葉風弥七

日々の暮らしのささやかな幸せに気付くことが信条。永きに亘るビジネスと文筆の生活を経て、…

葉風弥七

日々の暮らしのささやかな幸せに気付くことが信条。永きに亘るビジネスと文筆の生活を経て、言の葉をこよなく愛し、読書、珈琲、映画、音楽、そして手帳などの文具を楽しむ。かけがえのないひととき、ご一緒に。

マガジン

  • 手帳の佇まい

    手帳は内面も外見も楽しめる、自分だけの道しるべ。自分探しの旅、終わりなき探究へ。

  • 幸せの佇まい

    幸せは常にそばに。ささやかだけど、かけがえのないもの。ありったけの想いを。

  • 感謝力

    感謝の気持ちを忘れないよう、何度でも読み返します。

  • その一冊の佇まい

    読書は心の旅路、作者との時空を超えた対話、没頭出来る時間へ。

  • この調べ、ひとひら

    音楽は人生のときどきを記憶し、彩る。

記事一覧

NoBrand、MyBrand~手帳の佇まい(41)

例えばこのペンケース。 機能が満たされるだけでなく  手触り、色合い、大きさ、 重量が抜群で、もはや、 これなしではいられない。 決して製造元やブランドで 選んだので…

葉風弥七
3日前
20

自分が確かなら、それでいい。

「他人がどう思おうが、 それは重要ではない。 自分が確かならそれでいい。」 大切なのは自分を信じること。 その弁護士は毅然とそう言った。 スピルバーグ監督、トム・ハ…

葉風弥七
3週間前
16

幸運かどうか、我が腕時計に訊く

これはアンラッキー、ツイてない、 その瞬間、そう思った。 先々週、会社のトイレの手洗い場で、 腕時計のベルトが壊れて、時計本体が、 洗面プレート、水道の蛇口の真下…

葉風弥七
1か月前
27

土曜朝は二刀流~手帳の佇まい(40)

艶豊かで色に深みあり。 それでいて力みなく爽やかな佇まい。 小柄ながら良い仕事をしてくれる。 今週、そんな手帳を新調した。 ところで、毎週土曜朝の食品スーパーへの…

葉風弥七
1か月前
22

散歩窓にて。

去年より体重4キロ増。 覚悟はしていたものの、 一昨日の健康診断結果はやや痛く、 なんとか減量したいと、 僕は今朝早くからウォーキングに出た。 自宅から最寄駅まで歩…

葉風弥七
2か月前
22

あなたにとっての神様、その人の名は?~手帳の佇まい(39)

街頭インタビューで 「あなたにとっての神は誰ですか」 と問うTV番組「オー!マイゴッド! ~私だけの神様、教えます」 (日テレ、土曜午前10時30分)が 面白くて、楽しい。 …

葉風弥七
2か月前
27

そして僕は日常に帰る。~手帳の佇まい(38)

誰でも思い悩むときがある。 人間だから当然。 そのようなとき、僕は手帳を開く。 丁寧にページをめくり、 今の自分にふさわしいメッセージ、 フレーズを探す。 そこに答…

葉風弥七
3か月前
35

みんな、通ってきた道が異なる。この先の道もそれぞれ。だから今。

同じ職場の20代の女性が 退職することになり、 昨日が最終出勤日だった。 自分の夢を追いかけるために 英国に海外留学するという。 彼女とは僅かな期間、机を並べたが、 …

葉風弥七
4か月前
20

「大きな夢やイベントを追うのもいい。だけど、それだけじゃないよ」〜日常のかけがえのないひとコマを〜

大きな夢を抱き日々邁進する。 大きなイベントを控え準備に注力する。 これは素晴らしいこと。 だけど、それらがなくても、 人は感謝や幸福感を得られるという話。 1995年…

