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*読んで良かったnote集*

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「素敵」「良かった」「温かい気持ちになった」「この先何度も読み返したい」等と思ったり、感銘を受けたりしたnoterさんの記事を集めたおすすめnote集です。 気まぐれに追加して…
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#創作大賞2024

「書く」。「書かない」。

「書く」。「書かない」。

もう、ずうっと以前のことになりますが、「てがみさま」というお話を書いたことがあります。
手紙の神様。てがみさま。
大切に書いた手紙には神様が宿ることを──短いお話にしました。
封筒を開け、折りたたまれた便箋をひらくと、おかっぱ髪の女の子の神様が、ちょこんとそこに現れる。それが、てがみさま。

誰かに手紙を届けることが、いまよりずっと身近な時代でしたので、ちょこちょこと、お礼状など書く習慣がありまし

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あなたの笑顔を願い続けた男

あなたの笑顔を願い続けた男

携帯電話が鳴る。

A子からだ。私たちは付き合って半年になる。それでも毎日のメールや電話のやり取りは欠かさない。

コウケンテツのレシピ本を見ながら晩御飯を作り、1人部屋で食べていたときに電話が鳴った。

「もしもし、どうした?」

明るく話しかけてくるものと思っていたから、電話向こうの泣き声に面食らう。

A子は泣きじゃくり、なかなか言葉にならない。

「どうしたん?何があったん?」

できる限

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目覚ましの森【小鳥にまつわる詩を三篇】

目覚ましの森【小鳥にまつわる詩を三篇】

ふと、小鳥の氣配を感じることがあります。
高い空にではなく、すぐそばに。
氣がついたら、ぴちゅんとすましてそこにいる。

そういう小鳥は、いつもなにかしら、わたしに言葉を運んできます。
わたしをみあげて、ぴちゅぴちゅ、にぎやかに語るのですが、なにしろ小鳥の言葉なので、そのまま書くのは難しい。

「ちょっと待っててね」
わたしはパソコンを開き、小鳥のさえずりに耳を傾けながら、それを、人の言葉に翻訳し

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三年間。no+eの街の路地裏で「なんのはなしですか」と叫んでいた。

三年間。no+eの街の路地裏で「なんのはなしですか」と叫んでいた。

皆様ご存知の通りnoteの街の世界には、このような言葉があります。

だれもが創作をはじめ、
続けられるようにする。

この言葉を真摯に受け止め、且つ真面目に本気で力の限り三年間かけて、ありとあらゆる方法でこれを実践した話を書きます。

真実か嘘かの言及も致しません。強いて言うならば「なんのはなしですか」と感じていただければと願います。

はじまりは一つの言葉でした。「なんのはなしですか」という言

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【自主企画】理想のヨーグルト作ってみた

【自主企画】理想のヨーグルト作ってみた

「それならいっそ、自分たちで理想のカフェごはん作ってみる?」

登場人物付き合って5年半になる私たち。
今年の2月から、東京でふたり暮らしをしています。

ことの始まり週末、お休みが合ったときには、カフェのモーニングに行くのがルーティンの私たち。

しかし日々の食事のなかで、パンを始めとした小麦を取りすぎていることを気にしていました。
肌荒れが増えたり、太り始めたり。

それでも私はパンが大好き。

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note1000日連続投稿 👣歩みの跡🐾

note1000日連続投稿 👣歩みの跡🐾

 本日、2024年5月3日、無事1000日連続投稿を達成することができました😊。

 私のnote生活は、2021年8月8日から始まりました。
 その日の午前中まで、noteという存在すら知りませんでした。偶然に図書館で見つけた本がきっかけでした。

 何事にも二の足を踏む私が、すぐにnoteとTwitter(現在のエックス)のアカウントをつくり、その日の夜、22:20に初投稿したのは奇跡的なこ

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noteでわたしの「扉」を探す。

noteでわたしの「扉」を探す。

お部屋にお邪魔するのを楽しみにしているクリエイターさんのひとりに、Wさんがいます。

Wさんのご投稿は、たいてい数枚の写真と、それに添えられた短い一文で構成されています。
読む、というより、みる、といったほうがふさわしいご投稿。拝見するのに必要なのは、ごくわずかな時間です。
けれど、Wさんのご投稿はそのあとが楽しいのです。
数枚の写真と短い言葉で、Wさんは何を表そうとされているのか。
どんなお氣持

