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脂肪悪玉説

~運動家_ヤスタの運動簿vol.6~

ほとんどの人が、脂肪の多い食事は不健康なのだと思い込んでいる

「人体600万年史〔下〕」ダニエル・E・リーバーマン p170


脂肪はすべて同じではない

「人体600万年史〔下〕」ダニエル・E・リーバマンp170


「血圧」に続いて問題にされがちなタイトルとなりましたが、脂肪(コレステロール)はとかく邪魔者扱いされるものであります。




脂肪悪玉説

「卵は※良質のタンパク源だからたくさん食べましょう!」と説くと、判で押したように「コレステロールが~。」との返答があります。
(※良質のタンパク源=プロテインスコア100)

コレステロール値が高い→高脂血症→動脈硬化→心筋梗塞・脳梗塞

といった植え付けられ方をしているからと思われます。


果たしてそうでしょうか?


先ずは、

コレステロールとは…

~人間の體(からだ)に存在する脂質のひとつで、細胞膜ホルモン胆汁酸を作る材料となっている~

詳しくは↓


細胞膜やホルモンの材料であって、効率のよいエネルギーになって、ビタミンの吸収にも関与するコレステロールは「必要不可欠なもの」であります。

コレステロールは主に肝臓など(体内で合成:60%程度)で作られます。残りは食物から摂る必要があります。そうすると肝臓の負担が軽減されます。

ですから、食事から摂る必要があるのです。


コレステロールが高いと言う場合、LDLが挙げられます。HDLというのも出てきます。どういったものか?簡単に見ていきましょう。


回収役か分配役か

悪玉(LDL)とか善玉(HDL)とか謂われますが…分配役か回収役かの違いでしかないのです。

LDLとHDLの最後のLは「リポタンパク(lipoprotein)」の略
LDL(low density lipoprotein
HDL(high density lipoprotein )

リポタンパク(タンパク質と結合したもの)という「乗り物に乗って、コレステロールが運ばれる」仕組みです。

〔HDLとLDLの役割〕
HDL:各臓器や組織からコレステロールを回収し、肝臓に運ぶ
各臓器・組織→肝臓
LDL:肝臓から各臓器・組織にコレステロールを分配する
肝臓→各臓器・組織


LDLの種類が重要

〔LDLにある2つのタイプ〕
大型低密度LDL
血流のなかに浮かんでいる
(※大き過ぎるために、血管内壁の裏にもぐりこんでアテローム性動脈硬化プロセスを始めることはできない)

小型高密度LDL
浮かずに沈んでしまう
(※血管細胞の裏側に入り込めるほど小さいので、プラークの形成に特異的に関与しているとみなされている)

小型高密度タイプのLDLのレベルを押し上げるのは、炭水化物なのである
(※食事性脂肪は確かにLDLのレベルを押し上げるものの、それが押し上げているのは大型低密度タイプのLDL)

「果糖中毒」ロバート・H・ラスティグ p247


動脈硬化を起こす犯人は、小型高密度LDLであり、その手助けをするのは炭水化物(糖質)であります。


肝臓生成脂肪は私たちが摂取する脂肪から発生するものではない。炭水化物果糖アルコールを取り込むと肝臓で生成される。糖尿病や心臓発作のリスクを高めるのは、摂取した食物脂肪ではなく、この脂肪だ。

「最高のランニングのための化学」マーク・ククゼラ p218


上記から考えられるのは、「悪玉は食事から摂る脂肪ではなく、トリグリセライド(使われなかった炭水化物)となります。

控えるべきは…
脂肪ではなく糖質(とくに果糖)であると思われます。



なにを摂らないか?


存在しうるすべての脂肪のなかで最悪なのは、高温高圧のもとで工業的に飽和脂肪に変換された不飽和脂肪だ。この人工トランス脂肪は、腐敗しない(したがって多くの加工食品に使われる)が、肝臓の働きをめちゃくちゃにする。LDLを増やし、HDLを減らし、体内でオメガ3脂肪の利用に干渉する。トランス脂肪は本質的に、一種の緩慢な毒だ

「人体600万年史〔下〕」ダニエル・E・リーバマンp171


基本に立ち返り、優先順位はいかに毒を摂らないか?となります。
(※トランス脂肪は菓子パン、スナック菓子・揚げ物、加工品などに含まれている)



低すぎる基準値

日本動脈硬化学会による脂質異常症のガイドライン2022

〔脂質異常症の診断基準〕
LDL…140mg/dl以上
HDL…40mg/dl未満
トリグリセライド(TG)…150mg/dl以上
総コレステロール=LDL+HDL+(TG÷5)

※トリグリセライドとは…中性脂肪


「高脂血症」「脂質異常症」と診断されて薬を処方される前に下記を…

コレステロール値は高いほうが長生きする

~コレステロール値は脳梗塞に関係しないが、 出血性脳卒中に対してはコレステロール値の高い群が発症率は有意に低かった
(秋田県住民を追跡した論文)

~脳 卒 中 で は 男 女 と も 総 コ レ ステロール値の高い群が死亡率は低 くなってい た
(NIPPON DATA 80)

「高脂血症群と非高脂血症群について入院中の死亡率の比較」
~脳梗塞 、脳内出血、クモ膜下出血のすべての病型で 高脂血症群の方が有意に死亡率は低かった
※糖尿病、高血圧、高脂血症の治療薬を服用していなかった人を対象
(脳卒中急性期患者データベース構築研究(JSSRS)に登録された症例から)


