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煩悩のエッセイ

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力を抜いたアホな文章
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#エッセイ

エスカレーターが怖い

エスカレーターが怖い

いつからエスカレーターに乗れるようになったんだろう。全然覚えていない。でも、幼い頃あの怪物が恐ろしかったことは、今も覚えている。



とにかくリズムがつかめなかったんだ。ぬるぬると生まれ出でる階段達に、ずっと置いていかれる気分だった。大縄飛びに入れない感覚に近いかもしれない。でも、生き物に見えるぶんこちらのほうが難易度が高い。

・・・巻き込まれかけている。そんな感覚が背後から自分の足に絡まっ

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腸詰世界の双王

腸詰世界の双王

シャウエッセンとアルトバイエルン。それは王の名前。腸詰世界(ワールドオブウインナー)に君臨する、二人の絶対王者だ。

彼らは限界まで己を鍛え上げた。数多の熱地獄を生き抜いた肉体は、湯気をたてパンパンに膨れ上がっている。界王拳で言えば10億倍くらい。

お互いを睨みあいながらも、いまだに戦ったことがない二人の王。・・・それは何故か。

知っているからだ。決着がつかないことを。



名は、そのまま

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ぴぴぷるになりたい。

「ぴぴぷる」とは、僕であって僕じゃない。

ここに書いているものは間違いなく自分が書いているものだし、そこに嘘はないけれど。
でも、実際の僕はもっと性格が悪いし汚い言葉もたくさん使う。正直、友達といる時の僕をnoteの人たちに見られたら軽蔑する人が少なくないのではと怖い。

「ぴぴぷる」というキャラクターはどこか可愛い。
なにも言わなければこのたぬきが181センチもある若ハゲとはおもわないだろう。

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アタマ!ボカンボカン!

令和元年10月13日。石川県金沢市在住のぴぴぷること才能塊雄(さいのうかたまりお)がケアマネージャー試験を終えた。
かの才気溢れる若者が魂の抜けた顔をしているのをみて、たまらず弊社の社員はマイクを向けた。

社員「ぴぴぷるさん!ぴぴぷるさん!」

ぴぴぷる「・・・ん。なにかな?」

社員「その力のない表情。試験は、試験はどうだったのですか!?」

ぴぴぷる「あぁ。試験ね。試験。そう、僕は受験したの

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オジサン化の波

オジサン化の波

試着室で自分のルックスにがっかりするようになったのはいつからだろう。

ふだん鏡でみてるものより、5割減の残念なすがた。なんだこいつ。誰だよ。いや、これが俺とか嘘じゃね?
違うだろ。もっと俺はシュッとしてるはずだろ。頬のたれかたとか顎のたるみかたとかなにこれ。なめくじかよ。

自分のルックスのイメージが最盛期で固定されてしまっている。具体的に言えば高校3年生後期くらいで。あの頃のルックスパワーが1

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チョロQのように楽しんで

チョロQのように楽しんで

久しぶりに一人で呑みに来ている。肉を焼く音や、客の話し声、グラスの鳴る音が聞こえる。

居酒屋でnoteを書くなんてはじめてだ。note広しと言えど、居酒屋で呑みながら書いてる奴なんて僕くらいのもんじゃないか。もし他にもいたら友達になろうぜ。

ーー酒がうまい。

2月ほど前、仕事中にやたらと具合が悪く、これはと思って血圧を計った。下が120あった。
脈拍も100を越えてたけど、それはいつもの

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おっぱい怖い

おっぱいが好きだ。
一生見たり触ったりできなくなるくらいなら身投げしてしまうくらい好きだ。僕は無宗教だが、乳房教なら入信したい。
思えば女神像はすべからく巨乳である。男が自然とそこに手を伸ばしてしまうのは、その神々しさに導かれてのことかもしれない。

