おっぱい怖い

おっぱいが好きだ。
一生見たり触ったりできなくなるくらいなら身投げしてしまうくらい好きだ。僕は無宗教だが、乳房教なら入信したい。
思えば女神像はすべからく巨乳である。男が自然とそこに手を伸ばしてしまうのは、その神々しさに導かれてのことかもしれない。

いつから好きだったかと考えれば、それはもう最初から好きだった。
世には様々なフェチズムがあるが、多くのものは性欲に何らかの刺激が加わり、それが煮詰まった結果の産物だ。初めから皆が求めているものはひとつだけ。そう、おっぱいである。

スマホやTVに映る御神体を見つめながら、お祈りを捧げる毎日。その日の信仰心の高ぶりによってお祈りにかける時間は変わるが、とにかく毎日祈っている。
ネットという海のなかで悠然とそびえたつFANZA（旧名DMM）。かの厳島神社を彷彿とさせるその社にお布施をすれば、様々なお守りが手にはいるのだ。
毎日のように参拝してはお布施をしている僕は、かなりの徳を積んでいる。もはや来世はおっぱい自体になっているのではないか。

だけど、たまに思う。
なぜこんなに求めてしまうのだろう。あのふたつの膨らみを見るだけで、なぜ心が騒ぐのだろうと。

柔らかそうなのが性的だって？それなら豆腐でいいじゃないか。キメ細やかで柔らかいのはかわんないじゃないか。四角いのがダメだって、ざる豆腐はどうだってんだ。

母性を感じるからって？お前は母ちゃんに欲情すんのか。母性と性欲は対極の位置にあるはずだ。聖母マリアのエロ本があったって僕は買わないぞ。MARIAってAV女優はいそうだけどさ。近親相姦もので「イエス！」って叫んでいたら、洋ピンに間違われてしまうぞ。僕は洋ピンじゃお祈りできないんだから。

なんなんだ。なんで僕はおっぱいが好きなんだ。そもそも最初から好きなのもおかしくないか・・・？

もしかして、なにか操作されてるんじゃないか。産まれてくる男の子達は、神の手によって無条件でおっぱいを好きになるようプログラミングされているんじゃないか。
そう考えると、神様は男がおっぱいが好きだと都合がいいってことだ。

・・・神の世界の政治的動きに利用されてる気がしてならない。

もしかして、たまにいる貧乳好きとかいうイカれ野郎もあれはあれで操作されてるのでは。おっぱい信者の我々が与党だとすれば、彼らは野党なのでは。
いまの政権が変わった瞬間、世の男達は急に「小さいおっぱい最高！」と叫び始めるんだ。

怖い。僕たちは操作されている。この真実にたどり着いた今も、あの双丘の後光に目がくらみそうだ。お祈りせずにはいられない。

怖い。おっぱい怖い。僕たちは操作されている。自然にチラ見してしまうのも、かがんだときに服のなかを覗こうとしてしまうのも、すべては操作されているからなんだ。

あぁ、きっとそのうちに神の使いがやってくる。そして聞いてくるだろう。お前は乳房教徒かと。
僕の熱心なお布施記録を見せれば、ひとまずは帰ってくれるかもしれない。でも、選挙は定期的にあるものだ。次にまたやってくるその時まで、やはりお布施は続けないといけない。

怖い。おっぱい怖い。