葉風弥七
4か月前
24

「そんなもんだよ。仕方ないでしょ。」〜無垢な瞳が教えてくれた〜

大型連休明けの通勤電車、 我が身を日常のペースに戻していく。 電車の中で感情がうず巻くときがある…。 今週の車内のこと。 夕方の混雑した時間帯、 出入口付近に私は…

葉風弥七
4か月前
41

その狭き空間の、つかの間の彩り

村上春樹さんの原作をもとにした 映画「ドライブマイカー」で、 雇い主のクルマの運転を 仕事とする女性が、 中年の舞台演出家の自家用車を 担当することになる。 急発進…

葉風弥七
5か月前
29

靴。

一昨日の金曜、 僕は左右異なる靴を履いて 会社に行った。 勿論、意図したわけではない。 早朝玄関できちんと靴を見ずに 出掛けたからだ。 30数年の会社員人生で 初めて…

葉風弥七
5か月前
20

辿り着いたのは。〜手帳の佇まい(37)

人は生涯、平均して何本の ボールペンを所有するのだろう。 何本のペンを使い果たす、使い切るのか。 職業人になって30数年、 僕は何本のペンを使って来たのか、 いや、お…

葉風弥七
6か月前
28

本当に大切なことが残る。〜手帳の佇まい(36)

数年前から、ある業界新聞2社の 連載コラムに寄稿している。 ともに長年お世話になっている 編集者からの頼まれ事だ。 1社は毎月、もう1社は四半期ごと。 ともにどんなテ…

葉風弥七
6か月前
32

没頭するということ。

「きっと疲れが溜っているのですよ」 と言われても、 僕には全く自覚がないのであった。 2週間前、背中の肩甲骨の右側に痛みあり。その後、かゆみに変わり、鏡を見ると、 …

葉風弥七
6か月前
23

本当の強さ。

勝負を挑んでくる者達へ、 彼は穏やかに言う 「勝ち負けは本当に必要だろうか」。 そして闘いの結果、彼は勝つ。 というより負けないのだ。 中国武術のひとつ詠春拳。 19…

葉風弥七
7か月前
41
NoBrand、MyBrand~手帳の佇まい(41)

NoBrand、MyBrand~手帳の佇まい(41)

例えばこのペンケース。
機能が満たされるだけでなく 
手触り、色合い、大きさ、
重量が抜群で、もはや、
これなしではいられない。
決して製造元やブランドで
選んだのではない。
だからどの国で製造されたかなど、
知らないし、不要な情報だ。

例えばシステム手帳。
機能はもとより、
手に馴染んでほっとする。
重くなく大き過ぎず、耐久性があり、
見ていても安心感あり。
であれば、ブランドは関係ない。

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自分が確かなら、それでいい。

自分が確かなら、それでいい。

「他人がどう思おうが、
それは重要ではない。
自分が確かならそれでいい。」

大切なのは自分を信じること。
その弁護士は毅然とそう言った。

スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演の映画「スパイ・オブ・ブリッジ」(2015年)を僕は十数回は観返している。

アメリカに逮捕されたソ連側のスパイを法廷で担当することになった弁護士ドノバン。彼は、その直後にソ連に捕獲されてしまったアメリカ側のスパイを救出す

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幸運かどうか、我が腕時計に訊く

幸運かどうか、我が腕時計に訊く

これはアンラッキー、ツイてない、
その瞬間、そう思った。

先々週、会社のトイレの手洗い場で、
腕時計のベルトが壊れて、時計本体が、
洗面プレート、水道の蛇口の真下に落下。

幸い、咄嗟に時計本体を拾い上げ、殆ど無傷で済んだ。チタン製のベルトに内臓されている細い軸が折れたのだ。

この20年、仕事のときに使い続けている国産時計。一度も他の時計を着けたことはない。一途だった。この時計に僕の喜怒哀楽を

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土曜朝は二刀流~手帳の佇まい(40)

土曜朝は二刀流~手帳の佇まい(40)

