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逮捕しちゃうぞ。┃僕の妄想物語
…このお話は性的な表現を含みます♡…
「・・・な、カケルのLINE見た?」
「うん。LINEでこの長文って、あいつバカなんじゃないの」
「ほんとだ。頼むつもり、微塵もないだろ。
ついでに風邪ひいて寝込んでるって絶対ウソ」
ブーブブッ・・・
「あ、また来たぜ」
「「「 なんだよあいつ・・・って、うお!? 」」」
「エ、エロいなぁ……!」
ガラガラガラ・・・
「早く見てぇぇ!!!・・
[1分小説] 適材適所
ベッドの上で目を覚ます。
カーテンの隙間から、うっすらと弱い光が射し込んでいた。
『もう、明け方だろうか?』
ぼんやりした頭で、律子は思う。
体が底なしにだるい。
横を向くと、愛欲を満たしたと見える男が寝息を立てて転がっていた。
痛む頭を押さえながら、彼女は昨夜のことを思い出す。
・
大理石の床、高い天井、壮麗なシャンデリア。
どこを見渡しても眩い光を放つ、豪華なホテルのロビー。
[1分小説] ホラー
「ねぇみっちゃん、怖い話ききたい?」
「えぇ〜、なんで突然ホラーなのぉ?」
みっちゃんが「えぇ〜」と言って口を開く時は、
たいてい話の先を待っている時である。
「サチったら、あたしが怖い話苦手なの知ってるでしょ〜」
会話を切り出したはサチ続ける。
「そういうホラーじゃないから」
サチの話はこうだった。
・
休日、閉店間際の夜9時少し前に、チェーンの喫茶店に入った。街でよく見かける、
[1分小説] からだ
金曜日の18時半を過ぎる頃だった。
駅へ向かう人で混雑する道を、制服姿の香澄は歩いていた。
『綺麗な人だな』
ふいに、勤め人らしき女性が横を通り抜けていった。
自分より10歳くらい上、20代後半といった年齢だろうか。
艶のあるロングヘアーをなびかせて歩く女性の後ろ姿を見て、香澄は思う。
大人っぽいジャケットは、まだ高校生の自分には着こなせない。
ブラウンの長いフレアスカートと細いヒールの
[1分小説] もしも私が鳥だったら|#青ブラ文学
カッカッカッカ...
" If I were a bird, "
「いいか、今書いたのは仮定法という文法だ」
カテーホー?
「仮定法は本来であれば中学3年で学習する単元だ。
しかし我が校では2年生のうちに概要だけやる」
ガイヨー?
「一昨年から公立入試の出題範囲となった単元だ。しっかり聞いておけ」
おけー!
・・・な、わけないでしょ。
はぁ。早く終わらないかな授業。
「こ
[1分小説] 哀|#言えなかった『ごめんなさい』
秋が来た。
貴恵と別れて、今年でちょうど5年になる。
人はなぜ、一番楽しかった時間のままで生きられないのだろう。
滅多に笑わなかった彼女がはじめて笑顔を見せた時の表情が、今もまぶたの裏で焦点を結ぶ。
・
大学3年次のことだった。
2回振られて、3回目の告白で、ようやく貴恵は俺と付き合うことを認めた。
人に頼ることが苦手な彼女を、誰よりもそばで見て、支えたかった。
いや、そんな理由はきっと
[1分小説] 哀|#言いそびれた『ありがとう』
眞と別れて、この秋で5年が経つ。
同じ大学を卒業して1年半が経つ頃、
私から別れを切り出した。後悔はしていない。
でも、彼はとても誠実でいい人だったと、今でも思う。
・
夏が影を潜め、秋が本格的に日常を覆う頃だった。
眞の部屋の空気が、妙に冷たかったことを覚えている。
私が靴を履いていると、背後で嗚咽が聞こえた。「貴恵、行くなよ」
「他人の気持ちは分からないんだよ、分かっているつもりな