「カイエ4」ヴェイユ
それは真空に放たれた叫び、永遠に答えを得られぬ呼びかけである。 この呼びかけこそが神の栄光の祝歌ホギウタなのだ。われわれの苦悶の叫びが神をこと祝ぐのである。 十字架につけられ「わたしの神よ、なぜ、わたしを見棄てられたのですか」と言うキリスト。ここにこそ神の栄光の完全な祝歌がある。はかなくして無窮、無窮にしてはかないこの地上での滞留のあいだ、このように叫びつづけること、そして虚無のなかに消滅すること、これで充分である。これ以上なにを求められよう。神がそれ以上のものを与えるとし