シェア
亜珠チアキ//AZLL
2020年4月14日 22:39
-動かない人形- 廃ビルの奥深く堆く積まれたガラクタの山その天辺に彼女はいた隙間からこぼれる光がガラス玉の瞳に反射する表情からは何も読み取れない中空を見つめ続ける瞳は深く淡く澄んでいたカチリカチリと鳴る音私の内側から響く音 鼓動ピイピイと鳴く音羽ばたくものが歌う音 飛翔教えてくれたあの方はいない私は私はワタシハ ………………木々の音鳥の音
イセザキ
2020年4月28日 20:49
新しい朝を迎えに行こう早起きの小鳥たちが鳴くより前に(光の粒のような星が消えてしまう前に)愛していると誓った君の、瞳にはまぶしいなみだ幾千もの「終わり」を越えて会いに行こうそこには新しい光があるまばゆい明日を描きに行こう手に取るように群青。夜を越えて。あの日見た円盤、夜空を照らすサーチライトどこまでも静かな青い海に、星空は沈んでいく
2020年4月7日 23:38
愉快に遊んでいる人がいる熱心に仕事をしてる人もいる夢を追い一途に頑張っている人もいて皆同じ時間を生きている選択肢は自由で何をしてもしなくてもいい時間だけが1つまた1つと零れ落ちていく選んだ道の答えを知っているのは数年後の傷ついた自分だけいつか何かが出来ると純粋に信じた自分は過去にしかいない現在の自分は何も知らず空っぽの自由を生きている透明で空虚な音を奏で永遠
そあ
2020年4月21日 21:00
スターチスの紫が錆びて幼いウサギの瞳の色に 変わりゆくチャイムで守られた箱庭に片足だけ靴を落として 君は卒業した 初めて見たクラスメイトは 春の雨の日右の頬を濡らして 笑っていた2人に1人が 黄色い傘を開かない 通学路空いた片手は アドレセンスの無防備さで 赤信号が膨張して 進めない夕暮れあどけなさで 足踏みする ステップにうつむく君は バランスを崩した不意に目に入ったの
2020年4月18日 21:14
時計の音は大きく 乾いた時を刻み壁は白く垂れ込めて 腫れぼったく見えたもう一人の僕が僕を見て 君も一人だねと笑って 更けゆく 今夜の呼吸は 凪ぐでしょうか 僕を今日まで生かしてきた思い出が君を巻き込んで フラッシュバックする図書室の夢は 光の筋に舞うダストとアンニュイ梟の瞳で本を読む 星の欠片をガラス瓶に詰めた 記憶の中の待ち人 誰よりも知っていた本当に 捨てられないものは
アートとメルヘンと創作の森
2020年4月27日 23:53
黒澤はるおコトリは たべたかな 山葡萄コダヌキは たべたかな 山葡萄子グマは きっと たべたろな 山葡萄もうすぐ 冬が来る ぼくも すこしだけ いただきます山葡萄詩・「山葡萄の詩」終り2020.4.27
2020年4月6日 20:43
用済みのカプセルが散乱 欲しがりは底無しで開けても開けても 昔見た夢に踊らされていた 都市の憂鬱は 灰色の鳩と煙草の吸い殻 ビル壁面の大型ビジョン 黒いスーツで眺めた 追いかけていたこと 辞めてしまったこの先何があるか分からないって言った あいつの言葉が 結果論で赤丸 付けられていく 悔しさの裏で安心して 今を肯定出来てしまった私は 大人になってしまったようだ あの曲が新譜だ
白川千雨人
2020年4月24日 12:06
桜降りしきる目を閉じずとも懐かしい影が重なっていく舞い落ちる花びらふわり巻き戻って硬く澄んだチャイム射しこんでくる窓ガラス溶かしそうな細くとがった光君の声色耳元で聞こえてしまう足音と喧騒に誘われてつるつるの机にいつものようにほおづえついて鼻をくすぐる若い人々の雰囲気風になでられて空風空ゆるむまなじり花びら揺れて落ち
2020年4月22日 12:08
枯れていることはなんも悪いことではないと祖父が言っていたことを幼心にじっと受け止めた頃枝の語る昔話と落葉の刻む時のリズムが魂の一隅となって働いた枯れた林は遠くまで見えるすぐ根元に寝転んでも空がつかめる鳥のさえずりもうまく行き渡り吹き抜けていく風は峻烈で引き締まる身が湧き立つ命を抱えているそして何よりも閑かで体内の気と水分が底の方にゆったりと落ち着いてゆくの
キムラ ケイ
2020年4月30日 17:09
ベランダからのぞいた青空に飛行機雲が見えて、遠く去っていく白い機体。そこに乗る人たちの顔を私は知らない。存在さえ感じとれない遠い距離。なのに、私は彼らに愛おしさを感じている。知らない人のことばかり考えて、いつだって他人のために働いてきたから。部屋に戻ろう。コーヒーを淹れよう。マグカップを二つ。この白い湯気の安らぎをあなたと分かちあいたい。
2020年4月25日 11:58
ガラスに映りこんだ反対側の植え込みは純朴な影叶わない想い抱えながら風に身をゆだねるだけいつだって重ならない思いの丈抱きながら来る日も来る日も憧憬を映してるよく晴れた日はずっと近づけたようで胸躍らせていつもより震えるあまりに曇り淡すぎる影の日はつらく小さく風が冷たくてけして縮まらぬ等距離を包んで馳せる影が今日も揺れているすましたガラスにささやかな華
ガミガモ
2020年4月30日 06:41
おだやかな晴れとゆらゆらの風土を掘れば小さな生きものが騒ぐでもなく急ぐでもなくだけど何か言いたげそして雑草にも雑草なりの理由があって何より雑草と決めつけているのは人間の勝手な理由全く関係のないものはどこにもなくて自然に習っておだやかにゆらゆらとおだやかにゆらゆらと
みつま
2020年4月30日 08:42
まだ春を迎えてない蕾あなたの望む春はどんなもの?それがもし叶わないものだとしたらずっと閉じたままでいるのかい? 苦しいだろう待ってるだけの時間は何もしないなら尚更 もう想
長澤靖浩
2020年4月30日 11:38
幸せとはあなたが生まれあなたが啼きあなたが微笑みあなたが立ち上がりあなたが歩きはじめたこといつのころからかあなたは私の手を離れ地平線の向こうに旅立ったいつか光の中で時が折りたたまれるときあなたも知るだろうか幸せとはなにか