にゃお

何かが変。散文。仏露文学、精神分析学や医学哲学が好き。通信の大学で哲学を専攻しています…

にゃお

何かが変。散文。仏露文学、精神分析学や医学哲学が好き。通信の大学で哲学を専攻しています。躁鬱。

記事一覧

やっと捨てたゴミは分別さえできずに、自治体の人がそれを持って家に来て10分間も怒られていた。鬱がすぎて何にも言えない。何を食べても胃が痛い、薬でフラフラ、仕事の辞め方は分からない、身辺整理も手につかない。外の音にビクビクしてはやっぱ無理と思うのに親しい数人が頭をよぎる。夜が明ける

にゃお
2日前
15

待つこと、死ぬこと散文

 先週、遺書を書いた。 片手で数えられる、今大事だと思う人たちにそれぞれ、「ごめん、先に行く」と書いて、そのあとに少し付け足した。葬祭扶助と死亡届について調べて…

にゃお
4日前
20

境界散文【引用】Gabor Mate, M.D.『身体がノーと言うとき』

うわ、と思う。  わたしは、人体と、中身が分離している感覚がある。これは今に始まったことではなく、ではいつからかと問われると、分からない。それこそ、拒食症にな…

にゃお
12日前
16

これから仕事なんだけどマジで元気がなくて寝てなくて晴れた天井を見つめててマジでここから数時間が危ないバックレ境界勝負なので誰か激励してください。スマホ持った左腕がボロボロで草。ここでしか言えないのも孤独。2時間後に家出ます。

にゃお
2週間前
12

怠惰散文

これは小説しれないし、誰かの日記かもしれない。  ODした。明日は休みで、わたしは疲弊しきっていてた。さっき目が覚めて、当然だが体が全く動かない。全身の筋肉が痛…

にゃお
3週間前
23

診察日記

「どうですか最近は。」 「最悪ですね。」 繰り返す同じやりとり。人生は最悪だが今のクリニックの先生はとても良いのだと思う。5分診療だったことはまだなく、いろいろ…

にゃお
3週間前
23

6連勤キツすぎて6連勤は無理ですって書いたのに7連勤入れられて、じゃあ次からは、「『6連勤と7連勤は無理です』とちゃんと書いてくれ。」と言われる謎の会社で働いている。5連勤も普通に嫌だけどな…

にゃお
4週間前
9

痛みと神散文 - 『麻酔はなぜ効くのか〈痛みの哲学〉』外 須美夫【書評】

麻酔科医で現在ペインクリニックの医師である外 須美夫氏の著者『麻酔はなぜ効くのか〈痛みの哲学〉臨床ノオト』を読んだ。 彼の、まるで医師とは思えない文学的センス、そ…

にゃお
1か月前
16

湯船散文日記

わたしは5時に起き、22時に帰宅してお湯を溜める。日付が変わろうとしている。湯船に浸かり文章を読む。タブレットでは広告が流れる。 「社会を知らないまま、大学を卒業し…

にゃお
1か月前
19

死なない散文日記

これ、アンリ・ミショーだったか。これを読んだとき、なんて詩だ、と純粋に思った。読める言葉でありながら、この世の地に脚をついているとは思えない、あっちの世界との間…

にゃお
1か月前
21

終わりの始まり

突然だが、わたしは『死』が始まった日を明確に記憶している。 わたしはいつも、死に憧れている。その幸福の瞬間を、美徳とし、大変美しく思っている。(この感覚はわたし…

にゃお
1か月前
17

梅雨税散文 ‐ 『カフカはなぜ自殺しなかったのか』頭木弘樹

死にたかった人の、本を読む。 死のうとした人の、歌を聴く。 死ねない自分の、言い訳を探すために。 「どうですか、気分は」 「最悪ですね。」 これはわたしの診察室で…

にゃお
1か月前
22

抱擁

抱擁、それは安心。わたしは誰かを抱きしめるのも、抱きしめられるのも大好きである。他人の体温に、その人が、生きている感覚に安心する。大事な人にはいくらでもハグした…

にゃお
1か月前
16

人体代休散文

今から大変不謹慎なことを書く。 (※不快に感じたらブラウザバックしてください。) わたしは昔から、体が動かなくなる人や、休職せざるを得なくなる人が、羨ましい。そ…

