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胃能不全の勇者

胃袋が老いてきた。

食欲はむかしと変わらずにここにいる。僕を支配する内なる悪魔が。
こいつの手によって、並盛を食べるはずが特盛になってしまったことが何度あったか。いや、その上チャーシューをトッピングしたり煮卵をトッピングしたり。あまつさえライスも大だと!?ふざけるな!

こんな風にもてあそばれた挙句、僕のおなかはポンポコリンになった。This is 妊婦。
もう5年は妊娠してるはずだが、うんこしか産まれてこない。

コンビニやスーパーに行く。日によって夕飯は出来合いであったり手作りであったりするが、それ以外に買わなきゃいけないものがある。深夜のおつまみだ。
ここでも、奴はまさしく悪魔のように囁いてくる。

「揚げ物は酒に合うよな」

「あれぇ、1個で足りるのか?」

「そうだよなぁ。2個は欲しいよなぁ?」

「あー、でもさ。明け方まで飲むんだし、やっぱり足りないんじゃねぇ?」

「足りねぇとやだよな?」

「酔っぱらって歩いてコンビニ行きたくねぇよな?」

「そうそう。余ったら次の日のつまみにすりゃいいんじゃねぇ?」


手のひらの上で踊らされた結果、カゴの中には4、5個のおつまみが入っている。あとロング缶が5本。
レジが鳴る。ピッ。ピッ。ピッ。

「合計で2235円になりまぁーす」

そして、深夜0時からフィーバーする毎日。
煩悩エブリデイを送って幾数年。僕の口座は一向に増えることなく、お腹に脂肪ばかりが貯金されていった。10年前と比べて、体重は20キロ増した。あぁ、輝かしいあの頃よ・・・。

しかし。最初に言ったように、胃袋は確実に老いてきている。
よーし貪るように食べるぞー!と思って一人パーティをはじめても、すぐにお腹がいっぱいになってしまう。食指が伸びない。

悪魔の手のひらで踊るだけの体力が、そもそも無くなりつつあるのだ。
大きな食欲を抱えながら、食べようという気持ちが起きない。これはもうあれだ。EDだ。

うう・・・。それなのに、それなのに、

体重が減らない・・・!!!!!


胃袋がついてこれないと見るや、今度は脂肪にターゲットを切り替えるとは、悪魔め。くそ!悪魔め!!

夜勤明けにラーメン特盛食べたりはしてるけど!!悪魔め!!!

夜勤明けにカツカレーとうどん食べたりはしてるけど!!悪魔め!!!

休みに二郎インスパイア食べたりはしてるけど!!悪魔め!!!

休みにかつ丼とうどん食べたりしてるけど!!悪魔め!!!

くそ!!僕は負けないぞ!!悪魔め!!






僕をサポートすると宝クジがあたります。あと運命の人に会えるし、さらに肌も綺麗になります。ここだけの話、ダイエット効果もあります。 100円で1キロ痩せます。あとは内緒です。