば127キャップとなり、ヴィクター・マットフィールドの持つ南アフリカ最多キャップに並ぶ。

(3)ネイションズチャンピオンシップの開催地は変更へ

 2026年から、トップ12か国の参加によって開始されるネイションズチャンピオンシップは、決勝ラウンドをカタールで開催する方向で調整されていたが、この度カタールにおける人権問題などにより、開催しないこととなった。

 代替地としては、トウィッケナムで3試合、ロンドン近郊で1試合、その他のヨーロッパで2試合を想定しているが、未だ検討中となっている。なお、英国ラグビー協会会長のビル・スウィーニーは、「ネイションズカップ」と称しているが、メディアは「ネイションズチャンピオンシップ」と表記しているため、本大会の名称自体も確定していない由に思われる。

(4)スチュアート・ホッグが、三回目の逮捕

 元スコットランド代表FBのスチュアート・ホッグ、32歳は、昨年のRWC後にラグビーから引退していたが、先般フランスのモンペリエーで復帰し、最初のゲームをプレーしたばかりだったが、今般元妻への暴行及びストーカーの容疑で三回目の逮捕となり、裁判での公判を待つことになった。このため、現在スコッドランド代表で二番目に多いトライ記録を持つホッグだが、ラグビー選手としての今後の活動に暗雲が立ち込めている。

(5)オーストラリアが欲しい海外でプレーする選手

 現在のルールでは、以下19人の海外でプレーする選手は、オーストラリア代表としてプレーできない。しかし、もし彼らが代表入りできれば、オーストラリアはすぐに強化できるのではないかという意見が出ている。その選手は以下のとおり。

PR:スコット・シオ、モーゼス・アロイーマイル、ジャーマイン・アインズレイ
HO:ジョーダン・ウエレーゼ、フォラウ・ファインガア、トール・ラトゥー
LO:ウィル・スケルトン、トム・スタインフォース、リッチー・アーノルド、マット・フィリップ、ラクラン・スウィントン
FL:ピート・サム、ショーン・マクマーン
SH:タウェラ・カーバロー
SO:バーナード・フォリー
CTB:サム・ケレヴィ
FB:リース・ホッジ、トム・バンクス、トム・ライト

<個人的見解>
 LOを筆頭に何人かは確かにそうだが、すでに選手としてのピークを過ぎている者もいるので、なんとも言えない。それよりも、良い選手が沢山そろっているNRLからの移籍を検討した方がよいのではないか。過去にも、ロティ・トゥキリ、マット・ロジャースなどの良いBKが活躍していた。最近も、せっかく移籍させたマーク・ナワカイタワゼは、リーグに戻ってしまったが、彼はNRLで大活躍している。また、クエード・クーパーのような、オーストラリアでプレーするNZ人選手を抜擢することも良いと思う。既に、オーストラリアのスーパーラグビーチームに移っている、前ハリケーンズのアイダン・モルガンなどの有望な選手が数人いるので、彼らが候補になるだろう。

(6)来シーズンのスーパーラグビーのフォーマット

 来シーズンのスーパーラグビーのフォーマットが発表された。主な内容は以下のとおり。

(a)ACTブランビーズ、ブルーズ、チーフス、クルセイダーズ、フィジアンドルア、ハイランダーズ、ハリケーンズ、モアナパシフィカ、NSWワラターズ、クイーンズランドレッズ、ウェスタンフォースの11チームで構成。
(b)レギュラーシーズンに各14試合を実施。7試合のホームと7試合のアウェイ、さらに2回の試合のない週となる(計16週の開催)。

(c)ライバルとなる4チームとは2試合対戦し、残り6チームとは1試合の対戦。
(d)上位6チームが、3週間で開催するファイナルシリーズに進出。

(e)ファイナルシリーズの初戦は、1位対6位、2位対5位、3位対4位で対戦し、順位が上位となるチームがホーム開催。
(f)勝者3チームが準決勝に進出。

(g)「幸運な敗者」として、ファイナルシリーズ初戦で負けたチームのうち、レギュラーシーズン最上位チームが、準決勝に進出できる。
(h)準決勝は、レギュラーシーズンの順位に従って、1位対4位、2位対3位のように対戦。

(i)準決勝の勝者2チームが、グランドファイナルに進出。レギュラーシーズン上位チームがホーム開催。

 来シーズンは、2025年2月14日開幕となり、今年より一週間早い。また、家族で観戦できるように、日曜午後開催試合を3週実施する(通常はナイターの開催)。

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