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論語とともに見る社会

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とらまる×論語普及会 論語普及会会員のとらまるが論語にふれた記事と、普及会の記事をまとめて収録しています。
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#学び

論語のススメ...論語入門編まとめ①

論語のススメ...論語入門編まとめ①

①人と社会のみちしるべ……論語とは

論語は、今から約2500年前に中国でできました。
論語をあまり知らない人からすると、
孔子が書いた本というイメージの人もいるかもしれません。
実は、論語は弟子達がまとめた語録なのです。

孔子(紀元前551~479年、春秋時代末期の思想家・教育者・政治家)が亡くなった後、孔子と優れた弟子達が言ったこと、行ったことを書き記しました。

孔子、直弟子、孫弟子達は、

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読みやすい『仮名論語』…漢文を親しみやすく編集

読みやすい『仮名論語』…漢文を親しみやすく編集

論語は中国でできた言行録ですので、原文は漢文です。

漢文のままだと日本人には読みにくいため、
漢文の漢字にひらがなを足した
「書き下し文(読み下し文ともいいます)」が考えられました。

しかし、元々の漢字の読み方が分からない場合、
音読に困りますので、さらに日本人向けの書き下し文が作成されました。

「論語普及会」の伊與田覺先生は、
誰でも親しめるように、そして気楽に、
子どもも読めるようにと全

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論語の構成……全20篇、500章

論語の構成……全20篇、500章

論語の構成は、学而篇から郷党篇までを「上論」
先進篇から堯日篇までを「下論」と呼びます。

篇の名称は各篇の初めの二文字をとったものです。

学而第一の始まりは、漢文で書くと
「子曰、学而時習之、不亦説呼。」と書きます。
その、最初の「学」と「而」をとって「学而」です。

為政第二は、「子日、為政以徳」
「子曰く、政を為すに得を以ってす」の
「為」と「政」をとって「為政」です。

各篇は平均25の

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絶えず努力し、学び続けた人…孔子とは

絶えず努力し、学び続けた人…孔子とは

孔子は、紀元前551年春秋時代末期の
魯という国に生まれ、
紀元前479年、73歳で亡くなりました。

孔子は、もとは低い身分の出身で、
父を早くに亡くし、貧しい母子家庭の中で育ちました。

そんな中、幼い頃から、自ら勉学に励み、
下働きもいっぱいして役人となりました。

出世した時もあれば、
うまくいかず辞職せざるを得ない時もあり、
浮き沈みの激しい人生ではありました。

ですが、当時の政治を改

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人と社会のみちしるべ…論語とは

人と社会のみちしるべ…論語とは

論語は、今から約2500年前に中国でできました。

論語をあまり知らない人からすると、
孔子が書いた本というイメージの人もいるかもしれません。

ですが実は、論語は弟子達がまとめた語録なのです。

孔子(紀元前551~479年、春秋時代末期の思想家・教育者・政治家)が亡くなった後、孔子と優れた弟子達が言ったこと、行ったことを書き記しました。

孔子、直弟子、孫弟子達は、
それぞれが生き方、政治や国

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論語のススメ

論語のススメ

『現代的論語』をいつも読んでいただきありがとうございます。

論語は現代にも通じる話や教えが多くあるものの、
現代社会や私達の今の生き方に、
どう照らし合わせて理解していけば良いのか…
現代のこととして考えるとしたら、
一体どのようなことを論語から学び得たら良いのか…

論語を聞く・読む側も、
伝える側も、その点が難しいなと思うのです。

論語をよく知る人からすると、
学びも専門性も高くなっている

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現代的論語4 孝行とは

現代的論語4 孝行とは

親孝行をし、きょうだいの言うことをよく聞き、年上や上司の人に逆らうものではない…
簡単に言えばそんな感じです。

孔子が生きていた頃の時代なので、
「兄や姉に従順に」というフレーズは
今の時代で考えると表現の仕方がきついものや
そぐわないものも中にはありますが、
”きょうだいを大事にせよ”という意味で受け取れば良いのではないかと思います。

「親やきょうだいを大事にして、
孝行することを忘れないよ

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臭悪不食...食に関する心得とにおい

臭悪不食...食に関する心得とにおい

色の惡(あ)しきは食わず。臭(におい)の惡(あ)しきは食わず。飪(じん)を失えるは食わず。時ならざるは食わず。
(郷黨第十、仮名論語一三二・一三三頁)
(孔子は)色や臭いの悪いのは食べられなかった。煮加減のよくない物や季節外れの物は口にされなかった。