艶豊かで色に深みあり。
それでいて力みなく爽やかな佇まい。
小柄ながら良い仕事をしてくれる。
今週、そんな手帳を新調した。

ところで、毎週土曜朝の食品スーパーへの買い出しは、肩賭けの小型ショルダーに、余力なしの乱れ姿。買い物リストを記したメモ帳、小銭入れ、クレカなどのカードケース、スマホ2台を入れ、ハンカチと予備のマスクなどでパツンパツン。

最もかさばるスマホ2台は、仕事の事情で仕方なし。であ

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散歩窓にて。

散歩窓にて。

去年より体重4キロ増。
覚悟はしていたものの、
一昨日の健康診断結果はやや痛く、
なんとか減量したいと、
僕は今朝早くからウォーキングに出た。

自宅から最寄駅まで歩いて25分。今朝のコースは、駅周辺の商店街までの往復50分。
その商店ゾーンにあるコンビニで、ついでに、朝食を買う。

歩き始めて10分の所に、
住宅街が一望できる高台がある。
朝日や夕陽が拝める、さしずめ青春の丘。
ここで僕は足を止

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あなたにとっての神様、その人の名は?~手帳の佇まい(39)

あなたにとっての神様、その人の名は?~手帳の佇まい(39)

街頭インタビューで
「あなたにとっての神は誰ですか」
と問うTV番組「オー!マイゴッド!
~私だけの神様、教えます」
(日テレ、土曜午前10時30分)が
面白くて、楽しい。

ここで言う神とは、
憧れの人、元気や刺激をくれる人、
仕事や趣味で模範となる人、等だ。

街角の老若男女の様々な回答がある。
「頻繁に通うカラオケスナックのマスター」
「スカジャン作りの職人」
「世界最高峰の大ベテラントラン

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そして僕は日常に帰る。~手帳の佇まい(38)

そして僕は日常に帰る。~手帳の佇まい(38)

誰でも思い悩むときがある。
人間だから当然。

そのようなとき、僕は手帳を開く。

丁寧にページをめくり、
今の自分にふさわしいメッセージ、
フレーズを探す。
そこに答えがある。
「これだ、これっ。そうだよな」
と納得し、冷静さを取り戻し、
僕は、日常に帰ってゆく。

自分に必要なことは、
全てこの手帳の中にある。
日頃から手帳を
そういう状態にしておくこと。

自分独自の、
執着しやすい思考や思

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みんな、通ってきた道が異なる。この先の道もそれぞれ。だから今。

みんな、通ってきた道が異なる。この先の道もそれぞれ。だから今。

同じ職場の20代の女性が
退職することになり、
昨日が最終出勤日だった。

自分の夢を追いかけるために
英国に海外留学するという。
彼女とは僅かな期間、机を並べたが、
さほど沢山の会話があったわけではない。

昨日の職場夕礼で、
最後の挨拶をした彼女に、
僕は上司として、
これまでの貢献に感謝し、
夢の実現を祈念する言葉を捧げた。

思えば我が娘より歳下だから、
いわば親と子の世代間があるはず。

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「大きな夢やイベントを追うのもいい。だけど、それだけじゃないよ」〜日常のかけがえのないひとコマを〜

「大きな夢やイベントを追うのもいい。だけど、それだけじゃないよ」〜日常のかけがえのないひとコマを〜

大きな夢を抱き日々邁進する。
大きなイベントを控え準備に注力する。
これは素晴らしいこと。
だけど、それらがなくても、
人は感謝や幸福感を得られるという話。

1995年の米国映画「スモーク」の
DVDディスクを何度も観返してきた。

本作はブルックリンの煙草屋が舞台。
店の主人オーギー(ハーベイ・カイテル)は写真撮影を日課にしている。
毎日、街角の同じ所に三脚を立て、同じアングルで街の風景を撮る

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「そんなもんだよ。仕方ないでしょ。」〜無垢な瞳が教えてくれた〜