にゃお
1か月前
13

大変絶望的な記事と、(わたしにしては)比較的ポジティブな記事がひとつずつ用意できていて、その落差にどうすればいいのか分からなくなっているので、恐れ入りますが今から2記事同時に投稿します。

にゃお
1か月前
7

散文日記 - 『動物・気違い・死』J・P・ペーテル

昔住んだ駅で人身事故。 夕暮れが綺麗な駅だった。 どの辺かな。 ホームかな。 わたしがあの駅で死ぬなら、八王子側の、夕日が一番綺麗に見えるあそこを選ぶ。少し細くな…

にゃお
2か月前
15

やっと捨てたゴミは分別さえできずに、自治体の人がそれを持って家に来て10分間も怒られていた。鬱がすぎて何にも言えない。何を食べても胃が痛い、薬でフラフラ、仕事の辞め方は分からない、身辺整理も手につかない。外の音にビクビクしてはやっぱ無理と思うのに親しい数人が頭をよぎる。夜が明ける

待つこと、死ぬこと散文

待つこと、死ぬこと散文

 先週、遺書を書いた。
片手で数えられる、今大事だと思う人たちにそれぞれ、「ごめん、先に行く」と書いて、そのあとに少し付け足した。葬祭扶助と死亡届について調べて頭を抱えた。朝が来て、わたしは生きるために病院に行った。矛盾している。もう訳が分からない。まあ最近はそんな感じであったので、死ぬために都合が良いという理由で、いろんな決断をいとも簡単にしてしまった。わたしはきっとこれからもそうするだろう。診

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境界散文【引用】Gabor Mate, M.D.『身体がノーと言うとき』

境界散文【引用】Gabor Mate, M.D.『身体がノーと言うとき』

うわ、と思う。

 わたしは、人体と、中身が分離している感覚がある。これは今に始まったことではなく、ではいつからかと問われると、分からない。それこそ、拒食症になった頃からかもしれない。わたしは生きるのが下手なので、いつもヘトヘトに疲れている。生きていくことは苦しい。死ぬのも苦しい。何もしたくない。だけどもわたしは体力がある。人より長時間働いても売上は伸びるし、人体の回復は早い。
 看護助手をして

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これから仕事なんだけどマジで元気がなくて寝てなくて晴れた天井を見つめててマジでここから数時間が危ないバックレ境界勝負なので誰か激励してください。スマホ持った左腕がボロボロで草。ここでしか言えないのも孤独。2時間後に家出ます。

怠惰散文

怠惰散文

これは小説しれないし、誰かの日記かもしれない。


 ODした。明日は休みで、わたしは疲弊しきっていてた。さっき目が覚めて、当然だが体が全く動かない。全身の筋肉が痛いし怠い。起き上がるなんてとんでもない労力に感じる。それが人体のせいなのか、精神的に疲労しているからなのか、今の自分には判断できない。

 仕事はできる。人間関係は、できない。いつものパターンである。「嫌」と言えなくて、言われたこと

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診察日記

診察日記

「どうですか最近は。」
「最悪ですね。」

繰り返す同じやりとり。人生は最悪だが今のクリニックの先生はとても良いのだと思う。5分診療だったことはまだなく、いろいろ尋ねてくる。わたしは調子に乗って親の話をしたり、最近つけた傷跡を見せたりして少し救われた気持ちになる。そのあとで、「紙に『母親と似ていて嫌だ、こうなりたくないと思うこと』を箇条書きにして、それぞれに対処しよう」とズドーンと心に穴の空く治療

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6連勤キツすぎて6連勤は無理ですって書いたのに7連勤入れられて、じゃあ次からは、「『6連勤と7連勤は無理です』とちゃんと書いてくれ。」と言われる謎の会社で働いている。5連勤も普通に嫌だけどな…

痛みと神散文 - 『麻酔はなぜ効くのか〈痛みの哲学〉』外 須美夫【書評】

痛みと神散文 - 『麻酔はなぜ効くのか〈痛みの哲学〉』外 須美夫【書評】

麻酔科医で現在ペインクリニックの医師である外 須美夫氏の著者『麻酔はなぜ効くのか〈痛みの哲学〉臨床ノオト』を読んだ。
彼の、まるで医師とは思えない文学的センス、そして麻酔科医という視点からの衝撃的な臨床の記録に大変感銘を受けたため、軽く紹介させてほしい。

