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食を整える

 ~運動家_ヤスタの運動簿vol.3~


 アイシングテーピングとならんで今回を含め3部作のつもりで作成しておりました。最後は「栄養(nutrition)」について記していきます。
 
 
 スポーツパフォーマンスを左右する、または日常を快適に過ごすうえで、つとに重要なものが栄養です。


なぜ、栄養が重要なのか?


 パフォーマンスの向上や、QOL(生活の質)の向上を目指したときにベース(ピラミッドの土台?家の基礎?)となるものだからです。

パフォーマンスピラミッド

 

QOL(生活の質)の構成要素


 栄養がベースとなる理由は…

「You are what you eat.」
「あなたはあなたが食べてきた食べ物そのものである」
「あなたの健康は食べ物次第である」
(オーソモレキュラーの考え方を表す言葉としての西洋のことわざ)

最強の栄養療法「オーソモレキュラー入門」 溝口徹  p70

 上記のように、體(からだ)の構成成分は食べたもの體(からだ)に入れたものが左右するからであります。

 そこで、長年の疑問であったスポーツ現場でのエピソードと、自らの體(からだ)を使った実験から見えてきたことをご紹介します。

【血流の壁~スポーツ現場~】

 スポーツの現場で必ずと言っていいほどついてまわるのが、外傷・障害(足部傷害、股関節疾患、腰部傷害などの多様な)に対して行うリハビリの際に…
・セルフストレッチ処方→可動域改善なし
・パートーナーストレッチ実施→ストレッチ感よりも痛みが勝る…といった数多の現象。
 (※現在はストレッチに疑問を感じているため推奨はしていない)
 w-upで動的ストレッチを採り入れた際も、可動域が狭すぎて、安定性に欠け、ストレッチ種目を形作ること自体にエネルギーを消耗している有り様です。目的は競技練習に入るための準備なので、ここで時間を浪費してしまっては本末転倒です。種目のための練習になってしまっています。
 (※他に感じた印象としては触診する際に痛感する本人の自覚なしであろう筋緊張。「なんでこんなにガチガチなんだ!?」と毎回脳内にはいくつもの?が浮かんでました…)

 なぜ、ストレッチの効果が出ないのか(「真剣に取り組んでいないから?」)
 なぜ、ストレッチ感よりも痛みの感覚が上回るのか(「筋が短縮位のまま拘縮しているため?」)
 
なぜ、自分と彼らの軟部組織(筋、腱、靭帯など)の質が違うのか?

 スポーツ整形外科的領域では構造(マルアライメント、動作不良)の問題に着眼するアプローチを主とします。體(からだ)の使い方の誤り?使いすぎ?
 
 いいえ、その前の段階に行き着きます。筋が凝り固まった状態であるからと捉えます。 

 筋肉の仕事は1つ…「縮むことのみ」なため、伸縮性のない凝り固まった筋はストレッチをすると筋紡錘が自らを守ろう(防衛反応)と作動して収縮します。

 なぜ伸び縮みしない?血流が悪いから?

 
入浴後や運動後に、體(からだ)が解れて爽快感がある、よく可動する感覚は誰しも体験済みかと思われます。あれは血流促進されているからですよね?

血流抑制→酸素欠乏+栄養不足→伸縮性のない筋→慢性的な筋緊張という流れ?

 だとしたら、なぜ血流が悪く(抑制)なるのか?

 この何時もついてまわる血流の壁を解決してくれる発想が現れます。

 それでは、次の【自らを材料に~人體実験~】へ。

【自らを材料に~人體実験(じんたいじっけん)~】

 SNS(主にTwitter)から得られる情報を基に、なんとなくの感覚で始めていた栄養療法(體に氣を遣った食事)でしたが、本格的になりだしたのは『覚悟の人體セミナー』参加がきっかけでした。

 約10時間のセミナー受講で得られたことは、これまで重視してこなかった「栄養(既存の栄養学ではない)の重要性」への氣づきと「スポーツ現場での疑問」の答え合わせです。
運動と栄養はセット(どちらか1つでは期待する効果は薄い)
・彼ら(選手)の筋肉の質が悪いのは食が多分に関係している

栄養状態不良のサイクル

 
 體が変わる感覚を体感してみようと自らの體(からだ)を使った人體実験(2週間の糖質制限) と真に食を変えることを経て出した答え、
 食を整えると…  
エネルギー(ATP)が漲る
良質な筋(伸縮性のある)になる(血流の改善)
精神が安定する(腸内環境改善、腸脳相関)


『酸素と栄養素を運ぶのは血液』

 「血液の役割は酸素栄養素を運ぶこと」
 ・赤血球(ヘモグロビン)が酸素を運搬する
 ・血漿(90%が水分)が栄養素(タンパク質やイオン・ホルモン・グルコースなど)を運搬する

 つまりは血流が悪かったら…細胞に酸素と栄養素がうまく行き渡らない
 血流不足=酸素欠乏+栄養欠乏→ATPをつくれない→動き難い、疲れやすい



 「食を整える」というと、何を摂るか?になりがちですが、先ずは…

何を摂らないか?