「そんなもんだよ。仕方ないでしょ。」〜無垢な瞳が教えてくれた〜

大型連休明けの通勤電車、
我が身を日常のペースに戻していく。

電車の中で感情がうず巻くときがある…。

今週の車内のこと。
夕方の混雑した時間帯、
出入口付近に私は立っていた。
先に乗った方々が奥に行ってくれない。
すると若い女性が乗り込んで
私の背中を押してきた。
そこまでは仕方ない。ここからだ。

その女性はスマホをいじり出し、
その固い形状が私の背中に当たっている。
このコツコツに私のイラ

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その狭き空間の、つかの間の彩り

その狭き空間の、つかの間の彩り

村上春樹さんの原作をもとにした
映画「ドライブマイカー」で、
雇い主のクルマの運転を
仕事とする女性が、
中年の舞台演出家の自家用車を
担当することになる。

急発進や急ブレーキのない、
彼女の安定した運転ぶりを
彼は、賞賛する。
乗っていることを忘れてしまう程、
君は運転が上手いと、
寡黙で笑顔ひとつない彼が言うのだ。

彼は最愛の妻を失い、
ある疑惑と雑念を引きずったまま、
時を過ごしてきた。

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靴。

靴。

一昨日の金曜、
僕は左右異なる靴を履いて
会社に行った。

勿論、意図したわけではない。
早朝玄関できちんと靴を見ずに
出掛けたからだ。

30数年の会社員人生で
初めてのこと。

Clarksのビジネス靴を2足もっており
両方共に黒で細型の形状、
履き心地もよく似ているが
一つはストレートチップ、
もうひとつはプレイントゥ。

東京オフィスの最寄りの駅に
京浜東北線が到着する間際、
どこかぎこち

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辿り着いたのは。〜手帳の佇まい(37)

辿り着いたのは。〜手帳の佇まい(37)

人は生涯、平均して何本の
ボールペンを所有するのだろう。
何本のペンを使い果たす、使い切るのか。

職業人になって30数年、
僕は何本のペンを使って来たのか、
いや、お世話になってきたのか
と考える。

思えば、スマホのメモアプリを使うようになってから、紙にペンを走らせる行為がめっきり減った。とはいえ、大切な人への手紙、自分の思考や感情を整理したいとき、これは貴重だと思える言葉に出くわしたときは、

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本当に大切なことが残る。〜手帳の佇まい(36)

本当に大切なことが残る。〜手帳の佇まい(36)

数年前から、ある業界新聞2社の
連載コラムに寄稿している。
ともに長年お世話になっている
編集者からの頼まれ事だ。

1社は毎月、もう1社は四半期ごと。
ともにどんなテーマで書くかは自由、
かつ、ペンネームでの執筆。
とはいえ浅学非才ゆえ
枯渇しそうな知恵を絞り、悶絶しながら
何とか続けている。

そんな中で、
つくづく実感するのは、
文章作りとは、
決められた文字数内に
如何に収めるかの、
文字

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没頭するということ。

没頭するということ。

「きっと疲れが溜っているのですよ」
と言われても、
僕には全く自覚がないのであった。

2週間前、背中の肩甲骨の右側に痛みあり。その後、かゆみに変わり、鏡を見ると、
赤い発疹が数個、横一列に生じていた。

皮膚科に行くと帯状疱疹だと言う。
ドクターは「この原因はストレス」だと。
飲み薬を処方して頂いた。
会社の産業医に報告したところ
「疲れが溜っているのですよ」と即断された。

ストレス、疲れ。

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本当の強さ。

本当の強さ。

勝負を挑んでくる者達へ、
彼は穏やかに言う
「勝ち負けは本当に必要だろうか」。

そして闘いの結果、彼は勝つ。
というより負けないのだ。

中国武術のひとつ詠春拳。
1930年代〜60年代に
その普及に尽力した伝説の達人がいる。
大師匠と呼ばれた男、葉問(イップマン)。
カンフー映画の大スター、
ブルース・リーの唯一の師匠だ。

そのイップマンを描いた映画
「イップマン3〜継承」を
去年12月にB

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