いつから好きだったかと考えれば、それはもう最初から好きだった。
世には様々なフェチズムがあるが、多くのものは性欲に何らかの刺激が加わり、それが煮詰ま

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いつかの夏に乾杯を

いつかの夏に乾杯を

ビールがおいしく飲めるようになったのはいつからだったろう。よく覚えていない。

はじめてその味に触れたのは、親父にちょっとだけと言ってもらったのだったか、お茶と間違えて飲んだのだったか。
いずれにしろ、衝撃的にまずく感じたことだけが確かだ。

毒だ。これは毒だと思った。これを喜んで飲んでる大人達は頭がどうかしてると思った。

それでも周りがやたらとうまそうに飲むものだから、なにか秘密があるのだろう

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蛾のおっぱい

蛾のおっぱい

虫が多い。梅雨で、ムシムシしているから。

おまえら今までどこに隠れてたんだってくらいいる。
車にはいつのまにか蜘蛛の巣ができてるし、家の扉をあけるとそのまま蛾が入ってくる。ここはおまえんちじゃねーよ。

今日も会社から帰ってくると、玄関の前にミドルサイズの蛾がいた。たまーにこの世の邪悪を詰め込んだような柄とサイズのヤツもいるから、それに比べりゃかわいいもんだ。
それに、蛾ってのはある程度の大きさ

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木と根と子供

木と根と子供

田舎を散歩していると木がよく目に入る。
綺麗に並んで町を彩るものもあれば、雑然と育って自然を臭わせるものもある。

その中に、根っこが露出してしまってる奴がいる。
コンクリを盛り上げてしまっているものは勿論、真横から無理やり上へ生えている奴もいる。その根っこは、土に食らいついているかのようだ。

それを見ていると「巨人になって、これを思いっきり引っこ抜いたらどうなっちゃうんだろう」といつもおも

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胃能不全の勇者

胃能不全の勇者

胃袋が老いてきた。

食欲はむかしと変わらずにここにいる。僕を支配する内なる悪魔が。
こいつの手によって、並盛を食べるはずが特盛になってしまったことが何度あったか。いや、その上チャーシューをトッピングしたり煮卵をトッピングしたり。あまつさえライスも大だと!?ふざけるな!

こんな風にもてあそばれた挙句、僕のおなかはポンポコリンになった。This is 妊婦。
もう5年は妊娠してるはずだが、うん

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タンブラーと踊る

タンブラーと踊る

北陸はお日様と仲がよくない。嫌われてるというほどじゃないけど、マックで見かけても声をかけないくらいだ。

つまり、晴れの日が少ない。
今日は天気がいいなと思っても、いつの間にやら曇ってしまう。
特ににここ最近は雨や雪ばかりで落ち込んでいた。

そして迎えた待望の日。
休み。休日。オールタイムシエスタ。お日様さんさんのスーパーホリデー!

軽く二日酔いの体を起こして洗濯物を干し、夕飯の準備を済ませれ

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ミニぷるの冒険

ミニぷるの冒険

露天風呂でぼーっとしている時や、カフェでぼーっとしている時、自分が小人になる妄想をする癖がある。その時の景色をダンジョンに見立て、ミニサイズの僕は冒険していくんだ。

生垣という広大な森をさまよったり、壁の出っ張りの上を全速力で走っていったりする。
なぜかその時の僕は超人的身体能力がある設定なので、バッタもびっくりな跳躍で縦横無尽に駆けてゆく。

突然強い風が吹いたりすることもある。そんな時は、

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のとじま水族館に行ってきたよ

のとじま水族館に行ってきたよ

3月までのタダ券があったから嫁さんと水族館へ行ってきたよ!水族館なんて小学生以来で、少しワクワク。

ここの目玉はジンベイザメらしくって、サメかぁ〜・・・クラゲが見たいなぁ〜なんて思ってたんだけど・・・

でかっ!!!

でけぇ!!!

入って一瞬で心を掴まれた。

イワシの大群も迫力まんてん!

チンアナゴはヘンテコな生き物で気に入ったし

コウイカも迷惑そうな顔がキュートだし

ウツボ二匹は悪

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