孔子は、色や臭いの悪いもの、煮加減のよくない物や季節外れの物は食べられなかった。
『論語』郷党篇には、冒頭章句の前後に孔子の食に関する心得が記さ

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現代的論語2 心同じくした仲間が集まる喜び

現代的論語2 心同じくした仲間が集まる喜び

幼き頃から共に学び、志を同じくする友・仲間はかけがえのない存在であり、離れてもまたやってきてくれるのは有難いことであり、大変喜ばしい。
また、その繋がりがいつまでも続いていくことも喜ばしい。

そのようなことが語られていますが、最近は、昔仲良かった人と離れてもなお、会って交流を深められるというのは乏しくなってきているのではないでしょうか。

互いに仕事や生活が多忙で、滅多に会えない、メールのみのや

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現代的論語1 学びを通して得る喜び

現代的論語1 学びを通して得る喜び

私は論語を学んでいる者です。
論語との出会いは、約3年ほど前。
開業する際に、昔からお世話になっている税理士さんから「経営者になるなら論語を学べ」と言われたことがきっかけでした。

当時は論語についてはさっぱりで、
『どんな勉強なんですか?』と尋ねたところ、
「孔子だ」と一言。

何のことか結局よく分からないまま、税理士さんが参加する論語の勉強会に一緒に参加しました。

そこにおられた方々は、人生

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楽水楽山...知者は変化を楽しみ、仁者は永遠の中に安住する

楽水楽山...知者は変化を楽しみ、仁者は永遠の中に安住する

子曰わく、知者(ちしゃ)は水を樂しみ、仁者(じんしゃ)は山を樂しむ。知者は動き、仁者は靜かなり。知者hは樂しみ、仁者は壽(いのちなが)し。
(雍也第六、仮名論語七六頁)
先師が言われた。
「知者は水を好み、仁者は山を好む。
知者は活動的であり、仁者は静寂である。
知者は変化を楽しみ、仁者は永遠の中に安住する」

登山や山歩きを好きな人にとって答えられない章句が『論語』にある。

雍也篇の「知者は水

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與立與権...「心を同じくして 物事に応じて 正しく判断して 進むことは難しい」

與立與権...「心を同じくして 物事に応じて 正しく判断して 進むことは難しい」

與(とも)に立つべし、未だ與(とも)に權(はか)るべからず。
(子罕第九、仮名論語一二五頁)
先師が言われた。「一緒に立つことはできても、心を同じくして物事に応じて正しく判断して進むことは難しい」

昨年、知人からある方に「論語は生活に役立ちますか」と質問してもらいたいと言われた。
答えが正しいかどうか確認して欲しいと言うのである。

その方は、ほんの一、二秒の間をおいて、
「論語は中国の哲学者で

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飽食無心...「腹いっぱい食べて一日中ぼんやりしているようでは困ったことだ」

飽食無心...「腹いっぱい食べて一日中ぼんやりしているようでは困ったことだ」

子曰(のたま)わく、飽くまでも食(くら)いて日を終え、心を用うる所無きは、難いかな。博奕(はくえき)なる者有らずや。之(これ)を爲(な)すは、猶(なお)已(や)むに賢(まさ)れり。
(陽貨第十七、仮名論語二七六頁)
先師が言われた。「腹いっぱい食べて一日中ぼんやりしているようでは困ったことだ。双六や囲碁などの賭け事があるではないか。まあそれでもする方が、何もしないよりマシだ」

少し前の時代は、学

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子どもに合った、勉強をうながす言葉って何でしょう…?

子どもに合った、勉強をうながす言葉って何でしょう…?

私は子どもの発達に関する仕事を主にしているので、
「子どもにどう伝えたら勉強してくれるようになるんでしょうか?」
というご相談を日頃よく受けます。
言っても言ってもやろうとしない、そういうことって多いと思います。

大人側は、勉強についていけなかったら本人が困るだろうからと、心配してあれこれ言いたくなるのですが、残念ながらいくら言っても、子どもにとっては鬱陶しい言葉にしかならないんですね。
やれと

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