ガミガモ

アイコンは若かりし頃の自分です。パートを二つ掛け持ちしている男です。 小五の時に「ネ…

ガミガモ

アイコンは若かりし頃の自分です。パートを二つ掛け持ちしている男です。 小五の時に「ネス湖の恐竜見たいな、見たいな、あー見たい、絶対見たい」というふざけて書いた詩を担任の先生に絶賛されてから、詩を書くようになりました。

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  • 海の共同運営マガジン『海のイドバタ会議』

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    【海好きさんあつまれ!】 海が好きな仲間のための共同マガジンです。目指すは 「みんなで海のあれこれを話して、ワイワイ楽しみましょ」 といったマガジンです。 【参加条件】 ・海に関わる記事であればなんでもOK! ・誹謗、中傷しない方であればだれでもOK! 【登録方法】 ・固定記事のコメント欄に「参加希望」と書いてください。 【#ハッシュタグ】 #海 #魚 #船 #漁村 #港町 #漁師 #船乗り #海水浴 #離島 #ビーチ #サーフィン #ヨット #ダイビング #ビーチクリーン #海洋生物 #旅行 #海の風景 といったハッシュタグをつけるような記事であればなんでもOKです。 みんなで素敵な、おいしい、楽しい共同運営マガジンにしましょ! ※気になる海記事があれば貼り付けてしまうので、ふさわしくないと思ったらご連絡ください。削除します。 ※詳しくは固定記事を見てください。

最近の記事

鳩とクッション

鳩がシマトネリコの木にやって来た ガサゴソと動いている 意味なくやって来たのではない 何かを伝えたいのだろう 鳩胸じゃないけど 自分の胸に手をあてて感じてみる 「急がずに余裕を持って」 そう 僕はいつも急いで 結論にまっしぐらだった 曖昧な先送りは 無能だと思っていた 無能なのに 無能と見られないように急いで それこそが無能の証だと 気付かなかった ちょっと寝転がって 枕の代わりになるものがないかと ソファでくつろぐ妻に言うと クッションを一つ投げてくれた 「

    • 屋上で空を#60

      午前四時 赤い満月が西に沈んだ 東には木星と火星 滲んだように見えるのは昴 アルデバランとヒヤデス星団 この辺りを双眼鏡で覗くと 息を飲むような美しさ さっきから 腕や脚は蚊の餌食になってるけど 早起きしてよかった やがて星たちは消えて 地平の辺りが赤みを帯びる 朝が始まったのを見届けて もう一度寝床につく 今日この街で花火大会がある

      • その人の人生

        その人は朝起きたら 夜寝るまで座りたくないと言って 休憩も取らず昼ご飯も食べず ずっと仕事している 出勤時間の2時間前に出社して トイレ掃除や雑用をしていて 昭和のモーレツ社員顔負けのその人の エネルギーの源を知りたくて 密着はしないが探ってみた その人は外国で生まれ 家業を大きくさせた立役者で 第一子だったが 女子だからと家業を継げず 無能だけど男子だからと弟が継いだ そして日本に来たが 日本も同じような国だった 言葉の端々に見えるのは怒り その人のエネルギーの源は

        • スピード

          幹線道路を行き交う車はどれも かなりのスピードを出している みんな急いでいるのだろう 怖い顔してハンドルを握っている 人間の歩く速さに合わせて 作られていた道はもう この辺りでは見当たらない 便利っていうのは 時間を買い取ることなのか 速く速くと進化して 地球の自転を追い越すつもりか ぼんやりと眺めながら こんな事を思うのは 今の世界に乗り遅れているのか 小学生の頃の あの遅くて狭い世界が 懐かしい

        鳩とクッション

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        記事

          欲しかったもの

          100円ショップへ行ったが 目当ての物が見つからない ではなくて 何が欲しくてここに来たのかを忘れ 店内の真ん中で立ち尽くす だけど じっと立っているのは 迷惑だし挙動不審なので 取り敢えずうろうろすれば 思い出せるだろう という目論見はもろく崩れ なのに豊富な品揃えに気を取られる そうそう 大っきなマグカップが欲しかったし シリアル用の小ぶりなスプーンも 何かに使うフックも 細いヤスリも 瞬間接着剤も 充電ケーブルも でもそれらじゃない 今はいらない この先も当分

          欲しかったもの

          地球の囁き

          蝉の声で目覚めた朝 うるさくて寝てられないと 妻は一足先に寝室を出た 横たわった体を通り抜けた蝉の声は ずっと先のその先の 人間が知らない領域に響いてる そんな気がして聴き入ると 単純に思えた鳴き声は 繊細で色んな音を含んでる これは地球の囁きじゃないのか そう思うと自分で自分を 抱きしめたくなる 子供の頃に競って捕まえてたのを 今になって後悔する あの頃は何も知らなくて 今はもっと知らない

          地球の囁き

          20秒の中の20年

          大きくなってしまった子供たちの なんてない仕草に 幼かった頃の面影を見つけて 思い出に浸るのは この上ない幸せだけど 余り長く浸っていると 明日を見逃してしまう 1分は長すぎで30秒でも長い 浸るのは20秒にしておこうと思う ゆっくり息を吐いて もうこれ以上は無理なのが20秒だった これが今の立ち位置 明日までに何をしようか