が大事になります。
體(からだ)に害を為すものを入れない

體(からだ)に害を為すものとは…血液を汚すもの(血流を阻害するもの)

血液を汚すもの
砂糖
ミネラルが皆無であり、代謝の過程で體内(たいない)のミネラル(カルシウムやビタミンBなど)を使ってしまう
食品添加物(保存料、着色料、香料、人工甘味料、酸化防止剤など)
トランス脂肪酸(脂質の項で詳述)
農薬(ネオニコチノイド系、グリホサート系、有機リン系)
発ガン性などが数多くの調査で指摘されている


いよいよ、ここで…

何を(どう)摂るか?

(※個々の栄養素についての詳細は他記事で)

【高タンパク】

タンパク質のことを、英語で「プロテイン」といいますが、これは、「第1のもの」を意味するギリシア語「プロテイオス」からきています。

「食品の正しい知識 毎日の健康自主管理のために」 三石巌 p63

というくらいなくてはならないもの、それがタンパク質です。

タンパク質は筋肉、骨、髪、皮膚、爪などの組織の材料というのが、一般的なイメージかと思われますが、これは分類上、構造タンパク質(他は機能タンパク質)といって體の構成成分に分類されますが、もっと大事なのが「DNAの材料である」ことです。

「タンパク質が十分量あれば、DNAが勝手に病気を治してくれる」

「すべての不調は自分で直せる」 藤川徳美 p53

 DNAにはアミノ酸の配列を決める設計図(タンパク質のつくり方)が書かれているからです。

プロテインスコアで選ぶ
動物性たんぱくが点数が高く、中でもが最高点
卵を積極的に摂りましょう!

【1日最低限の摂取量】
健康の維持、病気の予防:体重×1
成長期の中高生、妊娠・授乳期の女性の場合:体重×1.5
慢性疾患からの回復期:体重×2g

過剰症の心配はいらない?
摂りすぎても消化吸収できずに体外に出るだけですから、心配は要りません。

食事でなかなか摂取が難しい方はプロテインの服用を推奨します。
プロテインの効用


【適量糖質】

目的:血糖値を安定させるため
食事摂取基準による糖質(炭水化物)摂取の目安量は…50~65%(総摂取エネルギー比)
摂りすぎると…AGE(終末糖化産物)を生成、酸化(老化)の元となる
目安:食後に眠気が起きない量(血糖値の乱高下が起きない程度)を探す
私の摂取量:420g/日(朝:200g、昼:220g、夜:0g)約55%
※ほとんど間食なしで55%ですので、常時お菓子類を摂取している方の場合は有に65%を超えることになります。

「茶碗一膳のごはん(約150g)=角砂糖約14個
糖質量を角砂糖○○個相当か?を換算するサイト「Sugar Stacks

「ほとんど甘くない」のは口のなかだけであり、消化管を通過していく過程で分解されることで、デンプンはブドウ糖に変化して吸収され、「甘い食べ物」に変身する。口のなかでは甘くないが、体内で甘い糖分に豹変し、血糖値を急上昇させるのだ。

「炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の化学」 夏井睦 p83

 糖質は程々に。


【脂質(良質な)】

 「ダイエットには低脂質~!」などと喧伝される脂質ですが、タンパク質同様、體(からだ)にとって、なくてはならないものです。

脂質の役割
エネルギー源になる(9kcal/g ※糖質の倍以上)
・細胞の材料になる(コレステロールとリン脂質は細胞膜の主成分)
・ホルモンの材料になる
・脂溶性ビタミンの吸収に関与する

コレステロールは高めのほうが健康的

160未満の人の死亡率は、200以上の人に比べて1.4~1.6倍
コレステロール値が高ければ高いほど、ガンになりにくいという研究も

ある調査によれば


オメガ3(炎症抑制)とオメガ6(炎症促進)をバランスよく

現代の食生活では1:10ともいわれている(オメガ6過多)。
1:3~1:4を目指す
オメガ3:えごま・アマニ・クルミ・シソ・インカインチ(グリーンナッツ)・魚油
オメガ6:いわゆるサラダ油(ごま・米・紅花・大豆・とうもろこし・菜種・ひまわり・綿実など)


