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薄桃の絨毯に乗って 詩・散文

桜降りしきる

目を閉じずとも
懐かしい影が
重なっていく

舞い落ちる花びら
ふわり巻き戻って

硬く澄んだ
チャイム
射しこんでくる

窓ガラス
溶かしそうな
細くとがった光

君の
声色
耳元で
聞こえてしまう

足音と喧騒に
誘われて

つるつるの
机に
いつものように
ほおづえついて

鼻をくすぐる
若い人々の
雰囲気

風になでられて



ゆるむまなじり

花びら揺れて
落ちる間の
遥かな旅

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