〔スタチン(コレステロール低下薬)の副作用〕
筋肉障害・横紋筋融解・心筋障害・ミトコンドリア機能障害・肝機能障害・皮膚障害・白内障・腎機能障害・記憶喪失・認知障害・睡眠障害・うつ・性的障害・攻撃性・ガン・出血性脳卒中・高血糖・ホルモン異常・甲状腺異常・間質性肺炎・呼吸障害・神経変性疾患・自己免疫疾患・臭覚減退・骨髄毒性・重度胃潰瘍

~日本の公的医療制度が経済的破綻に 瀕してい る 中 で 、コ レ ス テ ロ ー ル 低 下 薬 に 年 間 3000億 円 近 く が 使 わ れ 、診 察 料 と検査料を含めるとその医療費は 9000億円と推計されている ~

必要の無い人達へのコレステロール低下薬治療という無駄かつ危険な医療を終わりにする時である



LDLの高値を氣にしなければならないのは…

家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)

という、LDLのレセプター(受容体)が遺伝的に欠落している方です。
(※100万人に1人という程度で認められる)



大櫛陽一氏による(70万人調査でわかった)年齢別、男女別の、

新基準値

をご参考までに。

基準範囲…この範囲で特に他に異常がなければ、医師の治療を受ける必要はない
目標範囲…基準範囲であれば問題はないものの、できれば生活習慣を改善することによって、この範囲を目指すことが勧められる

「「血圧147」で薬は飲むな」 大櫛陽一 p182~183
「「血圧147」で薬は飲むな」 大櫛陽一 p184~185
「「血圧147」で薬は飲むな」 大櫛陽一 p186~187
「「血圧147」で薬は飲むな」 大櫛陽一 p188~189
「「血圧147」で薬は飲むな」 大櫛陽一 p190~191


新基準値に、ご自身の数値を照らし合わせてみて、基準範囲を超えている場合、

栄養改善として…

LDLを減らす…ビタミンC・ナイアシン(ビタミンB3)
ビタミンC:コレステロール→胆汁酸の代謝に関与
ナイアシン(ビタミンB3):LDL合成をおさえる作用
HDLを増やす…ビタミンE・パントテン酸・ナイアシン(ビタミンB3)
中性脂肪を下げる…低糖質


運動療法として…

〔有酸素運動〕
・心臓強化
・體全体での脂肪の蓄積や放出や消費を調整(肝臓と筋肉も含めた)

たとえば一週間あたり25kmほど歩くだけの運動でも、HDLの値をかなり上げ、血中トリグリセリドの値をかなり下げることが、多くの研究で一貫して明らかにされている

「人体600万年史〔下〕」ダニエル・E・リーバマン p169



〔HDLコレステロール〕
50以上だと…心臓病にかかりにくい
80以上だと…血管障害がほとんどない

「成人病は予防できる 活性酸素と成人病のメカニズム」三石巌 p134



以下に私の血液検査の数値の推移を示します。

2021年
2023年


LDL:114→107
HDL:56→86
トリグリセライド(中性脂肪):110→39
総コレステロール:192→201



効かないばかりか害になる!?

年齢にかかわらず、スタチン類は女性には無効。中年男性では悪玉コレステロールの値が大幅に下がったが、総死亡数は減っていない。ほとんどの人が、効果がないどころか健康を害する危険すらある

「医者に殺されない47の心得」近藤誠 p51





「カネの流れを追えば世の中が見えてくる」という例①

『20世紀の後半には、“コレステロール理論〟が出現し、そのときから医学界はコレステロール値を下げることにとりつかれたため、薬品と食品業界に数十億ドルのビジネスを展開させることとなりました』

「アーシング」クリントン・オーバー p107


「カネの流れを追えば世の中が見えてくる」という例②

コレステロールを下げるスタチン類は、世界中で売れている薬(2009年の米国での売り上げは1兆円レベル(145億ドル))です。アメリカでは2004年に「米国コレステロール教育プログラム」のガイドラインが改訂され、悪玉コレステロールの「基準値引き下げ」が推奨されました。その根拠に説得力がなく、委員9人中8人が製薬業界からお金をもらっていたこともわかって、抗議運動が起きました

「医者に殺されない47の心得」近藤誠 p48~49



こういった考察も…


水に注意…。



【まとめ】

・コレステロールは體(からだ)にとって必要不可欠であり、食事から摂る必要がある
・LDLもHDLも運搬役(分配か回収か)でしかない
・動脈硬化を引き起こす原因は中性脂肪(中性脂肪を増やすのは使われなくなったブドウ糖)
摂ってはいけないもの…トランス脂肪酸
過剰に摂ってはいけないもの…果糖
適量に調節するもの…炭水化物
・コレステロール値は高値より低値を氣にした方がよい
・栄養と運動はセットで



【ヤスタの見解】

降圧剤に引き続き医療に反目します。血圧の項でも述べましたが、「治る」とは薬を服用しなくてもよくなることであり、受診をしなくてよくなること。ここを理解しない限り、薬頼み、医療頼みの西洋医学依存からは抜け出せません。

私も、数年前までは脂質を避けた(無知ゆえに)食生活を送っておりました。食事における脂肪の割合を増やし、糖質は減らし(適量に)、悪い油脂(トランス脂肪酸など)を断ちました。結果は血液検査の通りです。


ご参考までに



いい脂質を摂れば、いい細胞が作られ、ひいては、いい体が作られるといっても過言ではありません

「その油を変えなさい!」内海聡 p39





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