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【金沢旅行記】出会った優しい人たち

【金沢旅行記】出会った優しい人たち

こんにちは。
大移動の果てに島に無事帰りつき、なんとか日常に戻ってきた感じのする今日です。

今日は三泊四日の石川県旅行の中で出会った優しい人たちについて少し書き残しておこうと思います。

ご飯やさんの多分ご店主のお兄さん

↑こちらのお店に大人5名、子供2名でお邪魔しました。(金沢到着した夜)
夫が宿の近くのお店をあらかじめ予約してくれていたのですが、これが大正解でした。

うちの次男(3才)が

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エッセイ | 40歳差の私たち。文通30周年メモリアルイヤーはエメラルドグリーンの輝き。

エッセイ | 40歳差の私たち。文通30周年メモリアルイヤーはエメラルドグリーンの輝き。

 祝日の朝早く、ゆうパックが届いた。
私にゆうパックを送ってくれる相手で思い当たるのは一人しかいない。おじさんだ。

 おじさんというのは、私の長年の文通相手のことで、昭和19年(1944年)生まれの八十歳である。

 おじさんとは、私が一歳の頃に出会った。

おじさんは当時私が住んでいた家の、真向かいにある古いアパートの一階に夫婦で住んでいた。
その頃から、家の前で会えば

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たんぽぽの綿毛が飛ぶように

たんぽぽの綿毛が飛ぶように

 深夜、居間に一人でテレビを観ていると、祖母が入ってきた。

「親方は? ねぇ、親方は?」

 祖母の口から親方なんて聞いたことがなかった。思い当たる人もいない。何のことを言っているのかわからない。
 こんなとき、どうすればいいのだろうか。
 返答に窮する間に、祖母の注意は切り替わる。少しバランスの悪い歩き方で、暗い廊下を歩き、玄関の方へ向かっていった。
 
「親方はここにいないよ」

 慌てて祖

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投稿するのは何のため?

投稿するのは何のため?

何のために投稿をするのでしょうか。
何のために書くのでしょうか。
ふとそれを記事にしてみたくなったのは、このところ、「投稿について書かれたみなさんの投稿」を目にすることが多くなったせいだと思います。

もちろん、なぜ投稿するのかを、必ずしも明文化する必要はないと思っていますが、記事にあるみなさんのお考えが、それぞれとてもおもしろくて──では、わたしはわたしなりの「何のため?」を、この機会に探ってみ

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河童のお皿【水にまつわる詩を三篇】

河童のお皿【水にまつわる詩を三篇】


noteの魅力の一つは、表現方法が自由なこと。
せっかくなのだから、自分を自分の型にはめたくないなあと、うすぼんやりと感じていました。

最近、文章が少しずつ長くなっているのも感じていたので、今回は思い切って、短く短く伝えたいと思い……自作の詩を三篇、投稿させていただきました。
説明を省き、短い言葉で伝えるのは……勇氣、いりますね!
詩を書かれる方って、すごいなあ!とあらためて心から思います。

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「願う」ことと、「願いごと」。

「願う」ことと、「願いごと」。

昨日の春分の日は、とても大切な一日だったようですね!
何人かのクリエイターさんたちの記事で、「宇宙のお誕生日」であることや、「願いごとが叶う日」「浄化の光がMAXになる日」であることなど……今年の3月20日が、とても大切な日であることを読みました。

せっかくですから、わたしも朝からお家の掃除をして、一日のなかでも、特に「願いの叶う瞬間」であるという12:06を楽しみに待ちながら、心穏やかに過ごし

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繋ぎとめるもの、思いとどまらせるもの

繋ぎとめるもの、思いとどまらせるもの

 インドカレーが好きである。
 特に好きなメニューはバターチキンカレーだ。チーズナンとサフランライス、そして野菜にオレンジ色のドレッシングも添えてあるのが最高である。
 ああ思い浮かべるだけで唾液が分泌されてくる。ここ数年食べていないから、無性に食べたくなる。

 東京に住んでいた頃、隣の駅近くに行きつけのインドカレー屋があった。
 そこへ友人や恋人をよく連れて行き、夜遅くに一人で食べに行くことも

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