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裸の履歴書vol.8~引き際
インターネットの普及に伴い競輪選手の代謝制度も、ファンへの認知度も上がってきた。代謝制度の対象となり、強制引退となる者。S級からA級への降格を機に引退する者、若しくは最下層の代謝争いを避けその以前に引退する者。競輪選手の引退といえば多様な去り方がある。
2012年前期(1~6月)の私は代謝制度の只中にいた。つまり「代謝制度の対象となり、強制引退となる者」というわけだ。過去に数度経験している私は
裸の履歴書vol.5~ベクトル
競輪選手になるための学校。それが、日本競輪学校(現日本競輪選手養成所)。競輪選手になるためには、ここを卒業(卒業検定がある)して資格検定に合格しなければならない。入学試験に合格した者ならば、まず落ちることはない。稀に落ちる者もいる。在学期間は10ヶ月。
入学して氣づいたことが二つ。私の「受験回数4回は平均(4~5回※最大9)」だったこと。一発合格は「エリート」と呼んでいた。全国から選ばれた7
裸の履歴書vol.4~見えない敵…
浪人生活の始まり。師匠に弟子入り、住み込み生活の始まりであった。師匠宅に住み込んでの生活となると、落語家の修行を連想されるかと思うが、體(からだ)の大きな若者が何人も同じ屋根の下で寝食を共にする、それはさながらプロレス道場の寮生活のようであった。自転車のトレーニング以外の時間はとにかく雑用に追われる毎日。「のんびり」なんて言葉は皆無。
住み込みで共同生活を経て、よかったことは、我慢と忍耐の経験