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写真・短編小説・詩

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2022年3月の記事一覧

夏の午後

夏の午後

夏の午後

私のお家の隣から

蝉が庭木に飛んできた

なんて大きな声でしょう

これじゃ昼寝も出来やせぬ

あまり大きな声なので

追い出されてきたのでしょう

ホウキを手にしてみたけれど

短き命と思うたら

追い出すにしのびなし

ここで存分鳴くがええ

私の昼寝はどこでもできる

椿

椿

椿の花が落ちました

突然ぼとっと落ちました

縁起悪いと言うけれど

 ピンピンコロリン 潔く

みんなそうなりたいと願ってる

春風そよぐ路地の裏

椿の花が落ちました

真っ赤な雨傘

真っ赤な雨傘

あの人なんだか悲しそう

あの人なんだか寂しそう

あの人なんだか苦しそう

あの人なんだかしんどそう

雨中とぼとぼ歩いては

町の中に消えてゆく

元気のないおとな達

私の真っ赤な雨傘を

そっと貸してあげたなら

少し元気が出るだろか

私がおとなになったなら

真っ赤な雨傘さしながら

ピチピチチャプチャプランランラン

元気に歩いていきたいな

近くて遠き春のよう

近くて遠き春のよう

雲ひとつない青い空
黄色い稲のその向こう
一本道のその先で
私を待ってる人がいる
茶色い町に囲まれた
少し小高い丘の上
そよ風吹くその中で
私を待ってる人がいる

日の出は見事な曙色
夕暮れ時は茜色
日暮れはほのかな色提灯
夏は煌めく夢花火
一緒に丘から見た景色
今も鮮やか甦る

いまだ心は夢の中
目を瞑って開けたらば
この夢覚めやしないかと
思えど悲しさ増すばかり
寄せては返す思い出に
追憶儚く

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私は私

私は私

今日 歯が一本抜けました

これから歩むこの道が

希望ばかりでないことを

私はちゃんと知っている

失うことの多い道

何をどれだけ失くしても

私は私

自分だけは失くさない

語らぬ英雄

語らぬ英雄

ひびが入って危ないと

柱を交換するという

鋸で切られるその姿

心を痛めずいれようか

私は知ってるあなたのことを

地震があったあの時も

台風が来たあの時も

2階で騒いだあの時も

疲れてもたれたあの時も

あなたはびくともしなかった

しっかり支えてくれました

ひびが入っしまったは

支えてくれたその証

役目果たして行き着く先が

危ない 変えます さようなら

何と悲しいことでし

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無慈悲

無慈悲

ここにいる

牛も 豚も 鶏も

みんな連れていかれては

お肉にされると爺は言う

この子も その子も あの子もみんな

お家に行っては食べられる

爺にひどいと伝えたら

おまえのお腹の飼虫が

ぐーぐー鳴かなきゃ止めるべと

大きく笑って言うのです

野道小道よ帰り道

鳴くな鳴くなと帰り道

夕暮れ時のお家前

飼虫ぐーぐー鳴きました

何にも知らないあの子たち

何にも言えない私です

命を力に変えて

命を力に変えて

しらす飯を頼んだら

熱々ご飯のその上で

死んだしらすの大群が

私をじっと見つめてる

大事な命というけれど

こうして命を奪っては

私はのうのう生きている

こんなに命頂いて

つまらん生き方していては

しらすたちが浮かばれん

命を力に変えていく

今日も明日も明後日も

海坊主

海坊主

あの日
海から黒い手伸びてきて
全てを奪ってしまったの
大きな声で精一杯
方々叫んでみたけれど
消えゆく町の騒音に 
只々飲み込まれるばかり
力一杯握ってた
私の大事な宝物
みんなみんな引っ張られ
海に盗られてゆきました

情なき真っ黒海坊主
私があなたに何をした
答えもしない海坊主
こんなことして何になる

全てを奪ったこの海が
何もなかったかのように
平然としているそのさまに
私は唖然とするば

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広い心

広い心

空も海も

なーんでこんなに広いのに

なーんで何も置かないの

お金がなくて買えないの

欲しいものがないのかな

あれあれ 雲さん飛行機さん

おやおや 船さんお魚さん

ひっきりなしにあっち行き

ひっきりなしにこっち来る

「ものがあったら通れんね」

母さんにこにこ言うのです

ものを置いたら邪魔になる

だからものを置かないの

なんて優しいことでしょう

私も空と海のよう

広い心を

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青空とひまわり畑

青空とひまわり畑

「だるまさんがころんだ」
振り向けば
雲ひとつない青空と
黄色輝くひまわり畑
ゆらゆらひまわり揺れるけど
目を瞑ってあげましょう

「だるまさんがころんだ」
振り向けば
果てしなく続く黒い影
戦車 ミサイル 兵隊さん
ひまわり踏んで進んでいく
どれも止まってくれないね

「だるまさんがころんだ」

「だるまさんがころんだ」

動けば失格 知らないの
私の声じゃ届かない

私は見ているよ
何もしてな

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迷い

迷い

いっぱい足跡つけたとて

昔も今も変わらない

寄せては返す夕波に

跡形もなく消されてく

静かな浜の夕暮れは

さまよう私の影ばかり