          20秒の中の20年

          老いるということ

          老いは ぴったりと背中に貼り付いて 自分では見えない 後ろを歩く人には 簡単に見えるのに 平穏な暮らしの中では その存在に気付けない そして 濡れたティッシュペーパーを 一枚ずつ貼り付けるように 少しずつ重くなっていく 調子に乗り過ぎてはいけないし 慎重になり過ぎてもいけない 濡れたティッシュペーパーを 一枚ずつ乾かすように 少しずつ自分を説得して 説得する自分と説得される自分の お互いが納得するまで続けなければ 周りを不幸にする

          老いるということ

          よかったこと

          右足のふくらはぎをつりかけた ディーラーで点検の予定を忘れていた 一昨日の晩ごはんを思い出せない 贔屓チームが逆転負けした そんな中でよかったことを探す 自転車で走ってると燕が併走した 庭の木にやって来た蝉が優しく鳴いた 食べたかったタコ焼きを食べた ポケットの中にアメが一個あった これで同点 家の前を掃いていると突然現れた蝉が僕の頭にしがみついて来た 両手がふさがっていたので とっさに頭を振ると蝉は飛んで行った よろけて転びそうになったが 体を反転させて事なきを得

          よかったこと

          走る走れば走るとき

          ふと魔が差したのだと思う ウォーキングをしていて 体が軽く調子がいい ちょっと走ってみたくなった 身軽にはしゃぎ回る園児を見たからか もっと汗をかきたくなったからか ほんの少し跳ねてみると 誰が見ても走っている姿になった 確かに僕は走っていて 前から来るバイクや車が 恐れをなして大きく避けている いや 恐れられるほどの必死の形相じゃなく 心地よい風を感じながら ふわりとした柔和な表情のはずだ でも 僕に差した魔物と一緒に 走っていたのかも知れない 真相は よろよろ

          走る走れば走るとき

          じょうら

          午後九時のリビングは 異様な雰囲気だった 風呂上がりの息子たち二人は 当然のように上裸で 部活の部室みたいだ 釣られて僕もTシャツを 脱ぎかけて・・・・ 息子たちは部活で毎日練習していて 全身ムキムキで筋肉の圧が半端なく ぼんやりしてるとリビングから 押し出されてしまいそう それに比べて僕はと言えば・・・・ 何も言えない 黙ってTシャツの裾を下ろした

          じょうら

          比喩

          帰り道は 風速10mの向かい風だった 思うようにペダルが漕げない 自転車が左右に揺れる 向かい風の中を進め という歌があったと思い出し 比喩としてはいいけど 現実は厳しく困難だ 太ももが重くて 全身がこわばっている そして小さな上り坂 止まってしまいそうな速度で だけど足は止めずに漕ぎ続けると 下り坂がやって来た やっぱり人生みたいだ

          屋上で空を#59

          ふと目が覚めて時計を見る 午前四時三十三分 朝焼けに間に合う そう思った瞬間 躊躇なく布団を蹴飛ばす 屋上に上がると 新聞を配達する人や 散歩する人が見える 穏やかな朝の空気を吸い込むと 昨日の疲れが消えていく でも何で疲れていたのかは 思い出せない 東の空が薄っすらと赤らんで どうでもいいことだったと 思うことにする 昨日の何かが残っていたとしても 昨日はもう終わっていて もう来ることはない 今日は一番新しい今日で それももう来ることはない

          屋上で空を#59

          午後七時半の情景

          午後七時半 この薄暗さは十数年前に ボールが見えなくなるまで 息子と遊んだ記憶を呼び起こす あの頃 なんでもよく知っている 凄いお父さんだった僕は 今では 真面目によく働くけど 稼ぎは半人前のオヤジだ あの頃を なんとなく覚えている君は この先ほとんどを忘れてしまうだろう だけど僕は ずっと覚えている為に 時々思い出して 近い記憶に置き換える いつでも君に話せるように

          午後七時半の情景

          雑木林に吹く風

          雑木林の中を歩けば 暑い日差しは縦に横に縫い込まれ 柔らかくなって足元を照らす そんな中で 特別な風が吹いているのだろう 手に持って小刻みに揺らすように 若葉が震えている場所がある もしも 足元に転がっている小枝を拾って その風に吹かれて・・・・ 異次元の世界に迷い込み 仲間と出会い魔物を倒し 光の剣を手に入れ魔王を倒し その世界を救って元の世界に戻っても 一秒しか経っていなくて なんの記憶も残ってないなら 僕はそのまま雑木林を抜けて 家に帰って汗を拭くだけ そして

          雑木林に吹く風

          空蝉

          梅雨の合間に晴れ渡ると 日差しは夏そのもの 薔薇の花びらを二枚三枚八枚と 拾ううちに背中がジリジリと焼ける ウォーキングに出ると 道端に蝉のぬけ殻 季節は確実に進んでいる 夕暮れに川の堤防に腰掛けて 話し込む年配女性が二人 少し離れてまた二人 まるで恋人たちみたいだけど 語るのは過去のことばかり 花と蝉と人と 命の長さは違うけど 受け繋がれていくのは同じ 赤ちゃんバッタが ぴょんと跳ねた