避けたい脂
トランス脂肪酸
(自然界に存在しない不自然なもの、マーガリン、ショートニング)
菓子パンスナック菓子揚げ物などに多用されている
糖尿病・高血圧・コレステロール疾患・心臓血管疾患・ガン・リウマチ性関節炎・カンジダ症・アレルギー・うつ・慢性疲労・不妊など、あらゆるものに関与する
※上限値や使用そのものを規制している国もある…トランス脂肪酸に関する各国・地域の規制状況

積極的に摂りたい油脂
・アマニ・エゴマ油
・バター、マヨネーズ
動物性油脂
・肉(牛・豚・鶏・獣肉)
・魚油
・卵黄

【燃料とした場合】
糖質:ガソリン(闘争逃走といったダッシュ・ジャンプ等の短時間の動きの際に)
脂質:電気(立つ、座る、歩く、ゆっくり走るまでの日常生活全般

 日常生活を送るだけなら糖質は、限りなく0に近いくらいでもよいと思われます(活動量の多いアスリートは別)。

『炭水化物は水たまり、脂肪は太平洋だ』
(フィル・マフェトン)

「NATURAL BORN HEROES 」 クリストファー・マクドゥーガル p362


脂肪酸が材料となる代謝は効率がいい

ATPをたくさん作れると…

(アスリート):エネルギーが漲る→トレーニング量・強度⤴→パフォーマンス⤴
(一般の方):元氣になる→意欲的になる→行動的になる→QOL⤴


【ビタミン・ミネラル】

 「美容のために~健康のために~摂って!」などと、なんとなくの印象で語られることの多いビタミンミネラルです。三大栄養素を補助する役割を持っています。
 なんのために摂るのか?結論(限定的に)づけると…
 ATPを作るため
 エネルギー回路の補酵素(ビタミンB1・B2・ナイアシン(ビタミンB3)・パントテン酸(B5)・αリポ酸)
 エネルギー回路の補因子(ビタミンB群・鉄・マグネシウム)

ビタミンB群を含む食品

ナイアシンを含む食材

ナイアシンを含む食材


【塩】

塩を減らせ?
「減塩」は間違いで、正確には「精製塩を摂らない」です。
體にとってミネラルはなければならない。
精製塩:人間の體にとって必須のミネラルがほとんど取り除かれている

「天然の塩は人体に必要なミネラルが多数含まれており、体に有益なだけでなく、血圧もコントロールする作用を持つ」

「医学不要論」 内海聡 p108

 摂取量を気にせず、積極的に摂りましょう。


【調味料】

調味料を見直す
 しょうゆ、味噌、みりん、酢、酒などの調味料は、大量生産で流通しているもののほとんどが、もれなく食品添加物が載っかっており、見直す、見極める必要があります。
選ぶ基準:昔ながらの製法で、原材料に「/」以降がないもの


【実践、継続していくと見えてくるもの】

・體調(たいちょう)の違いに敏感になる
・味に鋭敏になる
・心の安定(腸脳相関)
・食べることへの関心が強くなる
・食べ物を大事にする
・體(からだ)が喜ぶものを摂ろうとすると自炊するしかなくなることに氣づく

【まとめ】

1:「摂らないもの摂るもの」の割り出し
2:高タンパク+適量糖質+脂質(良質な)
3:ビタミンミネラルの役割を知る
4:調味料選び
5:自炊のススメ(育成年代はお家の方に協力して作ってもらう)


【ヤスタの見解】

 私も以前は食に関して興味がなく、栄養の話をされると多くの方同様「じゃあ、食べるものなくなるのでは?」といった反応をする糖質中毒の思考停止状態でした。
 変われたのは疑う目を持てたことと、自らの體(からだ)で効果を実感したからです。

「健康はあくまでも目的ではなく手段

「あなたを殺す食事生かす食事」 内海聡 p79

 
 上記のように健康になってなに(目的)をするか?アスリートであれば一流選手の多くがそうであるように、栄養の重要性を学ぶ、知る(手段)ことがパフォーマンス向上(目的)に直結することを考えると実践、継続するモチベーションにつながるのではと思っております。

 様々な食や健康に関する書籍にも書いてありますが、100点を目指さないこと。70~80点を目指す。たまには普段我慢していて摂らないようにしている毒も食してみる。くらいで良いと思っております。

「食事は食物をただ摂取するだけの行為ではなく、一緒に食事を楽しむ相手との時間空間空気までも食べているのです」

「あなたを殺す食事生かす食事」 内海聡 p80

 

「美味しい」はいつも
「楽しい」を連れてきてくれる~


 「食べることは生きることだ」
 
 
 食を楽しんでください。

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