本書では麻酔の歴史や麻酔科医の誕生に触れたのち、著書である外氏の長い麻酔科医としての印象的な臨床経験が語られる。随所に彼のセンスを伺える詩や俳

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湯船散文日記

湯船散文日記

わたしは5時に起き、22時に帰宅してお湯を溜める。日付が変わろうとしている。湯船に浸かり文章を読む。タブレットでは広告が流れる。
「社会を知らないまま、大学を卒業して……(以下それは悪しからぬことだと指摘)。」

社会だって?
みんな気づいてないだけだ。働く日々が毎日、続くということを。続くということは苦しいことを。演技をする無意味さを。その虚しさを。そうして作られた世界の表面を、我々は" 社会"

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死なない散文日記

死なない散文日記

これ、アンリ・ミショーだったか。これを読んだとき、なんて詩だ、と純粋に思った。読める言葉でありながら、この世の地に脚をついているとは思えない、あっちの世界との間をふわふわ浮遊する言葉。

何年か前、看護助手として勤めた療養病院に、線路に飛び込み生き残ったひとがいた。彼女が失ったのは脚の一部と、自我だった。果たしてそれを生き残ったと我々は言って良いのだろうか。ミショーに言わせれば、彼女の肉体に留まっ

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終わりの始まり

終わりの始まり

突然だが、わたしは『死』が始まった日を明確に記憶している。

わたしはいつも、死に憧れている。その幸福の瞬間を、美徳とし、大変美しく思っている。(この感覚はわたしにとっての通常運転である。)だけどもわたしは弱い。死ぬ強さなど到底持ち合わせていない。かといって凛と生きてゆく力もない。せいぜい気休めに、死んだ人が書いた文章を読む程度である。救いなど無いと知りながら、わたしは彼らに救いを求めている。死ぬ

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梅雨税散文 ‐ 『カフカはなぜ自殺しなかったのか』頭木弘樹

梅雨税散文 ‐ 『カフカはなぜ自殺しなかったのか』頭木弘樹

死にたかった人の、本を読む。
死のうとした人の、歌を聴く。
死ねない自分の、言い訳を探すために。

「どうですか、気分は」
「最悪ですね。」

これはわたしの診察室での定番のやりとりである。梅雨で、これから海外に住んでいたときの税務処理に手を付けなければならないのだから気分が最悪なのは当然であるが、まあ何度病院を変えても、わたしはいつもこんな感じである。今まで様々な病名がついた。双極性障害にうつ、

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抱擁

抱擁

抱擁、それは安心。わたしは誰かを抱きしめるのも、抱きしめられるのも大好きである。他人の体温に、その人が、生きている感覚に安心する。大事な人にはいくらでもハグしたい。この前は別れ際、一度運転席に乗った女友達をわざわざ車から降ろしてまで抱擁した(させた)。

子供の頃、好きな友達とよくハグした。手も繋いだ。帰ったらネコを抱きしめた。一年生のとき学童で仲良くなったさりなちゃんという女の子と抱きしめ合って

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人体代休散文

人体代休散文

今から大変不謹慎なことを書く。
(※不快に感じたらブラウザバックしてください。)

わたしは昔から、体が動かなくなる人や、休職せざるを得なくなる人が、羨ましい。それも、ものすごく羨ましい。

わたしは、人体における忍耐力のようなものが、そして体力が、どうやらかなり、ある。そっとやちょっとで ”体が” 壊れることなど決してない。立ち仕事をして気がつけば10年近く、体調不良での欠勤はゼロ。

一方メン

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大変絶望的な記事と、(わたしにしては)比較的ポジティブな記事がひとつずつ用意できていて、その落差にどうすればいいのか分からなくなっているので、恐れ入りますが今から2記事同時に投稿します。

散文日記 - 『動物・気違い・死』J・P・ペーテル

散文日記 - 『動物・気違い・死』J・P・ペーテル

昔住んだ駅で人身事故。
夕暮れが綺麗な駅だった。

どの辺かな。
ホームかな。
わたしがあの駅で死ぬなら、八王子側の、夕日が一番綺麗に見えるあそこを選ぶ。少し細くなっている、遠くの山が微かに見えるホームの先の、白い柵を跨ぐ。夕暮れ時には黄色になる、あの剥げた柵を。

立ち入り禁止。生きているのなら。

どんなひとだったかな。
疲れていたかな。それとも、ずっと前から決めていたのかな。
遺書、書いたか

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